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エンジェルライフMirai  作者: 森嶋直斗
7/14

エンジェルライフMirai⑦ミサばあちゃんの遺品整理。カルメンの父の写真が出てきた。どうして?

亡くなった資産家ミサ婆ちゃんの家を片付けるエライザとカルロ。エンジェルライフを作ることが出来たのは、元に提供されたミサの資金のお陰だ。とんでもないお宝が出てくるはず。正月にエライザの母、春がモトズラウンジに来た。初めて会ったカルメンと春。春は、娘の夫、イタリアのイケメンに興味津々。初めて会った二人が、同じ古い写真を持っていた。ミサの家から出てきた写真も同じ!なんでだ?明らかになるミサ婆ちゃんの過去・・

2023年も終わろうとしていた。エライザにあさこから相談があった。元が亡くなって、面倒見る人もいなくなったミサ婆ちゃんの家を片付けたいとの相談で、元がいつも供養していたミサ婆ちゃんと奥さんの位牌、仏壇も魂抜きして片付けた。ミサ婆ちゃんの家は大きな旅館だったので、まだいくつも部屋がある。取り壊しを計画しているが、それが年始に予定されていて年内に内部も片付けを済ませたい。業者の人に任せるので何もしなくても良いのだが、元の気に入っていたものや奥さんのミサさんの物は、あさこが保管しようと思っていた。カルロが忙しいのは分かっていたが、きっと大きな旅館だったので、カルロだったら必要なものがたくさんあると思った。骨董品や貴金属でカルロが活用できるものは全てカルロに好きに使ってもらって良いので、

片付けに行ってくれないか、との相談だった。

エライザ:カルロどうする行ける。

カルロ:行きたいです。日本の古い大きな家ですから、変わった物がたくさんあります。

エライザ:29日に行きます。こっちは、病院の清掃が入るので大掃除もないしカルロは、興味津々なんで朝から行きます。

あさこ:悪いね。カルロも忙しいのに。エライザは、動いちゃだめだよ。お腹の子に気を付けて見てるだけにしてね。


年末の29日、快晴で風が強い伊良湖岬のいつもの冬の景色が広がっていた。ミサ婆ちゃんの家はビューホテルの東下がりの中腹にあって、北風があたらない。こんな日も風は弱く、真冬というのに小春日和のようだ。借りてあった鍵で、カルロが中に入り全ての部屋の窓を開けた。押し入れや作り付けの棚にあった物で旅館の時代の客用の備品はすでに専門の業者が買い取って行って無い。

物置部屋が3つほどあり炊事道具、機械工具、ミサ婆ちゃんの私物と分けてあった。旅館をやめてから少しづつ整理したのだ。それでも丸一は、分別にかかりそうだ。2tのトラックをレントの真美ちゃんに頼んで借りていた。エライザは、気持ち良い日差しの中でトラックの運転席で海を見ていた。海抜30mの丘の上に立つミサ婆ちゃんの自宅の広い駐車場からどこまでも続く水平線が丸く見えた。

さっそく、カルロがお玉や包丁といった炊事場の道具を持って出てきた。炊事場の金物は全部持って行くというステンレスは少ないが、加工して装飾品に使えそうだ。

カルロ:エライザ!これで、一回戻りたい。トラックはもう一杯だから。

エライザ:了解!トラック出すよ。

海沿いの道を下った。

エライザ:カルロはこっちの表浜街道は来たことないよね。

カルロ:この道は走ったことないです。太陽がまぶしいです。

太平洋に面した表浜街道は、渥美半島の南側で浜松まで続く海沿いの道。晴れた日は、太陽が逆光になって、海は白く輝き、しぶきを上げた波が押し寄せ、内海とは趣が違う。

伊良湖岬にあるミサ婆ちゃんの家から、カルロの工房まで40分はかかる。午前中は、これでおしまい。カルロは、荷物を工房におろしている。

11時、エライザは、早めの昼食の準備を始めた。工房の中で電気ポットで湯を沸かし、即席めんの用意をしていた。

エライザ:カルロ、もうできるよ。

カルロ:OKもう全部降ろしたからすぐ行きます。

エライザ:手巻き寿司。シーチキンとネギトロ、どっちが良い?

カルロ:シーチキン!

エライザ:言うと思った。わたしは、ネギトロ! カップヌードルと、一平ちゃん?

カルロ:一平ちゃん!

