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第184話 昨日なにがあった? 〜柚斗〜

 「木神くん、この前はごめんね?」

 「私、なんも知らなかったの……」

 「嫌な思いしちゃったよね……?」


 さっきから聞こえる女子生徒の声。

 俺は今、校門で大量の女子生徒に囲まれてる。


 なんでこうなったかは俺もわかんない。


 いつも通り校門に着いたら急に大量の女子生徒が来た。

 咲羅たちはどっか行っちゃった。


 本当になんだよこいつら……。


 早く柚斗とか翔琉と話したいのに。


 「本当にごめんね……?」

 「私もごめん……」


 キミたち、なんでさっきから謝ってるの?

 それを知りたいんだけど。


 それに、ここで止まるのやめよ?

 ここ校門だし、いろんな先生に見られるし。


 マジでどうしよっかな……。


 「……おい、昨日の俺の話、覚えてないのか?」


 後ろからなんか懐かしい声が聞こえる。

 振り向くとなんと柚斗がいた。


 ……『なんと』は余計だな。


 「確かにすぐに謝れとは言ったけど、こんなとこで謝る必要はないだろ? こいつだって早く校舎に入りたいかもしれないのに。逆に迷惑になるかもしんないだろ」


 お、柚斗が俺の代わりに言ってくれてる。

 ありがたいな。


 「とりあえずお前らは先に校舎の中に入ってろ。昨日のことは俺がこいつに説明するから」

 「……そっか、ごめんね、天太くん」


 柚斗のおかげで、俺の周りにいた女子生徒はみんな昇降口に向かう。

 咲羅たちはもう近くにいない。

 ってことはマジでもう教室に行きやがった……?

 せめて総一朗は俺をおいていってほしくなかったな。


 しばらくすると、柚斗が歩く出す。

 だから俺も柚斗についていった。


 柚斗は無言で歩いてる。

 ……いつ『昨日のこと』を説明してくれてるんだろ?

 意外と気になるよ? 昨日なにがあったのか。


 ……! そうか!

 柚斗は柚斗なりに俺のこと考えてくれてるのかな?

 『こんな人が多いところで話したら目立つ』みたいな?


 ありがとな、柚斗……。

 めずらしくお前に感謝してるよ……。

 最初はプリクラ写真拡散したから許せなかったけど。

 ……そうじゃん、最初の出会いそれじゃん。

 なんでそうする必要があった?

 俺の写真、そんな需要あった?


 そんなことを思いながら歩いてたら、もう校舎の中に入ってた。

 今階段のぼってる。


 ……いつ話すの?

 教室じゃ逆に目立っちゃうよ?


 「柚斗……、いつ話すの?」

 「なにがだ?」

 「なにって……。昨日のこと……」

 「昨日? 晴れだったぞ?」

 「そうじゃねぇよ」

 「昨日の夕飯はサバの味噌煮だったぞ」

 「そうじゃねぇよ」

 「じゃあなんだよ?」

 「自分で言ってただろ! 昨日のこと話すって!」

 「あー、確かに言ったな。でも面倒くさい」

 「はぁ? なに言ってんの!? めっちゃ気になるんだけど!」

 「ま、行くぞ」


 ……なんだこいつ。

 総一朗なみにヤバいやつだったわ、柚斗って。


 仕方ない、翔琉から教えてもらうか。

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