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第105話 なんか隠してるでしょ?

 登校中。

 今日は咲羅と二人で登校してる。


 いつも通り何気ない会話をしてたけど、どうにも昨日のことが頭をよぎる。


 そもそもなんで名取があのことを知ったんだろう……。


 「――私の話、聞いてない?」


 急に咲羅が訊く。

 

 「え?」

 「なんか全然違うところ見てるよ?」

 「いや、なんでもない……」


 咲羅に俺の中学時代のことを知られたくない。

 せっかく高校からできた新しい仲間なのに……。


 ……そうだ、演技力を使おう。


 「な、なんでもないなー! それより咲羅の話、もっと聞きたいなー!」


 よし、完璧な演技。


 「……やっぱなんか隠してるでしょ?」


 なんでバレた?

 俺の演技を見破るとは、さすが咲羅……!


 「天太、全然演技力ないからすぐバレるよ」


 なんで?

 俺そんなに演技力ない?


 ……そういえば実璃も俺の演技を見破ったな……。

 あいつらが特殊すぎるんだよな、きっと。

 うん、そう思おう。


 「で、なに隠してるの?」


 えっと……。


 「相談しな?」


 マジでどうしよう……。


 「相談乗ってあげるって言ってるんだから相談してよ!」


 急に大声を出す咲羅。

 情緒不安定?


 地味に顔赤くなってるし、咲羅。


 でも本当にどうしよっかな……?

 俺があのことを話したら、咲羅は俺のことを嫌いになるかもしれない。

 俺のことを認めてくれた人なのに。


 「話したくなかったら無理に話さなくてもいいと思いますよ」


 後ろから実璃の声がする。

 振り向くと、そこには実璃がいた。


 なんか笑顔。


 「咲羅さん、一応天太さんも男の子ですよ?」

 「……どういう意味?」


 本当にどういう意味?

 実璃はなにを伝えたい?


 「女の子に話したくないこともいっぱいありますよ、きっと。そのうちの一つです」

 「……! そういう意味!?」


 どういう意味?

 なんで咲羅わかったの?


 俺全然わからないんだけど。


 「で、でも別に! 天太がなに思うのも自由だし、そういうこと相談されても変なこと思わないで相談乗るし!」


 ……ありがとう咲羅。


 ……って言いたいけど、『そういうこと』の意味がわからない。

 だから言えない。


 テレパシーとかで話してるのかな?

 だって俺だけわかってないもん。


 「まぁ一応天太さんも恥ずかしい……、ですよね?」


 いや、俺がいじめをしていたってことは恥ずかしくはない。

 むしろ最低だと思う。


 「と、とりあえず行きましょう!」


 なんか実璃が先に行く。


 実璃、よくわからなかったけどありがとう。

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