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第204話 初詣?

 1月1日。

 今家に母さんはいない。

 つまり、俺と姉ちゃんだけ。


 母さんは一人で単身赴任で違うところにいる父さんのところに行った。


 今は午前8時前。

 そろそろ来るな。


 「天太ー、一緒にシャワー浴びようよー!」


 どっかから姉ちゃんの声がする。

 しばらくすると姉ちゃんが俺のところに来た。

 ちなみに今、俺はリビングにいる。


 「みんな来る前にさっぱりしよ?」

 「うん、行ってらっしゃい」

 「行ってらっしゃいってなに?」

 「いや、『シャワーに行ってらっしゃい』って意味」

 「いや、一緒に浴びよって」

 「水着で?」

 「そんな面倒くさいことしないよ、シャワーは裸でしょ」

 「あのね、女子大生が男子高校生の弟と一緒にシャワー浴びるなんて聞いたことないんだけど」

 「私の友達はそうしてるよ?」


 あ、そうなの?

 それはごめんなさい。

 その人のこと否定しちゃったかもしれない。


 「でも俺は恥ずかしいから嫌だ」

 「もー、照れ屋さん」

 「どうしよう、姉ちゃんのこと嫌いになりそう」

 「え、なんで!?」

 「普通に」

 「……マジ?」

 「マジ」

 「……あの、ごめん。天太のことちゃんと考えてなかった」


 姉ちゃん?

 マジトーンで謝るのやめて?

 罪悪感がすごいから。


 俺も謝ろうとしたら、ポケットに入れてたスマホが何回も震えた。

 誰かからメール来たんだと思う。


 見てみると総一朗からだった。

 なんか10件も来てる。


 『き』、『た』、『ぞ』、『は』、『や』、『く』、『で』、『て』、『こ』、『い』。


 怖いから一文字ずつ送ってくるのやめて。


 「来たって、みんな。行こ?」

 「あ、うん……」


 どうしよう、姉ちゃんが元気なくなっちゃった。

 謝る機会があったら謝っとくか。


 もう支度はしてあるからすぐに外に出る。

 そしたら家の前にみんながいた。


 総一朗、咲羅、実璃、柚斗、湊亜、言音、ついでに翔琉。

 言音が『翔琉も一緒がいい!』って言ったから翔琉も来ることになった。


 こいつと出かけるのって初めてだな。


 あとさ、一応言っとくよ?

 俺から『俺の家の前に集合ね』って言ったんじゃないよ?


 俺は現地集合って言ったよ?


 それなのに咲羅が『天太の家行きたい』とか言ってくるから俺の家の前集合になった。


 「おお、みんなそろってる。おはよ」

 「あけましておめでと」


 目の前にいる咲羅が他の人より先に喋る。


 ああ……気まずい。

 確かに今の挨拶は『あけましておめでとうございます』だね。

 俺普通に『おはよ』って言っちゃったよ。


 「あ、みんなあけましておめでとー!」


 姉ちゃんは急に元気を取り戻したみたいで、いつも通りの声のトーンで言う。


 あー、元日の太陽眩しいな……。

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