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<完結> 勇者ビジネス~勇者を使ってみんなが好き勝手に稼ぎます!!  作者: 楊楊
第一章 勇者の戦い

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ロイの過去14

~サポーター ロイ・カーン視点~


冒険者ギルドでは詳しく事情を聞かれた。ちょうどグレッグ様とマリア様の捜索で来ていた国軍の関係者もいた。

「私はノーザニア王国第10軍団長のレインだ。事情は分かった。私達が行こう」

「今からいう5名以外は包囲陣形を維持しながら村に進行してくれ、指揮は副官に任せる。5名はまず・・・・」


と部下に指示していた。更に冒険者に対しても

「ここにいる冒険者で村の救出作戦に参加してもらえる者がいれば私達に付いてきてくれ!!報酬ははずもう!!」

と声を掛けた。

(一瞬で判断して的確な指示を出している。この人も凄い方なのだろうか?)


「君は一緒に来てくれ」


レイン団長と精鋭部隊は僕と先行して村に向かうようだった。

村に戻ったところ、村の建物の多くに火が付けられていた。

ティアナ様もマティアス様も苦労して戦っていた。30世帯ほどの小さな村で戦える者はほとんどおらず、誰かを守りながらの戦いでは十分な力を発揮できないでいる。


レイン団長以下はしばらく戦況を見守るようだ。


ティアナ様は一人の剣士と打ち合っていた。相手もなかなかの使い手で互角に戦っていた。

しかし、ティアナ様のほうが上手で、その男の剣を弾き飛ばした。

その男は覆面を取り言った。


「久しぶりだなティアナ。俺だグレッグだ。昔のよしみで見逃してくれ」

「私の大切な妹達になんてことをしてくれたんだ。このままお前を国軍に付きだす」

(ティアナ様も子供達を大切に思っているようだ)


するとグレッグ様は白装束の仲間に合図した。

「大切な妹って、こいつのことか?助けたかったら武器を捨てて抵抗を止めろ」

ロロちゃんが白装束の一団に捕まってしまっていた。泣き叫んでいる。


「マティアスお前も抵抗を止めろ!!」

しばらく膠着状態が続いた。抵抗を止めてしまえば蹂躙されることは間違いない。かといってロロちゃんを見捨てるわけにもいかないし。

「早くしろ。そうしないと角を切り落としてやるぞ」



その状況を見たレイン団長は、部下に指示した。そして僕にも耳打ちしてきた。

僕は焦った。ていうか死にたい。急いで助けを呼びに街へ行ったので気付いていなかった、女装用のカツラとケモ耳のカチューシャをしていることを。


団長と精鋭部隊の方達は途中で捕縛した白装束軍団から衣装を奪っていた。

その衣装に着込み僕を肩に担いでグレッグ様のほうに進み出た。


「獣人の女も捕まえたぞ!!」

レイン隊長が叫ぶ。

「よくやった。これで見せしめに一人殺せるな」


グレッグ様がそう言うやいなや、事態が動いた。

ロロちゃんを持っていた白装束の男の頭に矢が刺さった。ロロちゃんはすぐに精鋭部隊の人に救出された。

「なに!!」


と言ってグレッグ様が振り向いたところ、レイン団長がグレッグ様の首を後ろから刎ねた。

そうなると白装束軍団は総崩れだ。

レイン団長以下精鋭部隊は白装束を脱ぎ捨てた。レイン団長は大声で指示を出した。

「総員攻撃。捕縛しろ!!」


僕もカツラとカチューシャを剥ぎ取って

「今です。ティアナ様!!マティアス様!!」

そういうと我に返った二人も攻撃を再開した。


しばらくして、遅れてきた国軍や冒険者も加わり、白装束軍団は捕縛されていった。

ただ、村は大きな被害を受けていた。まともに住める家はほとんどなかった。怪我人は大勢出たが、死者が出なかったのは不幸中の幸いだったかもしれない。



その後のことだが、白装束軍団の取調べの結果、今回の襲撃の首謀者はマリア様だったらしい。グレッグ様も「魔族が住む穢れた村を一つ二つ潰しておけば勇者として復活できるかもしれない」と言って唆されたようだった。

残念ながらマリア様はまだ捕まっていない。逃亡中だ。


それから勇者パーティーは正式に解散になってしまった。これだけ問題を起こしたんだから当たり前だろう。


テトラシティに国王陛下がやってきた。被害に遭った村の視察のためだ。国王陛下は最大限の支援をすると約束してくれた。


それから国王陛下は僕達残った勇者パーティーのことも考えていてくれていた。

話し合った結果、僕達三人はオルマン帝国に帰っても針の筵なので、国王陛下の好意に甘えることにした。


僕はノーザニア王国に雇ってもらうことになった。しばらく研修をして適性のある部署で勤務するらしい。


マティアス様はララさんの村に移住するそうだ。傀儡魔法で復興を手伝うとのことだった。困っている人を見捨てておけないと言っていた。別の目的があるのはここでは触れない。


ティアナ様は異国に留学するとのことだった。どこの国かは教えてもらえなかった。



それから、今回事件をもみ消そうとした総務大臣は更迭の上、厳しく処罰されたそうだ。宰相も責任を取って辞任した。



僕も反省すべき点はある。もっと早い段階で対処しておけばここまでのことにはならなかった。

せめて、女性冒険者襲撃事件のときにしっかりとやっておけば。



こうして僕達は史上最低の勇者パーティーとして名を遺すことになった。
















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