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ダンジョン攻略1

~勇者クラシア・ラーシア視点~



「とうとうクラシア王女がダンジョンに挑戦なさるのですね。ドライスタ様も張り切られるでしょう」


龍神様の秘書であるヘンリーさんに勇者パーティーでダンジョン攻略に向かうことを伝えていた。ヘンリーさんはギルドにしばしば現れる。ダンジョン情報を受け取りに来るためだ。私達がダンジョンに挑戦するときは是非教えて欲しいと言っていたので、今日ギルドに来たところで、伝言を伝えてもらい、領主館に来てもらったのだ。

ところで、龍神様が張り切るって・・・悪い予感しかしない。


そして次の日、いよいよダンジョン攻略に挑むことになった。

このダンジョンは少し変わった構造をしている。、植物系エリア、鉱山系エリア、飛行系エリアの3つのエリアに分かれている。出没する魔物の種類でギルドが分類した。

それぞれのエリアにはボスがいて、討伐するとキーストーンという魔石がドロップする。そのキーストーンを3つ集めてダンジョン入口の特徴のある壁に埋め込めば、ダンジョンボスが出現する方式になっている。

なお、壁に埋め込まずにダンジョンの外にキーストーンを持って出るとキーストーンは破損してしまうみたいだった。キーストーンを3つ集め、ダンジョンボスに挑む前に一端町に戻って体力を回復しようとしたパーティーがいたらしい。そのとき。キーストーンが壊れてしまい、その事実が発覚した。

そのパーティーはギルドに併設してある酒場でヤケ酒をしていたそうだ。


まず、私達が向かったのは飛行系の魔物が出没するエリアだった。ロックバードやコカトリスなどのお馴染みの魔物が多数いる。

特に苦労もなく、ボスにたどり着いた。ボスはワイバーンだった。


「ワイバーンはB級の魔物だ。出てきてもダンジョンボスとして出るはずなのに」

「そういえば、普通の魔物も情報よりも強いのが出て来たな」


グリエラとガイエルが言った。

疑問はあるが、出てきたものは仕方がない。討伐するだけだ。


「ここは私がいくわ!!私も新兵器があるし」


ルナがそう言うと無数のファイヤーボールがワイバーンに向かって飛んでいった。ルナの話では、ルナの兄の魔道具店がニューポートに進出し、そこで新商品の杖を作ってもらったみたいだった。その杖は魔法の射程距離を延ばすことに特化した杖だ。

ニューポート南側の草原に出没するワイバーン対策に作られたもので、冒険者にも人気がある。痒い所に手が届く商品のラインナップは、さすがにトルキオさんの監修だと言わざるを得ない。


そして、ファイヤーボールを受けたワイバーンは地面に落下してきた。それをすかさず討伐し、1個目のキーストーンを手に入れた。


次は、植物系のエリアに来た。ここのボスはキラートレントだった。通常のトレントよりも3倍くらい大きく、凶暴なのでBランクに指定されている魔物だ。蔓や枝を伸ばして攻撃してくる。

しかし、私達の敵ではなかった。グリエラが斧で一刀両断にし、2個目のキーストーンを手に入れた。


続いて鉱山エリアだ。ここのボスはメタルゴーレムだった。鋼鉄製のゴーレムで守備力が高く、並みの冒険者であればかなり苦労するだろう。しかし、決戦のときにポポル君を相手にしているし、その前の訓練でゴーレム使いのマティアスさんと何度も模擬戦をしている私達の敵ではなかった。


これで、エリアボスを倒して、キーストーンを3つ入手した。

ダンジョンボスに挑む前に体力回復と装備品の点検を行う。


「やっぱりこのダンジョンは難易度が上がってますね。エリアボスがダンジョンボスクラスの強さになってます」


「私もそう思った。資料によるとダンジョンボスはだいたいBランクの魔物が出てくるけど、今回はすでにエリアボスにBランクの魔物が出てきている。それを考えるとダンジョンボスはAランク以上の魔物が出てくる可能性は高いわね。気を引き締めていきましょう」


ロイの分析に私の意見を述べた。


そして、いよいよダンジョンボスに挑む。キーストーンを壁に埋め込むと転移スポットが出現した。臨戦態勢を取って、転移スポットに入ると草原エリアに転移された。

そこには大型のワイバーンが浮遊していた。

しかし、何かが違う。光輝く鱗を纏っている。すると突然、龍神様の声が響き渡った。


『ワハハハ!!勇者よ、よく来たな。お前達のために特別なダンジョンボスを用意したぞ!!ミスリルワイバーンだ!!』


ミスリルワイバーン?聞いたことがない。以前に私達はミスリルリザードを討伐している。そのときのことを思い出す。

守備力が高く、自動回復スキルを持っていて、ミスリルの弾丸を飛ばしてくる。その時は接近して私の必殺技で一刀両断した。

今回はどうだろうか?


「まずは守備を固めましょう!!」


やはりここは様子見で相手の出方を伺うことにした。

するとミスリルワイバーンは浮遊した状態でミスリルの弾丸を撃ち出してきた。

これは防げた。しかし、ミスリルワイバーンはこちらに降りてくることはなく、しばらくして、またミスリルの弾丸を撃ち出してきた。これも防いだ。


「ルナ!!反撃して」


ルナが電撃魔法を撃つ。ミスリル系の魔物は基本的に魔法耐性が高いが、若干電撃魔法に弱い傾向がある。一応ダメージは与えているが、自動回復スキルを持っているようだ。

しばらく、ルナの魔法とミスリルリザードのミスリルの弾丸との撃ち合いが続く。

埒が明かない。このままではいずれルナが魔力切れになるだろう。パーティーが全滅することはないが、決定打を与えられない。


「ロイ、あれを使いましょうか?領主としてはコスト面からあまり使いたくないけど・・・」


「そうですね。使うしかないと思います。ヒットすれば確実に落下すると思うんですけど、問題はその後ですね」


まあそうだろう。私はロイ以外の4人に指示をした。


「じゃあロイ!!お願い」


「了解です」


ロイはアイテムボックスから長い筒状の金属を取り出した。開発した新兵器だ。

前回と同じく、爆発する魔石で発射するのだが、改良を加えている。まず、筒は肩に乗せて発射するタイプにし、飛行する魔物に特化したものに改良した。又発射する弾丸も魔力を込めたものにした。

今回は電撃魔法を付与した弾丸だ。


それと命中精度も上げる工夫もしている。ターゲットを決めると魔力である程度追尾できるようにしている。因みに1発金貨・・・・怖い、考えるのを止めよう。

そしてこの新兵器を「マジックランチャー」と名付けた。


「じゃあ行きます。発射!!」


ロイがそう言うと、ドカーンという音の後に弾丸がミスリルワイバーンに向かって飛んで行き、綺麗にミスリルワイバーンにヒットした。

電撃魔法を付与された弾丸がヒットしたことで、ミスリルワイバーンは痺れて地面に落下した。


漸く私達の出番だ。


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