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第131話 実璃の教室で

 次は実璃のところに行った。

 教室の前まで来たけど、まぁまぁ人がいる。


 確か『オセロ』って言ってたな……。


 「鶴崎さんのところってオセロだったよね?」

 「え、湊亜さん、なんで知ってるの?」

 「そう言ってたから」

 「どこで?」

 「天太くんの家で」

 「……あ、ま、た、の、い、え?」

 「うん、みんなで行ったんだ」

 「……俺は誘われなかったぞ? どういうことだ、天太」


 そんなこと言われても……。


 「お前さ、俺の家に行きたいのか? あんとき父さんもいてヤバかったんだぞ? 多分お前が来たら抱きつかれるけどいいのか?」

 「でも湊亜さんも行ってるんでしょ!?」

 「あー、もういい。じゃあ今度――って、ラーメン! まだ奢ってもらってない!」


 今思い出したけど、まだ総一朗からラーメン奢られてない。

 『湊亜の悩みを聞く代わりにラーメン』って約束したのに……。


 「ラーメン!」

 「家系ラーメンでいいか!?」

 「ああ!」

 「じゃあ今度な!」


 ……この会話、大声でするやつじゃない。

 それより、早く行くか。

 湊亜も、俺たちがなに話してるかわかってないみたいだし。


 教室の中に入る。

 みんなオセロしてる。


 「あ、個別でやりますか?」


 教室に入った瞬間、男子生徒が来る。

 多分スタッフだ。


 「個別のほうがオススメですよ。そっちのほうが色々楽しいので」


 そうなの?

 ってか、『個別』ってどういう意味?


 『一人ずつ対戦する』って意味かな?


 「じゃあ……、二人はどうする?」

 「オススメの個別でいっか、私は」

 「湊亜さんが個別なら俺も個別!」

 「じゃあ自動的に俺は個別か。じゃあ個別でお願いします……」

 「はい! ではこちらへ!」


 スタッフは俺の手を引っ張る。

 そんな強引に……?


 「鶴崎、お願い!」


 鶴崎……?


 「あ、天太さん!?」


 椅子に座ってる実璃が俺を見て驚いてる。

 実璃の前にある机の上にはオセロの盤がある。


 「じゃ、お楽しみくださいー」


 スタッフはそれだけ言ってどっかに行く。


 「え、えっと……、座って……、どうぞ……?」

 「え、じゃあ……」


 もう一つある椅子に座る。

 実璃と向き合う形になった。


 「来てくれたんだね」

 「ああ、せっかくだし」

 「私も天太さんのやつ行くね。演劇だっけ? 湊亜さんから聞いたけど、天太さん、主人公なんでしょ?」

 「本当いい迷惑だよ。俺なんて脇役でいいのに」

 「でも、主人公役の天太さんも面白そう」


 なんか今日はよく喋るな、実璃。


 「先手と後手、どっちがいい?」

 「どっちでも」

 「じゃあ黒と白、どっちがいい?」

 「黒」

 「即答だね。じゃあ天太さんが先手になるね」


 え、そうなの?


 「オセロは黒が先手なんだよ」


 へー。


 「駒はそこの箱の中に入ってるから」


 机の隅にあるこれか。

 実璃のところと俺のところに、それぞれ一つずつある。


 それより、実璃、最近口調変わってるな。

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