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第117話 『ける』と下校

 今、非常に気まずい。

 だって二人きりだもん。


 言音とかなら全然いい。


 あの、行事管理部の『ける』って人と二人きり。

 しかも今下校中。


 言音はなんかまだ学校にいるらしい。

 野尻先輩は友達と一緒に帰るらしい。


 なんかずっと沈黙だと気まずいな……。

 よし、なんか喋ろう。

 そしたらきっと話してくれる。


 「えっと……、名前……、なんですか……?」

 「…………」


 無視!?

 俺なんかしたっけ!?


 いや、俺の声が聞こえなかっただけかもしれない。

 うん、絶対そうだ。


 「あの……、名前――」

 「『カケル』だ」


 あ、やっと喋ってくれた。

 『カケル』って名前だから野尻先輩に『ける』って呼ばれてたのか。

 これで納得できた。


 「あのさ、なんか話そ? 沈黙は気まずい」

 「じゃあ幽霊について話そう」


 ……は?

 幽霊?

 え、なに、どういうこと?


 「だいぶ面白いの連れてるね」


 え、『面白いの』!?

 俺、面白い霊連れてるの!?


 「……だいぶ面白い反応してくれるね」

 「え……?」

 「残念ながらオイラは幽霊が見れない」


 ま、そうだよね。

 幽霊は見えない――って、『オイラ』!?


 一人称『オイラ』!?

 すげぇ……、現実で初めて見た……。


 ま、それも個性だ。


 「それより、ホラーは好きかい?」

 「ホラー……?」

 「オイラは好きだ」


 そ、そうですか……。

 そういえば今日部室で、こいつのスマホから叫び声が聞こえたな……。

 ホラーゲームでもやってたのかな?


 「で、質問の答えは?」

 「あ、ああ……、そうだな……。普通……、かな……?」

 「そうか」


 カケルはポケットからスマホを出して操作する。


 また沈黙になった。

 なんでだよ……。


 「そういえばまだ完全にオイラの名前、言ってなかったな。これだ」


 カケルが俺にスマホの画面を見せる。

 『碧原翔琉』って文字があった。


 「『あおはらかける』だ。よろしく」


 かけるは俺に手を差し伸べる。

 やっとちゃんとしたことできそう……。


 俺はかけるの手を握る。

 かけるは微笑んでる。


 うわー、なんか青春してる気がする……。

 ちょうどいい感じに夕陽があるし、静かで――


 「――ぬおおおおぉぉぉぉ! 天太ぁぁぁ!」


 横から声がする。

 横を見ると、総一朗がなんか走ってきてた。


 急にどうした?


 「会いたかったぜぇぇぇ!」


 総一朗が抱きついてくる。

 めっちゃ汗臭い。


 ってか、本当にどうした?


 「え、江島くん……、天太くん、困ってるよ?」


 湊亜の声も聞こえる。

 総一朗が目立ちすぎて気づかなかったけど、湊亜もいた。


 「湊亜……?」

 「天太くんも部活の帰り?」

 「そうだけど……。その言い方だと、湊亜も部活の帰りか? そもそも部活入ってんのか?」

 「うん、演劇部に入ったんだ」


 お、演劇部!

 湊亜も演技力とかそういうのに興味あるのか……。


 でも湊亜、まだ演劇部に入ったばっかだよな?

 じゃあまだ完全に演技力はついてないかもな。

 よし、俺が教えてやるか。


 「湊亜、困ったことがあったら俺に言えよ? 教えてやるよ」

 「天太くん……? 急にどうした?」

『期末テストが終わって、ようやく投稿開始できる』と思ってました。

でも作者は気づいてしまいました。

もうそろそろ、受けなければならない資格試験があるということに。


というわけで、もしかしたらしばらく(長くても1週間)投稿できない期間があるかもしれません。

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