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マリオネットソード

~勇者クラシア・ラーシア視点~



「お初にお目にかかりますクラシア王女。オルマン帝国ブラックローズ公爵家二女ティアナ・ブラックローズです。現在は結婚し、こちらにいるローグのただの妻です」


今日はティアナさんは覆面をつけていない。正体がバレていない設定で話を進めるつもりだろう。本当は何度も会っていて、決戦でも戦っているのにね。

なぜティアナさんがニューポートに来ているかというとダンジョン攻略だ。挑戦するメンバーは、ティアナさん、ローグさん、ポポル君の元魔族チームにマティアスさんと娘のリリちゃんを加えたメンバーだ。パーティー名は「マリオネットソード」、一流の剣士、魔法剣士、ゴーレム使いが2人いるパーティーにダンジョンガイドを加えた強力なパーティーだ。


そして今日は領主館の中庭で歓迎会をしている。バーベキューだ。

実はララさんと子供達も旅行がてらに着いてきていて、


「ロイ君の料理は美味しいね!!」


と言って満足してくれている。

それになぜか、龍神様の秘書のヘンリーさんとその助手のナタリーさんも参加している。この二人もロイ君の料理が気に入ったみたいだ。


「今回は強力なパーティーですね。龍神様も張り切られると思いますよ」


ヘンリーさんが意味深な発言をする。もしかしたらダンジョンの難易度が上がるかもしれない。

そのことをマティアスさんに伝えた。



そして、いよいよマリオネットソードがダンジョン攻略に挑むことになった。順調にエリア攻略が終わり、ダンジョンボスに挑む。ダンジョンボスはなんとミスリルワイバーンだった。ヘンリーさんおかげで、ボス戦はギルドでリアルタイムで映像記録の魔道具を通して見られるようになった。

映像を見るにはギルド専用の部屋に入らないといけない。そこでもちゃっかり入場料を徴収しているみたいだった。


戦いが始まった。私達勇者パーティーのときと同じようにミスリルワイバーンは上空からミスリルの弾丸を撃ち出す作戦だった。

これに対して、マリオネットソードは大量にボウガンゴーレムを出して攻撃を開始した。ボウガンは対空用に改造していて、少量だが鏃に爆発する魔石を取り付けている。

しばらくして、ミスリルワイバーンは地上に降りて来た。空中戦では分が悪いと判断したのだろう。


そこからはティアナさんと大量のゴーレムが総攻撃を掛ける。ローグさんとリリちゃんはサポートに回っている。ローグさんは「一家に一台、安心安全」と言われているくらいなので、なんでもできる。今回もパーティーメンバーを考慮して、後方支援に徹している。単純にリリちゃんが心配というのもあるかもしれない。


戦いのほうは、マリオネットソードが押し込んでいた。ミスリルリザードはミスリルの弾丸を撃ち出そうとしている。これが厄介なのだ。攻撃力が高いので、防御を優先しなければいけない。

しかし、マリオネットソードは違った。メインの戦力がゴーレムなので、防御を無視して攻撃を加えている。かなりのゴーレムが破壊されたが、最終的にはティアナさんが一刀両断にして勝負を決めた。

これで、攻略パーティーが5組になった。後半分だ。


それと今回もベッツ・スパクラブのときと同じように阿修羅&ゴブリンズの指導を頼んでいた。

まず、シクスさんだが、楽しそうにティアナさん、マティアスさん、ポポル君と模擬戦をしていた。お互い切磋琢磨している。


カリン、コリン姉妹はローグさんが受け持ってくれた。さすがは万能の魔法剣士だ。教え方も上手かった。指導は短期間なので個人技能を高めるというよりは、姉妹の特性を生かした連携攻撃を指導していた。姉妹に強力な火力がない分、連携で補う作戦だ。この辺もさすがローグさんだと思った。


ただ、問題はここでもゴブル管理官だった。


最初は、ポポル君が


「ゴブル管理官は人形を動かせるんで、傀儡魔法使いの才能があるかもしれません!!」


と言っていたので、期待していたのだが、そう上手くは行かなかった。

動かせる人形はなぜかアルテミス人形だけだった。

等身大のアルテミス人形を動かしてシクスさんと模擬戦をしたときにシクスさんがアルテミス人形の腕をへし折ってしまった。

そのとき、ショックで倒れてしまった。どうやら人形が傷付くことは許せないらしい。


それならばと思い、建設現場を手伝わせようとした。


「これはマティアス師匠から習った訓練法で、ゴーレム操作を学ぶのに非常に有効なんです。力仕事も細かい作業もありますから」


とポポル君がアドバイスしたが、トラブルがあり、ゴブル管理官は


「アルテミス王女を野蛮な現場で働かすことはできません」


と言って訓練を拒否した。人形なんだけど・・・・

結局、ララさんとリリちゃんから座学形式でダンジョンガイドのノウハウを学ぶことになった。

頭が痛い。


それと、龍神様のダンジョンの調査をララさんとリリちゃんに依頼していた。


「このダンジョンはいいいダンジョンだと思うよ。詳しいことは報告書に書いておいたけど、計算されつくしてるね。ある程度高値で取引される素材が多く取れるしね。まあ個人的な意見だけどテトラシティでアンタらが攻略した「ザ・エリート」のダンジョンにそっくりだ。コンセプトは違うけど、ダンジョンガイドのプロの目から見れば分かる」


ララさんの説明だと、最近テトラシティに「ザ・エリート」のダンジョンは登場してないらしい。もしかしたら「ザ・エリート」さんがここに来て、ダンジョンづくりを手伝ってたりなんかして・・・・


「料理の準備が終わりましたよ!!」


ロイの声が響く。難しいことは置いておいて、今日もロイの料理を楽しもう。

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