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第118話 お客さん?

 「ただいま」


 家に入ってから言う。

 ……なんか見慣れない靴が一足ある。


 お客さん?

 でもうちにそんな客なんて来るわけないし……。


 とりあえずリビングまで行く。


 「お、天太!」


 40代くらいの男がいた。

 ニコニコしてる。


 「久しぶりだな!」


 ……うん、誰かわかった。


 父さんだ。

 単身赴任中だったけど、帰ってきたのかな?


 「いやー、最後にここに来たのはお前が中学生のときだな! あのときお前『いじめ』してたもんな!」


 うわー、ストレートに言ってくるー……。

 俺が気にしてること、めっちゃ(えぐ)ってくるー……。


 デリカシーねぇな……。


 久しぶりに会った父親の最初の言葉が『いじめ』って……。


 「そうだ、遥海(はるみ)も元気そうじゃねぇか! あとやっぱ久しぶりに見たけど、だいぶいい身体になったな! 胸も大きくなってるし!」


 いや、自分の娘をそんなふうに見るな。

 ……あ、『遥海』ってのは姉ちゃんの名前。

 姉ちゃんの名前、『木神遥海』。


 あと、姉ちゃんそんなに胸変わってない気がする。


 「そういえば父さん、いつまでいるんだ?」

 「あー? あと1週間くらいかなー?」


 父さんは俺のところにゆっくりと向かってくる。


 「天太……、お前……、大好きだ……」


 え、いや、急になに?

 総一朗より怖い人間、久しぶりに見たぞ。


 ってか、父さんめっちゃ酒臭い。

 絶対酒飲んでやがる……。


 ったく、なんで父さんも母さんも酒飲むとこうなるんだよ。

 俺も将来酒飲んだらこうなるのかな?


 「姉ちゃんたちは?」

 「今部屋にいる」

 「そっか、じゃ、ちょっと姉ちゃんのとこ行ってくるわ」

 「キスしてくるのか?」

 「そんなことしない」


 もう父さんと一緒にいれないわ。

 明日酔いが覚めたらいっぱい話そ。


 2階に行く。

 そして姉ちゃんの部屋のドアを軽く叩く。


 「姉ちゃん、ちょっと話したいことがある」

 「鍵あいてるよ」

 「じゃ、入る」


 ドアを開ける。

 コート来てる姉ちゃんがスマホいじってた。


 「姉ちゃん? なんでそんな格好? 今夏だぞ? ……いや、もうそろそろ秋か」

 「そーなんだよー。本当は私だっていつも通り下着でいたいよ?」


 そういえば姉ちゃん、夏とかは家だと下着だな。

 目の前に男である俺がいるのに平気で下着だもんな。

 ……ま、家族だから全然気にしないのは俺もそうだけど。


 「だけどね、お父さんがすんごいジロジロ見てくるから服着たんだよ。ポロシャツ着てもジロジロ見てくるからね、結構来たんだけどまだ見てくるの。だから露出が一番少なそうなこれにした」

 「いや、そんな厚着しなくてもパーカーとか羽織ればよくない?」

 「それでもジロジロ見てくるの」


 ……マジか……。

 とりあえず今日の父さんは危険だな。

姉ちゃん、第1話ででてきたのに、名前が出てきたのは第118話……。

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