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第219話 地下体育館へ

 球技大会、ちょっと好きになったかも。

 だってテレビ中継があるんだよ?


 教室にあるテレビに試合の様子が映って、教室で見れるんだよ?

 実際に試合が行われてる地上体育館とか地下体育館、外に行かなくていいんだよ?

 もちろん、そこに行って応援しても大丈夫だけど。


 俺はあんまり行きたくない。

 教室で静かにいたい。


 でも咲羅たちの試合は観たいな。


 で、最初はなんの種目だったっけ?

 確かプログラムが色々と書かれた紙に書いてあったな。


 俺たちのやつはっと……。

 ……。……?

 あれ、見間違えた?

 もう1回ちゃんと見てみよう。


 ……うん、やっぱ俺、間違えてなかったわ。

 最初。

 最初にやる。


 「天太くん、そろそろ行かなくて大丈夫?」


 後から湊亜が話しかけてくる。

 湊亜は卓球だった気がする。


 「マジで俺最初にやるの?」

 「うん、他のみんなはもう行ったよ?」

 「場所どこだっけ?」

 「地下体育館だよ」


 面倒くさ。

 あそこ、地下4階にあるんだよ?


 エレベーターとかないし、行くの本当に面倒くさい。


 「私もまだ出ないから、向こうに行って応援するね」

 「ありがたい。……けどプレッシャーもすごい」

 「誰も天太のことなんか応援してないから気にすんな」


 気づいたら総一郎がいた。

 こいつはサッカーだ。


 「応援されてなくても見られてると緊張すんの」 

 「そんなこと言ってないで早く行きな? 咲羅さんとか待ってるよ?」

 「はいはい。じゃ、醜態晒してきます」


 行きたくないけど立ち上がって、教室から出る。

 バスケか……。






 地下体育館まで来た。

 結構人がいる。


 その中に咲羅たちがいたけど、敢えて話しかけなかった。


 係の人に赤色のゼッケン貰って、それを着る。

 ゼッケン着るの久しぶりな気がする。


 で、俺のチームは……、全員話すほどの仲じゃない人だな。

 特に変な思い出があるやつはいないし――


 ――いや、一人いた。

 あのモヒカンじゃん。

 学園祭の演劇のとき、急にアドリブかましたやつ。


 あの節はお世話になりました。


 そう思ってモヒカンを見てたら、そいつも俺を見る。

 目が合っちゃった。

 モヒカンはそのまま俺に向かってくる。


 ……ヤバい、俺絶対なんかされる。


 「おい、木神」

 「は、はい……」

 「お前、今は共同戦線だ」


 モヒカンはそれだけ言ってどっか行っちゃった。


 なんだったんだ、あれは。

 ま、いっか。


 よし、みんなに恥ずかしいとこ見せるか!

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