エライザ:それも言うと思った!

孤高の狼にこんな何気ない幸せが訪れていた。何人もの命を救ってきたエライザだったが、新しい命を生み出すのは、始めてだ。少しの緊張と不安、日々深まる期待。しぜんと笑顔になっている。昼食が終わり工房から三河湾を望みながら二人でコーヒーを飲んで、

エライザ:よし、もう1回戦行くか!

カルロ:お願いします。

エライザ:これで終わりそう?

カルロ:ギリギリ積めるかな・・・

日出のミサ婆ちゃんの家に付くと目の前を漁船がレースをするように伊良湖港に向かっている。12時40分 13時からのせりに間に合わせるために大急ぎで漁船が走る。南から寄せる白い波を切り裂いて東西に幾筋もの漁船の引き波が走る。複雑に乱れた波がしらに南からの太陽が乱反射してキラキラと輝いている。


カルロが工具類を積み終わった。トラックの荷台は半分ぐらいは埋まっている。エライザは、あさかに”私物の部屋のクーラーボックスは忘れないで持ってきて”と伝えていた。エライザは、トラックを降りて、ミサ婆ちゃんの家へ入って行った。家の中は、思ったほど埃っぽくない。カルロが窓を全部開けたからだろう。

エライザ:カルロ!クーラーボックスってあった。

カルロ:そっちの奥に置いた。中身は木くずみたいだから置いてこうと思って。

エライザ:それは、あさこさんが持ってきてほしいんだって。

カルロ:木の破片が入っているだけだよ。分かった持って行く。

カルロはアルバムやバラのままの写真を見ていた。古い白黒の写真でカルロがみておもしろいものではない。何冊もあって、崩れ落ちそうだ。カルロが、積みなおしていると、分厚いアルバムの間から小さなアルバムがひとつ、ころげ落ちて、開いた。見てみるとイタリアの景色の様だ。イタリアの看板が写り込んでいる。エライザにこのアルバムだけ持って行くと伝えた。カルメンが見たら懐かしむかもしれないと思ったのだ。アルバムの表紙に刻まれたイタリア語を見て、この人はイタリアを、旅行したんだなと思った。


なんとかトラックに欲しい物は全部積むことが出来た。今度は、少し遠回りだが、港を抜けて帰る道を選んだ。ミサ婆ちゃんの家を出て少し上ると大きな右カーブ。伊良湖岬の絶景ポイント。太平洋、伊勢湾、神島の向こうに答志島。カーブの最後には、恋路が浜の全景を上から見下ろす。走るだけで映画のような絶景が流れる。どうしても遠回りしてもここを通りたくなる。


帰り道は、三河湾沿いの259号線。太陽の後ろからの光で海は深い緑色。波もなく澄んでいる。音楽を聴きながら海沿いの道を走っている。

カルロ:僕は、お父さんは知らない。カルメンは、いなくなったって、言うだけで、あんまり話たくないみたい。お爺ちゃんは、アントニオ・フェンディー、そのお母さんは、ガブリエラ・ケベド。僕のひい婆ちゃんになるね。二人の名前はお墓がそろってあったから名前が分かった。お墓は、カルメンが教えてくれた。

エライザ:カルメンのお父さんがアントニオ・フェンディー、歩けなくなって亡くなった人だよね。

カルロ:カルメンは、お婆ちゃんのガブリエラ・ケベドに育てられた。だからガブリエラがお母さんみたいなものです。

エライザ:それじゃあ、カルメンが言うお母さんは、ガブリエラのことだ。

エライザ:カルメンのお父さんはアントニオ・フェンディーだからカルメンが旧姓のままならカルメン・フェンディーだよね。

カルロ:カルメンもお父さんはカルメンが小さい時に亡くなったから、自分がなんでビアンキ(Bianchi)なのかお父さんにも聞いてないから分からないって。    

いつもこの辺で話がとん挫する。

モトズルームに帰るとカルロは、持って帰った古いアルバムをカルメンに見せて、

カルロ:ママ、こんな古いアルバムを見つけた。イタリア語が書いてあるけど、こんなアルバム見たことある?

カルメン:へー古いわね。でも私の時代より古そうだわ。お婆ちゃんの頃かな。中の写真も古いわね。アジア系の人も映っている。イタリアを旅行したみたいね。ゆっくり見てみるわ。

カルロ:ママのアルバムの所に置いておくよ。


翌日、エライザは、あさこにクーラーボックスを渡した。

あさこ:ありがとう変なもの入っていたでしょう。

エライザ:木の欠けらでした。

あさこ:これ、高いのよ。このクラーボックスの分だけで数百万円!

