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結婚式

~勇者クラシア・ラーシア視点~



龍神ダンジョンの攻略については、私達と対戦した旧魔族チームがあたることになった。結果は上々だった。スライムやキノコ系の魔物が出るステージを難なく突破した。その後、龍種が多く出没するステージに挑戦していたが、かなり強力な個体が多数出現することから、安全策を取って撤退することになった。

完全攻略には至らなかったが、龍神様は満足したみたいだった。


「攻略パーティーが強力というのがよく分かり、そのパーティーをもってしても攻略できなかった事実は素晴らしい・・・。あいつらをギャフンと言わせてやったぞ!!」


詳しくは分からないが、誰かと何かを張り合っていたのだと思う。


龍神様の関係は上手くいった。後は私とロイが正式に結婚できるかどうかだった。結局は案のとおりにロイはノーザニア王国の名誉伯爵に叙爵され、爵位的なつり合いも取れることになり、お父様も私達の結婚を認めてくれたので、問題はなくなった。

ここで、意外に役に立ったのはオルマン帝国だった。ダンカン将軍が取りなしてくれたこともあったが、私とロイとの結婚話をしたところ、ロイによく分からない役職や称号を色々と付与してくれた。

「ニューポート特別親善大使」「オルマン帝国公認特級サポーター」がその例だ。ロイの活躍によって、オルマン帝国でのサポーターの地位が向上したとのことで、サポーター職の冒険者は喜んでいるみたいだった。ただ、サポーターの技量や能力を認定するサポーター協会の運営は、ダンカン将軍の腹心でもあったマルロ大臣が責任者になったみたいだ。また、余計な仕事を押し付けられたのだろう。


そんなこともあり、ロイを私の結婚相手と認めなければ、オルマン帝国とラーシア王国との関係が崩れるので、認めざるを得なかったのかもしれない。

後は結婚式の準備だ。私の体調のこともあり、今回はレミナ書記官に丸投げする形になってしまった。

彼女は、龍神ダンジョンのオープン記念式典の運営などを成功させており、各国の難しい調整もできるので、全権を任せることにした。


そしてダンジョン関係や、各国との調整が上手くいき、そして、いよいよ結婚式となった。

来賓はノーザニア王国国王夫妻、ラーシア王国国王夫妻、魔国デリライトからはアルテミス王女とピアース王子、ダッカからはトルキオさんとヘラストさんが、友人枠として、ララさん一家、ベッツ・スパクラブのメンバー、スペシャルブラックスのメンバーが参加してくれることになった。因みに警護はノーザニア王国軍の第10軍とアルテミス王女が大隊長の魔道弓兵隊がしてくれることになった。



「龍神様。本当によろしかったのでしょうか?」


「気にすることはないぞ。妻も娘も乗り気だからな」


龍神様とそんな会話をする。結婚式を宗教的にどこが取り切るかという話になったとき、それならば、各神殿が合同でお祝いをしてくれることになった。因みに総合的に取り仕切ってくれるのは神聖国ルキシアの聖女カタリナ様だ。

そして、私は龍神神殿から龍神様に乗り、ロイは水龍神殿からリバイネ様に乗って、会場に向かうことになっている。聞いた話だと、古龍に乗せてもらえるのは本当に信頼してもらっている証らしい。


「あなた。クラシアさんはお腹にお子さんがいらっしゃるんだから、無理をさせては駄目よ」


「赤ちゃんが生まれたら、私が乗せてあげるよ」


リバイア様とドミティア様が一緒に龍神様と飛んでくれている。

ロイのほうはどうだろうか?




~サポーター ロイ・カーン視点~



グハ!!

いきなり、水龍神殿の巫女でリザードマンのリザラさんから腹パンを喰らった。


「あの純粋なクラシアにひどいことをして・・・。浮気なんてしたらこんなもんじゃ済みませんからね!!」


「もちろん浮気なんかしませんし、幸せにします」


ここ最近こんなことが多い。結婚式に来てくれたクラシアの友人達に殴られたり、蹴られたりしている。ラーシア王国の伝統なのだろうか?

そんなことを思っているとリバイネ様から声が掛けられた。


「そろそろ時間じゃないの?早く乗ってよ」


「分かりました。今日は本当にありがとうございます。料理と新作のお菓子は後で届けさせますので」


「べ、べ、別に食べ物につられたから引き受けたわけじゃないからね・・・」



そして、僕はリザラさんと一緒にリバイネ様に乗せてもらい、会場に向かうことになった。





~パトリシア婦人視点~



クラシアとロイが幸せそうにしている。自分のことのように嬉しい。人生とは分からないものだ。趣味で勇者の研究を続けてきただけなのにこんなことになるなんてね。勇者パーティーの監督となり、そして勇者の結婚式にも出席するなんてね・・・・


勇者はデキ婚率が高い。もしかしたら、何か関係があるのかもしれない。

そんなことを思っていたら、声を掛けられた。結婚式に出席していたベッツ・スパクラブのリーダーのノンだった。


「監督。Sランクパーティーになったら監督になってもらう話は覚えてます?」


「ああ、そんな話もあったね」


「とうとうSランクになったんですよ、私達」


そろそろ、引退してゆっくりしようと思っていたんだけど、なかなかそうはさせてくれないみたいだ。


「分かったよ。でもコーチはこちらで用意するからね。おい!!トーマス」


ベッツ・スパクラブのメンバーにトーマスを紹介する。


「トーマス・ダンカンである。オルマン帝国の元将軍だ。ビシバシ鍛えてやる」


ベッツ・スパクラブのメンバーの顔が引きつっているのは、放っておこう。

実はトーマスとは最近いい感じだ。お互い孫もいるが、伴侶には先立たれている。ギルドの指導員をしてもらったことがきっかけで、仲良くなった。今後どうなるかは分からないが・・・・

そんな中、5代目勇者パーティーのミランダから声を掛けられる。


「ちょっとパティ!!トーマスさんとはどうなの?私はまだなのに・・・」


熊獣人の三姉妹にも誘われる。


「ちょっとパティもこっちに来てよ。恋バナしましょうよ」

「アグエラがまた変になっちゃって、大変なのよ。アルテミスちゃんがね・・・・」

「実はアッシュとシクスもいい感じなのよ・・・」


「何を言ってるの!!もう恋なんてどうでもいいわ。ダンジョンの話をしましょうよ」


こいつらはお祝いに来ているのを分かっているのだろうか?



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