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第141話 演劇 〜4〜

 えっと……、確かこのときは勝負つかなかった気がする。

 上から変な瓦礫みたいなやつが落ちてきて、幽霊がそれに気を取られてる間に俺は逃げる。


 ってことはまた瓦礫が落ちてくるのか。

 それよりこのモヒカン、本気で俺を殺そうとしてきてる気がする。


 モヒカンが鬼みたいな形相で俺に向かってきてる。


 とりあえずステージの上を走り回って逃げるけどモヒカンは追いかけてくる。

 そして俺より速い。


 こいつ、演劇ってことわかってるかな?


 「木神天太! 止まりやがれ!」

 「いや止まるわけねぇだろ! それよりちゃんと台本通りにしろ!」

 「台本なくした!」

 「はぁ!?」


 台本なくしたって……。

 あなた結構重要人物ですよ?


 「その銃よこせ! お前を撃ってやる!」

 「これ本物だよ! こんなん撃たれたら死ぬわ! さっき見ただろ! 最初の幽霊役のやつ、胸撃たれて死んだからな!」

 「でもゾンビになったじゃねぇかよ!」

 「はぁ? お前本当になに言ってんの?」

 「さっき死んだやつ! ステージの上で死んだのに、今ステージの上に死体ねぇじゃねぇかよ! ゾンビになって復活したんだ!」

 「いや、それは他のやつが死体運んだんだろ! それより救急車とかいいの? 死体そのまま?」

 「うるせぇ!」

 「なんで!?」


 とりあえず会話しながら逃げる。

 いつバール落ちてくる?

 そろそろ追いつかれそうなんだけど。


 ステージ裏に目を向ける。

 目線で『早く落とせ』って伝えたい。


 それを見たステージ裏のやつはうなずき、垂れ下がってるロープを引っ張る。


 すると、上からまた瓦礫が落ちてくる。

 相変わらず大きい音。


 なんで瓦礫……?

 バールは?


 急な出来事に動いていないモヒカン。

 その隙に舞台裏に隠れる。


 「あー……、怖かった」


 小声で言う。


 「木神くん、お疲れ様ー」


 クラスの女子がタオルを持ってきてくれた。

 今気づいたけど、結構汗かいてた。


 「あのさ、これ本物?」


 銃を女子に見せる。


 「わかんない」

 「いや、これマジで危ないやつじゃない?」

 「ま、木神くんに殺されるならみんな幸せだよ」


 え、え?

 ちょっとヤバい発言した?


 「こっからしばらくは湊亜と海川の出番だから木神くんは休んでて。台本確認する?」

 「あー……、いや、大丈夫」

 「そっか。じゃあこっちにおいで」


 女子は俺の手を掴んで歩く。 

 黙ってついていったら、なんかソファがある部屋に連れてこられた。


 「ここで休んでて。ジュース持ってくるね」


 女子はそう言ってどっかに行った。

 俺はソファに座る。


 ジュースまで用意してくれるのか……。

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