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<完結> 勇者ビジネス~勇者を使ってみんなが好き勝手に稼ぎます!!  作者: 楊楊
第一章 勇者の戦い

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ロイの過去4

~サポーター ロイ・カーン視点~


帝都から「試練の塔」に向かう。同行するメンバーは各4家から3名ずつの使用人だ。それぞれ執事又は執事候補、メイド長又はその候補、料理長又は時期料理長だ。セバスさんが一団を取りまとめてくれる。

護衛には僕の講師をしてくれたAランク冒険者のパーティーが務めてくれる。


僕の講師をしてもらったAランク冒険者はライガさんという虎獣人の30歳前後の女性で斥候(スカウト)として活動している。


ライガさんは獣人国ラーシア王国出身で、虎獣人特有の優れた身体能力に持っていた。最初は戦士として活動していたのだが、伸び悩み、3年前に斥候(スカウト)に転向したところ、頭角を現してAランクまで上り詰めたそうだ。

遅咲きで苦労しただけあって、教え方は丁寧で分かりやすい。


「試練の塔」への道中は本当に楽しかった。魔物が出てきたら撃退するのだが、僕に色々と教えながら戦ってくれた。戦いだけでなく、魔物の解体方法や食べられる部位なども教えてくれた。Aランクパーティーに直接指導してもらうなんてなかなかない。


食事は各家の料理長クラスが作ってくれたので申し分ない美味しさだった。もちろん僕も手伝ったし、隠し味なんかも教えて貰った。僕の料理の基礎はここで作られた。

「ホワイトローズ家ではそれを隠し味を使うんですね。ブラックローズ家では別のスパイスを使うんですよ」

「それはそうと、うちのマティアス様なんて偏食がひどくて困ったもんだ」

「それを言ったらうちのグレッグ様だって・・・」

と各家の料理人たちも情報交換していた。ここでも勇者様たちはひどい評判だ。


他家の執事さんやメイド長さんとも仲良くなり、情報交換する。気になる情報があった。

「うちのマリア様は聖女候補だけど、どうも過激派に取り込まれているみたいだ。過激派は人間族以外は下等種族と思っていて、どんなひどいことをしてもいいと思っている。今言ったことは絶対に内緒ね」

とホワイトローズ家の若い執事候補さんが言っていた。


順調の旅は続き、「試練の塔」まであと少しの地点で野営をしている。


夜間の警戒にライガさんと就いていたところ、ライガさんから

「これからお前に獣人の扱い方を教えてやる。最後の授業だ」

と言ってきた。

まずは耳を触るように言われたので、優しく触ってみる。モフモフしたなんとも言えない手触りが心地いい。

「上手いぞ。次は尻尾を触ってみろ」

「ひい!!いきなり握るな。もっと優しくしろ。徐々に力を入れろ」


尻尾も独特の感触で心地いい。

しばらくそんなことを続けていたら

「気持ちいいニャ。これでお前も俺の弟だニャ。これからはお姉ちゃんと呼ぶニャ。困ったことがあったら言ってこい、助けるニャ」

と言われた。獣人族の耳や尻尾は家族や恋人にしか触らせない。又ネコ科の獣人は気を許すと語尾に「ニャ」がつくようになる者が多いらしい。

知らなかったとはいえ、僕は弟にされてしまった。



ちょっとしたハプニングはあたったが「試練の塔」に着いた。天辺が見えないほど高くそびえたつ立派な塔が立っていた。その周辺には高級ホテルや商店が立ち並び一大リゾート地のようだった。

街の入口でライガさんとは別れた。神聖国ルキシアに向かう商隊の護衛に就くそうだ。

「試練の塔」はダンジョンから取れる素材が少なく、滞在費も馬鹿のように高いため、採算が合わないので、ダンジョンには行かないらしい。

ここら辺の冒険者は腕試しで挑戦するくらいだそうだ。


それからいよいよ勇者パーティーと面会する。セバスさんと最後の打ち合わせを行った後に勇者パーティーの元に向かう。


4人の若い男女の周囲で、僕と同行していた使用人たちがおろおろしている。たぶんあれがそうなのだろう。セバスさんが金髪で背の高い、整った顔立ちの男性に声を掛ける。


「グレッグ様。お久しぶりでございます。こちらが新しく加入いたしますサポーターのロイ・カーンでございます。北部の山間部に領地を持ちますカーン男爵家の・・・・・」


と言いかけたところ、グレッグ様が

「もういい。名前など覚える気になれん。チビでいい。それより早く宿に案内しろ」

と言って去っていった。

ティアナ様とマティアス様もこれに続いた。マリア様だけは微笑んで

「ロイさん。よろしくお願いしますね。マリア・ホワイトローズです」

と言ってから去っていった。マリア様は金髪でグラマラスな女性で本当に聖女のようだった。


セバスさんが言った。

「今ので分かっただろ。私はいつも胃が痛くなる」









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