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第116話 行事管理部で

 あれから数日が経ったけど、特に変わったことは起きなかった。

 もう名取も絡んでくる気配はなさそうだ。


 「―ーで! そろそろ本気でやらないと廃部になるの!」


 そんな声が部室に響き渡った。

 野尻先輩が叫んでた。


 俺が『行事管理部』に入って結構経ったけど、『まだ行事を一つも考えてない』ってことで議論になってた。

 成果出さないと廃部になるらしい。


 にしてもなぁ……、部員4人しかいないし……。


 俺と言音、野尻先輩ともう一人男子生徒。

 まだ名前を知らない。


 部活中、終始無言でスマホいじってるから会話したこともない。


 「なんか先輩、張り切ってますねー」

 「張り切るもなにも、廃部になるのよ!?」

 「確かに、私この部活気に入ってるから廃部は嫌だな」

 「でしょ!? だったら考える! 『きがあま』も!」


 言い忘れてたけど、なんか俺野尻先輩に『きがあま』って呼ばれてる。

 『木神天太』の略だと思う。


 言音は『コットー』って呼ばれてる。


 もう一人の男子生徒は知らん。

 そもそも名前、呼ばれてない気がする。


 「そんなとこ言われても……、急には思いつかないしな……」

 「近いうちに決めなきゃいけないの! お願い!」

 「特に案がないんですよね……」

 「えー……、ま、きがあまがそう言うならしょうがないか。『ける』は?」


 野尻先輩がスマホをいじってる男子生徒に顔を向ける。

 この人、『ける』って言うんだ……。


 「……思いつかない」


 おお! 初めてだ!

 この人が初めて喋った!


 なんかすごい声!


 「えー! すぐ思いつきそうな顔してるじゃん! 今日もいつもみたいに思いつかないの!?」

 「思いつかない」

 「えー……。じゃあどうするの!?」


 『どうするの!?』って言われてもな……。

 俺この部活入ったばっか――ではないか。


 「じゃあ鬼ごっこね! それしか思いつかないなから」


 鬼ごっこって……。

 別に否定はしないけど……。


 「ただの鬼ごっこじゃつまらないから隠れ鬼で! ……ってかさ、ノーマルの鬼ごっこも隠れていいんだよね? なのになんで『隠れ鬼』ってわかれてるんだろうね。ける、知ってるる?」

 「知らない」

 「へー……。じゃ、とりあえず『鬼ごっこ』って書いとく」


 野尻先輩が部誌に手を伸ばした。

 そのとき、けるのスマホからなんか叫び声が聞こえた。


 『きゃあああァァァ……!』って、女性の叫び声。

 急に怖すぎるって……。


 「あ、失礼」


 けるはスマホから目を離さないまま言った。

 急にあんなのが聞こえてきたのに、ケロッとしてる野尻先輩と言音、すごすぎだろ。

隠れ鬼って地域によってルールが微妙に違うらしいですね。

今回のことは作者がいつもやっていたルールのことを書いたので、よく理解できなかった方には申し訳ございません。

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