エライザ:まさか?冗談でしょ。

あさこ:本当よエリちゃんに鑑定に出してもらう。あんまり厳重に保管すると帰って怪しいでしょ。元さんの言いつけで、昔からこうやって、このクーラーボックスで保管してるの。

エライザ:あさこさん冗談じゃなくて本気で言ってるんですか?

あさこ:うそじゃないって。

あさこは、伽羅が沈香の上質な物であること、沈香とは、木の樹液の塊で香木として古くから貴重品であったことを説明した。エライザは、帰って、伽羅や沈香についてネットで調べてみた。

エライザ:カルロ見て!あの木の欠けら300万円だって

カルロ:うそです。本物なら空き家にほったらかしにしないでしょ。テレビで見たよこういうの。偽物で300円でしょ。

エライザも確かに怪しいと思った。ミサ婆ちゃんが、一人暮らしだから誰かに騙されたに違いないと思った。


今日は大晦日。テレビでは、恒例の年末番組が放送されている。ネットで頼んだおせち料理が届いている。冷凍庫で保管していて、食べる日の朝にテーブルに出しておけば、夜には常温に戻りそのまま食べられる。なんとも便利な世の中だ。イタリア人にとっては、不思議な食文化に思えるだろう。半分フィリピン人のエライザにとってもちょっと変わった食べ物に見えた。

エライザ:お正月に料理すればいいのにね。一応私しか日本人いないから日本のお正月を教えるつもりで頼んでみたけれど、よく意味が分かんないな。

カルロ:せっかく皆が休みの時に料理しないなんて不思議な文化だね。

エライザは、冷蔵庫がいっぱいなので大晦日の昼間のうちからテーブルの上に置いていた。カルロにどんなものか見せれば目的は、達成している。つわりのエライザにとっては、都合のいい料理でもあった。冷たいから匂いもしない。すぐに食べれるから少しづつ好きなときにつまめる。日本人の家庭で子供がやったら怒られるけど、この家ではエライザがしていることが、日本の常識になってしまうから恐ろしい。おやつのように大晦日におせち料理をつまむのが、この家の日本の文化になりそうだ。


イタリア人にとってクリスマスが過ぎると年末の行事は終了で新年と言っても特別なパーティーをすることもない。カルメンは、日本の歌番組には興味がないのでとっくに寝てしまった。カルロもエライザも新年を迎える前にベッドに入った。

正月の頃は、明るくなってから日が昇るまで時間が掛かる。7時過ぎようやく朝日が昇りだした。エライザは一応、母が日本人で初日の出が有名な田原市の日出ひいの出身なので日本人が初日の出に宗教的な思いを持っていることは知っている。

エライザ:カルロ、起きて朝日が見える。

カルロ:朝日はいつも見てます。

そう、外国人にとって1月1日の朝日に特別な意味は無い。キリスト教徒にとっては、クリスマスの朝日の方がありがたい。クリスマスイブに雪化粧した街に朝日が昇り雪を溶かす。そして、キリストが誕生する。1月1日の朝日は、普通の朝日なのだ。ましてや朝日を見るためにわざわざ渋滞に巻き込まれ前日から場所取りをして、朝日を見るなどという不思議な信仰心は理解できない。エライザも日本人代表で初日の出を演出してみたが、自分も二度寝することにした。


9時過ぎ、エライザの母、春から電話が来た。

春:もしもし、エライザ、今日は、お休みでしょ?明けましておめでとう!

エライザ:あっ おめでとう。やすみだよ。

春:よかった。正月なら電話しても怒られないかなって・・

エライザ:正月じゃなくても怒ってないし・・・

春:でも、いつも忙しそうだったから・・体調はどう

エライザ:だいじょうぶ、良いよ。今は、産休じゃないけど、仕事も減らしてるから。

春:元気ならそれで良いの、じゃあまた、電話します。

エライザ:ああーっ、そっちには行けないけど、春さんこっち来る?カルロも会いたがってるし、お母さんのカルメンにも合わせたいし、どうかな?

