表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
119/255

第119話 みんなに父さんのこと話した

 「え、今天太のお父さんいるの?」


 登校中。

 咲羅たちに、父さんが帰ってきてヤバいことになってるってことを話した。


 ちなみにメンバーは咲羅、実璃、言音、湊亜。

 総一朗はなんか具合悪いらしい。


 「ああ、いるぞ」

 「……今日天太の家に行っていい?」


 え、なんで?


 「あ、私も天太さんのお父さんに会いたいです」

 「わ、私もいいかな?」

 「それなら私も行きたいですよ! 見たいです、木神先輩のお父さん!」


 なんで?

 見てもつまんないよ?

 損しかないよ?

 あんな酒に酔ってる父親なんて見せられないよ。


 別に酒に酔うのはいいと思うよ?

 ただそれで娘の身体をジロジロ見たりするくらいだから、きっと咲羅たちの身体も……。


 ……想像するのよくないな。


 「で、行っていい?」

 「まぁ……、いいと思う。姉ちゃんに訊いてみる」

 「お父さんじゃないんですね……」

 「父さんに訊いても意味ない。それにYESしか言わない、絶対」


 うん、そうだね、絶対YESしか言わない。

 だって女子高生来るんだから。


 メール送るのは学校についてからでいっか。

 歩きスマホよくないし、だからって今止まるとみんなに迷惑になる。


 「天太のお父さん、イケメンだろうな……」


 いや、そうでもないと思うよ?


 「どういう性格なんですか? 木神先輩のお父さんって」

 「母さんと似てる。酒飲んだらヤバくなる」

 「天太くんのお母さんってお酒飲んだら性格変わるタイプ……?」

 「ああ、変わるタイプ」


 あれは思い出したくないな……。

 母さんが出張から帰ってきたとき。


 あれはつらかったな……。


 そういえばあの日からみんなに弁当つくってもらったんだな。

 その日から大食いになったんだ。






 学校に着いた。

 姉ちゃんにメールするか。


 『姉ちゃん、今日の咲羅たち家に入れていい?』


 さ、どうせすぐに返信してこないし別のことしてよ――


 『え、逆にいいの?』


 ……返信早すぎだろ。

 そんな暇なの?


 『咲羅ちゃんたち、変なことされない?』

 『多分大丈夫だろ。昨日の父さんも酒飲んでああなったんだし』

 『咲羅ちゃんたちって、4人でしょ?』

 『そうだな』

 『そんなに女子高生に囲まれたら興奮しない? お父さん』

 『多分大丈夫。うん、きっと大丈夫』

 『ヤバそうだったら避難させてね?』

 『わかってる』


 そんなに父さんのこと警戒してるのか、姉ちゃん。

 ま、大丈夫だろ。

今回気に入ったフレーズ


『なんで? 見てもつまんないよ? 損しかないよ?』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