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第205話 神社へ

 近くの神社まで来たけど、結構混んでる。


 とりあえず並ぶか。


 ってことで、みんなで並んでる。

 今日は快晴か……。


 「私並んどくからさ、『ちょうずしゃ』で洗ってきな?」


 俺の前にいる姉ちゃんが振り向いて言う。


 それと、今なんて言った?

 『ちょうずしゃ』?


 「あ、でも数人は残ってほしいな。交代制で行こ?」

 「姉ちゃん、さっきなんて言った?」

 「? さっきって?」

 「いや、日本語じゃない単語言ってたよね?」

 「言ってないけど?」

 「ちょうず……なんだっけ? そんな感じのやつ」

 「え?」


 最後の『え?』は姉ちゃんが言ったんじゃない。

 声からすると多分咲羅。


 なんで咲羅が反応する?


 みんなの顔見ると、みんな『こいつなに言ってるの?』って顔してるし。

 俺なんかヤバいこと言った?


 しばらくすると咲羅がポケットからスマホを出して操作する。

 そして画面を俺に見せた。


 神社とかにある、手とか口を洗うところが表示されてる。


 「これ」

 「うん、これがどうした?」

 「これが『ちょうずしゃ』」

 「……へ?」

 「こういう漢字」


 咲羅がまた画面をいじる。

 そしてまた俺に見せた。


 メモのアプリかな?

 そこに漢字で『手水舎』って書かれてる。


 「これで『ちょうずしゃ』」

 「へー」

 「……知らなかったの?」

 「うん、知らなかった。……もしかしてみんな知ってた?」


 俺の質問にみんなが黙ってうなずく。


 ……みんな知ってたの?

 俺だけ知らなかったの?

 え、恥ずかし。


 「あららー、天太恥ずかしいねー」

 「実の弟を煽るな」

 「ま、行ってきな?」

 「あ、私遥海さんと一緒に並んでます」


 俺が行こうとすると、湊亜が言う。


 ……次、誰がどういうセリフを言うか予想できるな。

 多分あいつだよ。


 「え、湊亜さんここにいるの!? じゃあ俺もここに残る!」


 うん、予想通り総一朗だった。

 しかも一語一句俺の予想とセリフが合ってた。


 「じゃ、俺たちは行ってくる」


 言っても無駄だってわかってるけど総一朗にそう言って離れる。

 柚斗と翔琉も残るみたいだ。


 咲羅と実璃と言音が無言で俺についてくる。

 無言は怖いな、せめて喋りながら来てよ。


 「そういえば木神先輩、なんか『初詣なんて久しぶりだな』って顔してますね! 久しぶりなんですか?」

 「マジで久しぶり」

 「……なんか行かない理由でもあったの?」

 「……話したくない」


 絶対に話したくない。

 『おみくじで大凶がずっと続いたから初詣来たくなくなった』なんて言えない。


 今日もおみくじ引くのかな……?

 ま、今年くらいは大丈夫だろ。

 せめて末吉とかでしょ。


 大凶なんてポイポイ出ない。

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