春:行って良いの!?私もイケメンのイタリア人に会いたいわね。

春は、3日の日に来ることになった。エライザの母、春は、エライザが小さいころ京都の伊根に引っ越した。住み込みのパートで、舟屋で女中として働いた。今は、京丹後市のアパートで独り暮らしをしている。エライザは、しばらくは母と一緒に伊根にいたが、すぐに、フィリピンの父親の家族の所に預けられ高校まで暮らした。その後は、成績優秀者の推薦枠で京都医大付属高校に編入して、医師になった。連絡は取っているが、伊根をでてから春とはあまり会っていない。


エライザ:カルロ、3日に春さんくるって・・

カルロ:やっと会えますか!メールの写真しか見たこと無いから。

カルメン:私も挨拶してないから会いたいわ。

カルロ:お腹減った。

エライザ:おせち料理は?

カルロ:もうないよ。甘い豆と、かたいちっちゃい魚が残ってるだけ。

エライザ:今日は、スーパーやってないし、一平ちゃんも食べちゃったな・・・

3人は、おせち料理の意味を理解したのかしないのか。便利な世の中でコンビニに行けば元旦でも食べ物は有る。

カルロ:工房へ行きます。コンビニで何か買っていくよ。

カルロは、元旦から工房で仕事をしに行った。

ネットで調べれば、元旦から開いているスパーもあった。

カルメン:エライザ、スーパーに連れてって、春さんが来るでしょ。トルコ料理を作ってあげようと思って。

エライザ:良いね。少しは立てるようになったし買い物に行きましょう。

イタリア料理のルーツは、トルコ料理で、トルコ料理は、中華、フレンチと並び世界三大料理と言われ世界中の料理のもととなっているレシピがたくさんある。料理上手なカルメンはイタリア料理も当然だが、トルコ料理をアレンジして普通の主婦でも作れるように工夫している。

ふたりで、パンにスープの軽い朝食を済ませると。ちょっと遠出して福江のスーパー渥美に買い物に行った。エライザもトルコ料理には詳しくなった。野菜コーナーでは、カルメンに聞かなくても品物をどんどんカートに入れる。トマトに玉ねぎは、必需品。トマトは、なん種類もどんどん買い物カゴにほおりこむ。肉や魚はカルメンに聞かないと悩むところだ。日本のスパーでは、骨付きの肉はあまり売ってない。ヤギや羊も少ない。カルメンが肉を見て料理に合わせて選ぶ。

モトズラウンジに帰ると、カルメンに言われた通りにエライザが食材を切る。玉ねぎやトマトを炒めてベースのソースを作る。ほとんどの料理に玉ねぎとトマトが使われるのでこのソースが、味のベースとなる。カルメンが、調味料を合わせ肉を漬け込む。冷蔵庫で寝かして2,3日後が食べごろになる。2時間ほどかけて下ごしらえをしながら、、エライザがアレンジレシピでカレーうどんを作った。カルメンの玉ねぎ、トマトソースにボンカレーを合わせて煮込む稲庭うどんをゆでて、出来たアレンジスープに入れる。カルメンにソースを味見させた。

カルメン:んっ 良いわね。

二人で、遅い昼食を食べた。夕方、カルロがミサ婆ちゃんの家から持ってきた大きな寸胴を持って帰ってきた。カルメンは、玉ねぎやセロリトマトなどを丸さら鍋に入れ、特性の玉ねぎ、トマトソースを入れる。水をくわえると火にかけて野菜の灰汁を取り除く。大きめの鶏肉、赤ワインを1本入れて、火を弱火にした。

カルメン:このまま今日は2時間ぐらい、火を止めて明日も2時間ぐらい煮込むと良いスープのベースになるのよ。

エライザ:3日もかけるんですか?

カルメン:3日前から仕込むけど、火を止めている時間の方が長いわね。昔は、火を起こして2時間ぐらいで蒔きの火が消える。また明日、火を起こしてほかの料理を作ると、残った火床に鍋を移して火を入れる。料理の手順の中に普通に取り入れやすいやり方が、残ったんじゃないかな。

夕食は、エライザが作ったインスタントのルーを合わせた回鍋肉と青椒肉絲いつもの手際で、さっさと作った。クックドゥーの味付けは、赤ワインに合う。正月の夕食はインスタントの中華で終わった。


1月3日の朝、エライザはカルロを工房へ送ると豊橋駅に母の春さんを迎えに行った。途中でカルメンに頼まれていた、スパイスや大きめの春巻きの皮などを買った。少し早く着いたので、駐車場へ車を止めると、豊橋ステーションホテルに置いているカルロのアクセサリーのショーケースを見に行った。正月のお昼時、ホテルには、人気も少なくゆっくり見れそうだ。ショーケースに Carlo・Kokubo と書いて、アクセサリーが並んでいた。見たことの無いデザインがほとんどで、カルロが努力していたことが分かった。みんな結構高い金額だ。指輪が安いもので5万円ぐらいから一番高いブレスレットは、80万円となっていた。店員が、寄ってきて

店員:着けてみますか?

