第208話 今日から3学期
3学期が始まってしまった。
とてつもなく面倒くさい。
また外に出なきゃいけないと思うと憂鬱すぎる。
「天太ー! 3学期も頑張っていきましょー!」
朝から姉ちゃんは元気。
なんで朝からこんなに元気出せるんだろう。
「勉強わからなかったらいつでも私に言ってね! 教えてあげる!」
「それはどうも」
「あと恋人できたら言うんだよ?」
「…………」
なんか最近姉ちゃんおかしいよね。
姉ちゃんもストレス溜まってるのかな?
「返事は?」
「姉ちゃんも恋人できたら言えよ?」
「私は絶対に恋人できないから大丈夫!」
そんな自信満々に言うなよ、悲しいな。
とにかく、もう時間だし学校行くか。
やっぱ始業式の学校は楽。
すぐに終わるから。
校長の話聞いて、プリントもらって、宿題提出して終わり。
校長の話つまらなかったな……。
いやさ、ありがたい話だったら俺もちゃんと聞くよ?
たださ、意味わかんない話してたんだよね。
二重言葉についてずっと話を聞かされた。
あんまり面白くなかったね。
で、今は帰り。
今日は咲羅と二人で帰ってる。
他のみんなはなんか部活とかあるみたい。
「天太はさ、3学期にしたいことあるの?」
「いや、特にない。強いて言うならもっとみんなと仲良くしたい」
「なっ、それどういう意味!?」
え、そんな驚く?
俺ヤバいこと言ったかな?
「しかもみんなって……! 実璃とかも!?」
「ま、まぁ実璃とも仲良くなりたいな」
「ちょっ、マジで言ってる!? さすがに引くんだけど!」
なんでぇ!?
俺本当になんもしてないよ!?
「しかもさ! そういうこと言うならもっとこう……静かな場所で言いなよ! せめて私と二人きりのところ!」
「ちょっ、なんか誤解してない? 多分俺の『仲良くなりたい』ってワードに反応したんだよね? 一応『友達として』なんだけど……」
「え?」
いや、こっちが『え?』だよ。
『恋愛的に仲良くなる』って勘違いしたのかな?
すごい勘違いだな。
「俺はそんな何人も恋人つくったりしないよ……」
「……ふーん……」
その言い方、俺が何人も恋人つくる人だと思ってたの?
今の日本じゃ一夫多妻はあんまり聞かないけどな……。
「……それよりさ、今度空いてたりする?」
「今度? 多分空いてると思うけど……いつでも暇だから」
「みんなとお泊まり会することになったんだけど天太も来ない? 私の家で」
咲羅の家で?
咲羅の家で複数人がお泊まり会?
しかも男の俺が咲羅の家に入っていいの?
「俺男だよ?」
「だから?」
あー、こりゃなに言ってもダメだ。
まぁ、俺は咲羅に変なことするつもりないから別にいっか。
みんなもいるし。
追記……作者の都合により、しばらくの間投稿をお休みさせていただきます