表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/186

古龍との遭遇

~勇者クラシア・ラーシア視点~


龍神様が降臨?

どういうことだろうか。ゴブラさんに尋ねた。


「北の龍神山に住む古龍エンシェントドラゴンです。ここの守り神的な存在なんですが・・・とりあえず神殿に向かいながら説明させていただきます」


ゴブラさんの説明によると龍神様とは超強力なドラゴンで、知能も高い。気まぐれで何度かニューポートを助けてくれたこともあるらしい。ただ、怒らせる手が付けられないそうだ。記録では、300年程前に町を壊滅させたこともあったとのことだ。


「くれぐれも言動にはお気を付け下さい」


ゴブラさんから注意を受ける。しばらくして、私達はこの村に似つかわしくないくらい立派な神殿に案内された。その神殿にはステージのような台座が設置されていて、そこには巨大なドラゴンが鎮座していた。

そのドラゴンは緑色の鱗を持ち、体長30メートル程であった。この距離からでも強大な魔力を感じる。戦闘になったら、かなりヤバい。


私もそうだが、一同驚いていた。ドラゴンなんてものを見るのは生まれて初めてだ。

ゴブラさんの話では、すぐに戦闘になるようなことはなく、礼節を持って接すれば大丈夫と教えてもらっていた。

私は他国の王族に対するような挨拶をした。


「龍神様とお見受けいたします。私はラーシア王国第1王女クラシア・ラーシアです。この度、領主として赴任いたしました」


「儂はドライスタである。種族はグリーンドラゴンだ。そなたが勇者か。あの者達が言っていたとおりだな・・・」


あの者?どういうことだろう。

変に質問して気分を害してもいけないし、気にせずにここに来た経緯などを説明した。


「なるほど、よく分かった。苦労すると思うが頑張るがよい」


なぜか分からないが励まされた。


「それでは、私を領主として認めていただけるということですか?」


「そのことなんだが、儂は北の山をダンジョンにする。そのダンジョンを攻略したならば、正式に領主として認めてやろう。これからダンジョンを作るからしばらくは北の山への出入りは禁止だ。これは愉快なことになったぞ!!ハハハ」


そう言って飛び去ってしまった。

一同唖然としている。思考が追い付かない。

とりあえず、ニューポートを開発することについては文句は付けられなかったので、開発自体は問題ないととらえていいだろう。

それと気になることを言っていた。ダンジョンができるだって?

そんなことを考えていたらゴブラさんに声を掛けられた。


「何はともあれ、龍神様を怒らすようなことはなかったので良かったと思います。ダンジョンについては、近いうちに知らせてくれると思いますよ」


ゴブラさんの説明では、龍神様は今回のように気まぐれで神殿にくることもあるが、だいたいは使いの者が神殿に先触れとしてやってくるそうだ。例えば、「3日後に○○の要件でやってくる」みたいなことを伝えられるらしい。

それを受けて、もてなしの準備をするのが通例だそうだ。

とりあえず、北の山についてはダンジョンになるということなので、開発は後回しにしよう。


私達は再度領主館に戻って、今後の方針について打ち合わせをすることにした。

ここで商業ギルドのギルドマスターであるパトリシア婦人がアドバイスをくれた。


「ダンジョンができるというのはすごいことだろ?それだけで、冒険者が呼べるよ!!しかも古龍エンシェントドラゴンが作るダンジョンだぞ。このことを各国に伝えるんだ。それだけで、冒険者が大挙してやってくるぞ」

(それはそうだ。これはチャンスだ。)


「レミナさんはノーザニア王国に、ゴブル管理官は魔国デリライトにレイ兄は教会関係にこのことを伝えてください。パトリシア婦人は・・・」


指示を出し、パトリシア婦人にそう言いかけたところで遮られた。


「ギルマスでいいよ。商業都市ダッカや商人の情報網を使って流しておくよ。まあトルキオぐらいなら、言わなくてもそのうち情報を掴むと思うけどね」


後は、宿泊所の確保だ。


「それとゴブル管理官。ゴブラさんと一緒に簡易の宿泊所の建設をお願いします。予算についてはまた相談させてください」


「分かりました。幸い土地については余ってますので」


これで、なんとか形になりそうだ。

そのとき、ロイから提案があった。


「ダンジョンがいつオープンするか分からない以上は冒険者をどう扱うかを考えたほうがいいと思います。ニューポートにやってきました。でも仕事がありません。では逆にトラブルを招きいれることになると思います」


「それはそうだ。何か案があるの?」


「冒険者がやってくるまで、西の森と南の草原の調査をしませんか?魔物の素材や薬草などが採取できれば、冒険者が来た時にダンジョンがオープンしていなくても依頼が出せると思います」


なかなかいい案だ。採用しよう。


「分かったわ。早速明日から調査を行いましょう。勇者パーティーで探索してみるわ」


当面の方針は決まった。

それからは細かい打ち合わせが始まった。なんとか前には進めそうだ。

会議も終盤に差し掛かったところで、ギルマス(パトリシア婦人)から要望があった。


「実は落ち着くまで、冒険者ギルドのギルマスも兼務するように言われていてね。それで申し訳ないんだが、人員が揃うまでグリエラとガイエルとロイを当面派遣してもらえないだろうか?」


グリエラとガイエルはこっちにいても仕事しなさそうなのでいいけど、ロイは色々と使い勝手がいいので、手元に置いておきたい。


「グリエラとガイエルについては、自由に使っていただいて構いません。ただロイは、こちらでも色々と運用を考えていますので、即答はできません」


「それだったら、ロイはそっちの業務優先で、何もないときはギルドに来てもらうのでどうだい?」


「分かりました。それで大丈夫です」



ギルマスと話はついたけど、グリエラとガイエルは文句を言いだした。


「私達が仕事しないみたいに聞こえるぞ」

「俺達の扱いが、ロイと違う気がする」


まあ、無視しておいたけど・・・

気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