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新生!!阿修羅&ゴブリンズ6

~ゴブル管理官視点~



転移してきた先には黒羊ブラックシープが30匹以上いた。こちらも一角兎ホーンラビットのステージと同じように草を食べたり、寝そべったりしている。今回も敵意はないようだ。今回もリリちゃんに指示されていた物を大量に取り出す。今度は干し草だ。高級品だったが、リリちゃんの村で大量に作っているので、安価で購入できた。

今回はパーティーメンバーは楽しそうに餌をあげて、モフモフしていた。なんか癒されるな。しばらくそんな感じで癒されていたら、今度はアルテミス王女が1匹の黒羊ブラックシープに連れて行かれた。

そこにも転移スポットが用意されていた。

僕はリリちゃんに尋ねた。


「なんで攻略法が分かったの?」


「ゴブルさんのおかげですよ。「モフモフ天国」のことを調べたり、実際に行ったことのある冒険者に直接聞いたりして分かったんですよ。獣人の女性斥候スカウトの方が言うには、「モフモフ天国」では魔物と仲良くなると稀に薬草やキノコなどをくれるみたいなんですよ。それがヒントになりました」


僕の話が少なからず攻略に役立って嬉しかった。


「母にも確認したんですが、今回のダンジョンは多分新種なので報告書をまとめて提出すればギルドから報奨金がもらえるんですよ。だからゴブルさんには感謝してます」


そんなやり取りをしいるとカリンから冷たい目で睨まれた。僕が本気でリリちゃんに手を出すと思っているのだろうか?


今回も転移スポットに向かう。そのとき、アルテミス王女を転移スポットまで案内した黒羊ブラックシープがアルテミス王女に懐いたみたいでなかなか離れなかった。


(アルテミス王女の素晴らしさが分かるなんて、魔物にしてはできる奴だ)


「アルテミス王女を慕う同志として、君にはこれをあげよう」


僕はその黒羊ブラックシープに大量の干し草を与えた。それを他のパーティーメンバーは呆れた様子で見ていた。



次のステージはかなり大きな熊の魔物が2匹寝そべっていた。


「フワフワ熊ですね。基本的に大人しい魔物です。今回も同じ方法で攻略できるとわ思いますが・・・ただ、怒らせると攻撃力が高いので厄介かと・・・」


リリちゃんはアドバイスを出しながらも遠慮しているようであった。それもそうだ。今回は暴れられたりしたら大怪我をするかもしれない。僕が躊躇していると、シクスとアッシュがその熊に近付いた。


「おい!!お前ら大丈夫か?」


心配はなかった。2匹の熊はシクス達によく懐いている。用意していた魚とどんぐりを美味しそうに食べている。シクスとアッシュはモフモフを続けている。


「「なんか母ちゃんみたいだ!!」」


そうだった。シクスとアッシュの母親は熊獣人だった。それで最初から好意的だったんだ。

しばらく、シクスとアッシュはフワフワ熊と戯れていた。かなり仲良くなったので、僕達もフワフワ熊の背中に乗せてもらったりした。

かなり長い時間が経った頃にフワフワ熊が宝箱を持ってきた。中を確認したら一角兎ホーンラビットの角、黒羊ブラックシープの毛玉、フワフワ熊の爪が入っていた。そして、転移スポットにも案内してくれた。


「ダンジョン攻略の報酬としては大して珍しくもなく、微妙ですね。ただ、これを見て楽しい思い出がよみがえってくることを考えれば、嬉しいような気もします」


リリちゃんが感想を述べる。僕達が転移するとダンジョンの入口に戻った。これでダンジョンの攻略となる。シクスとアッシュは「また行きたい」と言っていた。

冒険者の利益を考えると採算が取れないだろう。いい素材が取れるわけではないし、時間が掛かり過ぎる。リリちゃんとも話したが、このダンジョンはあまり人気は出ないだろう。一体何の目的でこのダンジョンを作ったのだろうか?


その後、リリちゃんの村で祝賀会を開いてくれた。今回の新種ダンジョン攻略の功績でリリちゃんは、ララさんと同じ一人前のダンジョンガイドとして認められたようだ。

そして、村の皆と交流を深めながら楽しいひとときを過ごす。

そんなとき、カリンから言われた。


「魔勇者の活動が終わるまでに、どちらを選ぶか、ちゃんと決めてよね」


このことはアンヌ大臣にも言われている。そろそろ決めなくては・・・


次の滞在地はダッカだ。ここが最後の立ち寄り先となる。

宿泊先はベッツ・スパクラブのノンさんの実家の老舗の宿だった。アンヌ大臣の説明によるとここでは任務はなく、旅の思い出を作ってほしいと言われている。

しかし、何もしないのは気が引けるとのことで、アルテミス王女が同じ弓使いのノンさんに指導をしていた。ノンさんからは防衛戦時の補給や支援について講義を受けた。考えたくはないが、ニューポートがどこからか攻められたときには、補給や支援は僕が中心となって行わなければならない。防衛戦に定評のあるベッツ・スパクラブとの意見交換は今後の町づくりに参考になった。


ノンさんの実家の老舗の宿は料理もお風呂も素晴らしく、本当に楽しかった。ベッツ・スパクラブのメンバーも遊びに来ており、食事会もした。そこで、ピアース王子の話が出た。


「この宿でピアース王子は結ばれたんですよ。縁結びの宿としても売り出そうとしているんですよ」


ノンさんが言う。


「馬鹿な弟の話なんて辞めてください。結婚前にそんなはしたない!!王族としても魔勇者としても自覚がなさすぎます」


お酒に酔っているのだろうか、アルテミス王女の口調が少し強めだ。


「本当のところはピアース王子にも同情するところがあって・・・・」


ノンさんが話し始める。

ピアース王子のパーティーもこのベッツで日程終了の予定だった。最後の夜に宴会を開いていたのだが、少し酔いが回ったピアース王子は部屋で早めに休んでいた。そこにオーガ族の女性が夜這いをかけたらしい。オーガ族は男性が女性に夜這いをかけることは禁止だが、逆は認められているということだだった。

それならばということで他のパーティーメンバーも便乗したらしい。


そして朝になり、冷静になったパーティーメンバーは青ざめた。王族にそのようなことをしてしまい、死罪になってもおかしくない。そんなときにピアース王子がこういったそうだ。


「責任は僕が取る」


大切な仲間を失いたくないので、自分が夜這いをかけたことにしたらしい。これにはパーティーメンバーが惚れ直したみたいだった。

人のいいいピアース王子らしい。


「弟の事情は分かりました。なんかお母様とお父様も同じような・・・・」


アルテミス王女はバツの悪そうな感じだった。


「ゴブル管理官も早く決めちゃってくださいよ。うちの宿の宣伝にもなりますし・・・」



ノンさんにも言われた。

本当に何とかしなくては・・・・

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