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歓迎パーティー~総務大臣アンヌ・ロータスの戦い2~

~総務大臣アンヌ・ロータス視点~


ここまでは上手くいっている。エルフの拳闘士ガイエルには山イチゴの果実酒を認めさせることができた。続いてはドワーフの女戦士グリエラだ。


「ねえグリエラ。ドワーフには山イチゴの果実酒は物足りないって?あなたならそういうと思ったわ。」


(酔いも回ってきたとはいえ、ここまで気安く声を掛けていいものだろうか。大臣失格かもしれない。)

私は部下を呼び、こちらも用意していた火酒を持ってこさせた。


「グリエラに教えてもらった火酒スピリットファイヤ―とロッククラッシュを試してみたの。どちらもすごく美味しかった。それでこれを用意したの。一緒に飲んで!!スモークフレイよ」

と言って一気にグラスの火酒を飲み干した。


グリエラは


「これはかなり癖が強いな!!このスモーキーな感じは、ドワーフ好みだ」


と絶賛された。反対にガイエルは


「エルフには少しきついな。俺は嫌いじゃないが。山イチゴのほうがいいな」


と少し不満な様子。


酒の評価も上々、短時間の会話だったが、お互いに距離が縮まった。ここで一気に勝負に出る。


「そんな二人に頼みがあるの。今二人に飲んでもらったお酒もエルドワに持っていって欲しいの。私もエルドワのエルフやドワーフ達にはお世話になっていて、少しでも美味しいお酒を飲んでもらいたいのよ」


と頼んでみた。

グリエラは


「こちらこそ礼を言いたい。旨い酒を教えて貰って」


ガイエルも

「別にいいぜ。俺も気に入っているし」

とあっさりOKをもらった。

割合については、こちらに任せてくれるそうだ。これで目標の一つは達成した。


今度は魔法使いルナリアに接触せねば。

その場を離れようとしたところ、捕まってしまった。


「おいアンヌどこ行くんだ!!もっと飲もうぜ。じゃんじゃん持ってこさせろよ」

「そうだアンヌ。スピリットファイヤ―とロッククラッシュとスモークフレイの3つをまとめて飲み比べようぜ」


と言われて、しまった。それからしばらく二人と飲み続けた。もう限界が近い。なんとか打開せねば。


そんなとき、ノーザニア王国軍総司令官ロベルト・ドーガンと目が合った。

ロベルトは50歳半ばの屈強な、いかにも軍人と言ったナイスミドルで、ノビス王の剣術の師匠でもあるらしい。大変に男気のある方で困っている私を何度も助けてもらったことがある。

私は目で、助けて!助けて!と必死に訴えた。


するとロベルトは察してくれたみたいで、ガイエルとグリエラに近付き


「大した飲みっぷりであるな!!ガイエル殿、グリエラ殿。戦士はこうでなくてはなあ。申し遅れたが儂はーザニア王国軍総司令官ロベルト・ドーガンである。いざ尋常に勝負願いたい。儂のおすすめの清酒を持ってきたからな」


と挨拶した。

二人も


「やろうぜ。やろうぜ」


と言って盛り上がっている。ロベルトは私に向かって、手で早く行けと合図を送ってきた。本当に感謝した。ロベルトの一礼した私は、魔法使いルナリアに向かって歩き出した。



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