第11話 屋上へ呼び出し
放課後、俺は言われた通りに屋上に行った。
そこには、さっきの男子生徒たちがいた。
「遅ぇじゃねぇかよ」
男子生徒たちを俺を見ると、こっちにゆっくりと歩み寄ってきた。
なんだこれ……、変なことされるのかな……?
「なぁ、お前さ、最近調子乗ってんだろ」
……は?
調子……?
「最近ずっと咲羅のやつと話してるだろ?」
話してるって……。
まぁ、確かにそうだけど……。
ってかあれは俺から話しかけてるわけじゃないからね?
向こうが勝手に話しかけてきてるだけだからね?
……こんな言い方ダメか……。
「なぁ」
男子生徒は俺の胸ぐらを掴む。
「お前ごときが咲羅と話しちゃいけねぇんだよ」
じゃあ誰ならいいんだよ……。
そんなことを考えてたら、その男子生徒は俺の頬を殴る。
俺は吹っ飛んで、倒れる。
そんな急に殴んなよ……、停学喰らうぞ……?
って、そんな呑気なこと言ってられない!
痛い!
「調子乗ってんじゃねぇよ!」
その男子生徒は俺の腹に座り、俺の頬を殴り続ける。
その間に他の男子生徒が俺の脚をおさえ、俺の抵抗をなくした。
血の味がする。
「おい! なんか言えよ! 女遊びしやがって!」
……女遊び……?
「ちょっと顔がいいからって、ハーレム築きやがって! テメェなんか――」
男子生徒が言い終わる前に、俺は男子生徒の顔面を殴っていた。
もう我慢できないみたいだ。
「なッ! テメェ!」
その男子生徒は起き上がり、俺に殴りかかる。
俺はその間に上半身を起こし、脚をおさえている男子生徒たちを殴ったり蹴ったりしてどける。
そして、向かってくる男子生徒の腹を蹴り飛ばす。
「何すんだよ! 自分の――」
「黙れよ!」
男子生徒の声を遮って、俺は叫んでいた。
唐突に叫んだ俺に、男子生徒たちは目を丸くしている。
「黙ってこっちが殴られてたらいい気になりやがって……!」
一人の男子生徒が俺の後ろから、彫刻刀を持って斬りかかってくる。
俺は躱そうと思ったが、左腕を切られた。
俺はその男子生徒から彫刻刀を奪い、男子生徒の背中を本気で押す。
そして彫刻刀を投げ捨てた。
そしたら男子生徒たちは逃げるように走っていった。
……って、めっちゃ痛い!
左腕!
結構血出てるんだけど!?
ヤバいヤバい!
脈とか切れてないよね!?
『あー、これ左腕は切断するしかないですね』とか医者に言われたくないよ!?
「あのー……大丈夫?」
俺の後ろから聞き覚えのない声がする。
振り向くと、そこには見覚えのない女子生徒がいた。
なんか覚醒したー!
※皆さんご存知の通り、屋上に行ける学校は多くありません(多分)。だいたい鍵がかかってます。作者も今通ってる学校の屋上には行ったことありません。屋上に上がれることに対して理解できないお方もいらっしゃると思いますが、見逃してください。これから結構屋上出てきます。