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第192話 自業自得

 「天太……死んじゃうよ……」


 更衣室の前で横になってる総一朗。

 カタカタ震えてる。


 こいつ、さっき本当に海に入りやがった。

 『誰も俺を止められない!』とか言いながら肩まで浸かってた。


 で、5秒くらい動かなくなったあと急に沈み始めたから姉ちゃんが助けに行って、今この状況。

 姉ちゃんはさっきからなにも喋ってない。

 さっきまでうるさいくらい元気だったのに。


 「こんな寒いのに裸で海入るからだよ」

 「裸じゃない! ちゃんと水着着てた!」

 「ほぼ裸じゃねぇかよ。とにかく、もう入るなよ」

 「いやいや、まだ入りたいよ!」

 「お前本当に死んじまうぞ?」

 「うぅ……、湊亜さんも……」

 「湊亜なら柚斗と自販機であったかい飲み物買ってきてくれてるぞ、お前のためにな」


 本当に総一朗ヤバいな。

 咲羅たちもゴミを見るような目で総一朗のこと見てるし。

 ま、自業自得だ。


 「天太、お前も入れ」

 「嫌だよ、俺も死ぬじゃん」

 「じゃあさ……咲羅さん呼んできて……」


 なんで咲羅が出てくる?

 そう不思議に思いながら咲羅を呼ぶ。


 総一朗は顔で『お前は邪魔だ』って俺に言ってるから俺は実璃たちのところに行った。


 「江島さん、大丈夫ですかね?」

 「多分ダメ」

 「木神先輩は海入るんですか?」

 「入るわけねぇだろ」

 「えー、先輩が海に浸かってる姿見たいです!」

 「俺を殺す気か」

 「あ、天太!」


 後ろから咲羅の声が聞こえる。

 振り向くと咲羅がいた。


 ……うん、水着姿の咲羅だ。

 なんで水着になってるの?


 カタカタ震えてるじゃん。

 なんで寒いの我慢してまで水着になる?


 「う、海入ろ!」

 「……は?」

 「だ、だって! せっかく海来たんだし、入らなきゃ損じゃん!」


 え、ええ……。


 どうしよう、咲羅もおかしくなった。


 「天太も早く水着に着替え直して!」

 「咲羅……? おかしくなった?」

 「早く! 私も寒いんだから!」


 寒いなら水着になるなよ。


 そう思って咲羅を見てたら、咲羅が俺の服を掴む。

 そして無理やり脱がそうとしてくる。


 「早く脱いで! もう脱がせる!」

 「いやいや、マジでやめて!」


 そう思って抵抗しようとしたけど、俺はとある未来が見えた。


 俺が抵抗する。

 咲羅の身体に触れる。

 咲羅が叫ぶ。

 そして俺が痴漢扱いされる。

 最終的に俺は刑務所……。


 ……うん、抵抗するのやめよう。


 だから大人しくしてたら、咲羅は俺の服を脱がした。

 水着の上に服着てたから、水着姿になった。


 めちゃくちゃ寒い!

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