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第181話 咲羅と逃げた

 「ここまで来れば大丈夫かな?」


 3分くらい全力で走った。

 めっちゃ疲れて、口の中に血の味が広がってる。

 あとめっちゃ息切らしてる。


 俺とは対照的に、咲羅はあんまり疲れてないっぽい。


 「しゃきゅら……、にゃんでおみゃえ……、ちゅかれてない……?」

 「今は喋らないほうがいいんじゃない?」


 そうだね、今喋るとマジで死ぬ。


 あー、苦しいな……。

 もう走るの嫌い。


 5分くらい経つと、だいぶ落ち着いてきた。


 「もう大丈夫そ?」

 「ああ、ギリ」

 「それにしても、あれマジかな? 拳銃持ったやつなんているのかな?」

 「いや、そんなドラマみたいなことあるわけ――」


 俺が喋ってると、後ろからサイレンの音が聞こえる。

 振り向くと、パトカーが走ってた。


 向かってるところは……、あー、さっきまで俺たちがいた公園だ。

 ってことはマジ……?


 「で、結果は?」


 パトカーを見ている俺に、咲羅が訊く。


 「結果? テストの?」

 「そんなわけないでしょ! さっきの私の言葉の!」


 さっきの言葉?

 ああ、『恥ずかしいけど言う』って言ってたやつね。


 えーっと、どういう内容だったっけ?


 思い出せ……、思い出せ……。


 ……って、思い出すもなにも、そもそも聞こえなかったわ。

 銃声でなんも聞こえなかったんだよ、咲羅には悪いけど。


 どうしよう、素直にそう言おっかな?

 でも『なんで聞いてなかったの!』って言われてビンタとかされないかな?

 あれ意外と痛かったんだよね。


 いや、待てよ。

 下手に嘘ついて『なんで嘘つくの!』ってビンタされる可能性もあるな。


 うん、嘘は良くない。

 正直に言うか。


 「ごめん、まったく聞こえなかった!」

 「……は?」

 「銃声の音とかぶってた!」

 「はあぁ?」


 いや、そんなふうに言われても……。


 「せっかく勇気出したのに……」


 ? 咲羅、怒ってると思ったけど悲しんでる?

 ならよかった。


 ……いや、なんもよくないわ。

 悲しむことのなんもよくないわ。


 「ご、ごめん……。今聞かせてくれるか?」

 「嫌だよ! 恥ずかしい!」


 そんな恥ずかしいこと言ってたの……?

 『実は私、ピーマン苦手なの』とかかな?


 うん、きっとそうだ! そうに違いない!


 「咲羅、別にピーマンは苦手でもいいと思うぞ!」

 「……は?」


 さっきとは違う感じに『は?』って言われた。


 え、うそ、俺なんか間違えてる?


 「違うの?」

 「違うよ! そんなこと言わないし!」

 「じゃあなんだったんだ?」

 「それは……、あ、あのときの感じから推測してよ!」

 「そんなことできないよ」

 「えー……、じゃあもういい!」


 咲羅が強くそう言って俺に背中を見せて歩いた。

 なんであんな怒ってるんだろう……。

あけましておめでとうございます!

元日でも投稿する、そんな高校1年生です(勉強しろ)!

……あ、でも最近日本史にハマってめっちゃ勉強してますよ(日本史だけです)。

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