エライザ:良いですか?

店員:もちろんです。少しお待ちください。

ショーケースを開けてエライザにブレスレットを付けた。

店員:えっ・・・失礼ですけど・・エライザさんですよね。

エライザ:(やばっバレたか)はっハイ

店員:写真撮ってもらって良いですか!?

他の客はいないので、快くカルロのショーケースをバックに写真を撮った。ホテルの支配人やスタッフもやってきたので、集合写真で勘弁してもらってホテルを出た。ホテルは、写真を拡大して”エライザさんお忍びで来場”と大きく飾った。


新幹線が到着する時間だ光号が、豊橋駅のホームへ滑り込む。エライザは、改札前で待っていた。少し遅れて春が出てきた。すぐに分かったが、エライザは、

       春の姿を見て”ずいぶん小さくなったな”と思った。

エライザ:春さん! お疲れ様! 早い新幹線で眠いんじゃない。

春:いいえ、最近は、朝5時前に目が覚めちゃうからちょうどいい感じ!。

エライザ:ちょっと、早いけどどっかでお昼食べていく?

春:良いですよ。

車で走り出すと・・

春:ココイチあるよ!ここで良いよ。

エライザ:ココイチで良いの?

春:わたし、街に出ると、ココイチ探して食べるの。

エライザ:へー、良いよ。

テーブルに座ると店員がすぐきた。

春:ポークカレーの400で辛さ普通

エライザ:早いね!じゃあそれ二つで、お願いします。

春:いつもこればっかり。ほかの具材が入るとカレーの味が変わっちゃうから。

エライザ:よっぽど、ココイチ好きなんだね。

春:一人暮らしだとあんまり家で料理作らないから・・京丹後は、田舎だからコンビニぐらいしかなくて舞鶴まででたら、なんでもあるけど、結局、ココイチ!


店員がカレーを運んできた。

エライザ:おっ多いね。結構大盛じゃん!

春:あなたは、若いからもっと食べれるでしょ!

エライザ:ちょっと、全部無理かも。

春は、年齢の割に早く食べる。なかなかの食欲だ。エライザも刺激されて食べ始めた。

エライザ:ん、ココイチうまいじゃん。

春:あんたココイチ食べたこと無いの?

エライザ:食べたこと無かった!中東やインドのカレー食べてきたから日本のカレーチェーンは、どうせなって・・んまいよ!これ進むね!

春:私は、これ!鬼のようにかけるの。とびからスパイス!無敵だから。

エライザ:何それ?辛いのは得意だから・・・えーっそんなにかけるの?

春:見ためほど辛くないよ。

エライザ:ちょっとかけて・・・んnあっ・・良いじゃん!もっといちゃおう!

やっぱり親子なのかココイチのカレーでDNA鑑定が出来た。

春:つわり‥無いの?

エライザ:ずっと気持ち悪かったんだけど・・・食べれてるもんね。終わったかも・・ココイチで、つわり終了!!って、言うかぜんぶ、食べちゃったね。

春:すんなり入っちゃったでしょ。具の無いのが良いのよ。

春は、今年で60歳、1963年生まれ。カルメンと同じ年だ。エライザは、春がまだまだ元気そうで安心した。

ドライブしながら

春:エライザ:ずいぶん綺麗になったね。

エライザ:ほんと、今日は化粧もしてないよ。

春:やさしい顔になった。女性らしく、ほんわかしてるし、前に元さんの所にお世話になるって、一回だけ渥美病院に行ったけどその時のエライザは、気合十分で、ちょっと怖かったぐらい。やる気十分で元気そうだから心配したわけじゃないし、誇らしかったけど、今は別人みたいに落ち着いて見える。

エライザ:仕事も落ち着いてきたから・・・殺気は抜けたかもね!


