第129話 咲羅のところのお化け屋敷
咲羅のクラスに行った。
真っ赤な看板がある。
……めっちゃ余談だけど、赤色って食欲を増幅させる色なんだって。
……うん、余談。
教室の入り口の前にある受け付けに名前書いてから、俺たち3人は教室の中に入った。
その瞬間にドアを閉められる。
めちゃくちゃ暗い。
でもこういうところ好き。
落ち着かない? 暗いところ。
「……暗いね」
「なんも見えねぇ……。天太、どこにいる?」
二人ともまだ目が慣れてないみたい。
俺はもう慣れた。
ダンボールでつくられた壁がところどころにある。
だから進める道は一つしかない。
「ちょっ、天太くーん……」
両手を前に出してウロウロしてる湊亜。
総一朗は両手を前に広げて湊亜に近づいてる。
……これ危なくない?
総一朗、湊亜のこと抱こうとしてない?
「総一朗、お前もう見えてるか?」
「いや、まだなんも見えないぞ?」
そう言いながら湊亜に近づこうとしてる総一朗。
うん、これ多分見えてるわ。
だってあんな格好で歩かないでしょ、あいつ。
さてと、どうやって湊亜をまもるか……。
そう思ってたら、誰かが総一朗の前に出る。
湊亜でもない。
光がないから影しか見えないけど……、なんかお面被ってる?
お化け役の人かな?
そんなことを知らないで、総一朗はそのお化けを抱く。
「あ、湊亜さん!? ごめん! なんも見えないからー!」
いや、総一朗、それお化けだよ?
「んー、湊亜さん、柔軟剤の匂いするね!」
それ、お化けの匂いだよ?
「江島くん……?」
「大丈夫だ、湊亜」
とりあえず湊亜の手を握って避難させる。
「…………」
お化けはズボンのポケットに手を入れる。
細くてちっちゃいやつ。
お化けはそれを操作する。
すると、それの先端が光った。
小型の懐中電灯か。
急に光る空間。
総一朗の前に現れる鬼の仮面を被った人。
「うわぁ? 湊亜さん!? いつの間にお面なんて……」
「私はこっちだよ……?」
声を聞いて、湊亜を見る総一朗。
そしてもう1回目の前にある鬼の仮面を見る。
「――うわぁぁぁぁぁぁぁ! 幽霊ー!」
反応遅すぎだろ。
お化け役の人も困ってんじゃん。
「えっと……」
「こいつは無視して大丈夫です。……ってか総一朗、お前いつまで抱いてんだよ……」
「あ、そうだ! 湊亜さんかと思ったのにー!」
乱暴に放す総一朗。
「えっと……、か、懐中電灯を……。人数分……、持ってけー」
うっわ、すんごい演技力。
やっぱ俺の演技力のほうがいいな。
「あ、どうも」
とりあえず受け取る。
小型の懐中電灯が3つあった。
それを一つずつ湊亜と総一朗に渡す。
そしたら、さっきの鬼のお面の人がどっかにいった。
……うん、きっとこっからが怖いんだ。
私の学校の文化祭、お化け屋敷が人気なんですよね(超どうでもいい)。
それと、作者の都合で、もしかしたら投稿できない日があるかもしれません。