モトズラウンジに着いた。

エライザ:カルメン! ただいま!(みゃー)育像!ただいま。

カルメン:おかえりなさい。

エライザ:カルメン、母の春さん。

カルメン:ハルサンさんね。始めまして、カルロの母のカルメンです

エライザ:ハルサンの名前は春よ。私が春さんって呼んでるだけ。

カルメン:あーゴメンナサイ はるさんね。(ミャーオ)

エライザ:春さんね、カルメンと同じ年。私が生まれる前は、日出に住んでたの。結婚してフィリピンに住んで、お父さんがどっかいっちゃったんで、日本に帰ってきたんだけど・・・今は京都に暮らしてるの。わたしも会うのは・ここで会ったっきりだから3年ぶりか?・・

春:そうだね。それからは、電話もほとんどないし、日本に居ない年もあったし、テレビとか忙しそうで3年ぶりだね。

エライザ:3年まえに合った時の前は、・・・・・医師免許取った年だから4年会ってないのかな?・・なんかお母さんて呼びにくいんだよね。フィリピンの家族たちがみんな”はるさん!”って呼ぶんで、私もそうなっちゃった。


年も同じのカルメンと春は、話も合った。カルメンはギターの演奏でいろんな国を回ってきた。春もこの年の女性としては、めずらしくいろんな国を一人旅してきた。カルメンといろんな国の食べ物で話が止まらない。カルメンが、自分のアルバムを持ってきた。カルロが、一時帰国した時にカルメンの私物を圧延機に忍ばせて持ってきてくれていた。


カルメン:これ、フランスの凱旋門。バンドのメンバーやスタッフと映ってる。

春:あっ、これカルメンだ。綺麗だね。こっちの男の人は、クリスティアーノ・ロナウド 見たいでかっこいいよ!。ほかの人もイケメンばっかじゃん!

春が、小さなアルバムを拾い上げて見ている。

カルメン:それは、私のじゃないのカルロが貰ってきて、古いイタリアのアルバムだから見てみないって。私のアルバムよりかなり古いものです。私より30年ぐらい古いかしら。

春:映画に出てきそうな服着てるね。この人は日本人かな中国人か?アジア系の綺麗な人だね。ああ、エライザ!小久保ナカさんにそっくりだね。

エライザ:中さんってお婆ちゃんの?どれ?

春:この人!

エライザ:へー、こんなきれいな人だったんだ。

エライザ:こっちの写真は、すごい古そうだね、ひげの男の人、怖そうだね。

春:昔はみんなこんな感じで整列して写真撮ったみたいよ。同じような写真あるよ。なかさんに貰った。

春は荷物の中からクリアーファイルに入れた古い写真を出して見せた。

エライザ:ホントだまじめな顔で並んでる。 ・・ん・ちょっとまって、これ同じ写真じゃない?

ほら!見て!髭の男の人、隣の綺麗な白人の女性!服も同じゃない。後ろのでぶっちょの人も


カルロが見つけたミサ婆ちゃんの写真は、少し大きめの写真で10人ぐらいの人が写っている。春が持っていた母親のナカの写真は同じもので、ミサ婆ちゃんの持っていた写真の右側の部分を取り出したものだった。不思議な話にカルメンも興味を持って乗り出してきた。

カルメン:ほんとね、同じに見えるわ。どちらも有名な人の写真かもしれないね。あれ、私も同じような写真持ってるかも・・ちょっと待って・・

カルメンは慌てた様子で自分のアルバムを調べ始めた。5冊ほどのアルバムをめくっている。一方、春は、なんで、知らない人の家に同じ写真が有るのだろうと考えていた。大きな写真が最初の写真で、中が持っていたのは切り取った写真。真ん中の男と女は有名人で周りの人がファンの人なら有名人の男と女と自分だけを切り取った。そうに違いないと思った。春がみんなに、そう言おうとすると・・・

カルメン:あった!この写真。私のお父さん、アントニオ・フェンディーの写真です。このアルバムは、父の遺品で亡くなった父の書斎に残されていたものです。周りの人は誰か分かりませんが父の横にいるのは、若い時のガブリエル・ケベド、私のお婆さんだと思います。

カルメンは、自分のアルバムに合った父の写真を見せた。大きさも映っている人もミサ婆ちゃんの写真と全く同じだ。

写真を見比べながらそれぞれが思いを巡らせた。・・・


翌日

エライザ:あさこさん、もう一回、ミサ婆ちゃんの家にアルバム取りに行きたいんだけど・・・



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