エンジェルライフMirai⑪カルメンが歩いた!新婚さんのお引越し!生まれる子の国籍はどうする?先に入籍しなくてもいいのか?
カルメンが自分で歩いて買い物に行けるようになった。エライザとカルロも生まれてくる子供の為に決めなければならない事がある。どうなる国籍、結婚式はやるのか?決断力のあるエライザでもこの問題は複雑だ!別々の部屋で、二人づつ話し合ってみたが・・・
⑪
2月になって北風も弱まってきた。カルメンのリハビリも順調で自分だけで歩けるようになった。リハビリの杉本もそろそろ自分の役目は終わりそうだと思っていた。
エライザ:杉本さん、カルメンの歩行訓練を見に来ました。
エライザが、リハビリを見に来た。カルメンが松葉杖も使わずに歩き出した。
まだ、長い距離は無理だが、リハビリ室の端から端まで歩いた。
カルメンもエライザが見ているのを見て、小さくガッツポーズした。
ケンジ:僕は、卒業で良いですか?
エライザ:卒業するとまた、海外ですか?
ケンジ:いや、絵里ちゃんが子供を産んで、その子が手がかかるうちは、当面、日本にいるつもりです。
エライザ:エリと一緒にいるんなら卒業させます!今後は、本院のリハビリ担当で願いします。ありがとうございました。
松葉杖を突きながらカルメンが来た。
エライザ:カルメン、杉本さん今日で終わりです。
カルメン:えーっ もう、お別れですか・・・
ケンジ:カルメンさんの専属は、今日で終わりです。これからは、他の作業療法士が、交代でリハビリに付き添います。
よく頑張りました。私の想像より2か月も早い。良い事例を経験し私も勉強になりました。ギターを弾く日は、会いに来ます。
カルメンと杉本ケンジは、握手して別れた。
エライザは、車いすのカルメンを押してモトズルームに帰った。
正月に春の作った鰆の西京焼きがカルメンのお気に入りになった。明日は、エリと早紀が遊びに来る。少し休憩したら買い物に行く予定のエライザが、カルメンに声をかけた。
エライザ:買い物に行くけど、カルメンはどうする?
カルメン:私も行きたい。車いすは要らない。松葉杖で行っても良い?
エライザ:大丈夫?
エライザは、一応、車いすでカルメンを車まで連れていきトランクに車いすをしまうと、スパーに買い物に行った。せっかく車で出かけたので福江のスーパー渥美まで行くことにした。
エライザ:カルメン、鰆は、いつもあるわけじゃないからな・・
カルメン:無ければしょうがないけど・・・鰆、太刀魚、クエとか、、、シカ、イノシシ、ラム・・あるかな?
エライザ:シカ、イノシシは絶対無い、クエも無いよ 正月のあの時は特別だよ。
カルメン:あそこのパプリカもおいしいわ。
駐車場についた。身障者用の一番近いところが開いていたので、そこに車を置いた。
エライザ:本当に車いす要らないの?あったほうが買い物を楽しめるよ。
カルメン:いらないわ。松葉杖も要らない!
エライザ:えーっ・ちょっと待って!
カルメンは、自分で車を降りるとゆっくりと歩き出した。
エライザが、慌てて車をロックして追いかける。
カルメン:エライザ!触らないで!
カルメンは、そのまま一人で歩き、ショッピングカートにつかまり・・
カルメン:これが、有るから大丈夫!
と、振り返って笑った。
エライザは、あきれた顔をしてカルメンに付いていくエライザが持ってきた買い物かごをショッピングカートにおいて、野菜やくだもののコーナーを見て回る。
カルメン:このパプリカとズッキーニは必需品ね。このエリンギも・・ あっ!エライザ!これ分かる、ビーツよ!
エライザ:あー知ってる。けど・・珍しいね!買ってこ・・
カルメンは、春が使った食材は、たいてい好きになった。がんも、タケノコの水煮、ぎんなん、ゆり根、サトイモ、自然薯
買っているものを見れば日本の高齢者と変わらない。おいしいものは、万国共通なようだ。魚のコーナーに来た。残念ながら鰆も太刀魚も無い。
カルメン:残念ね。マグロは高いし・・・
エライザ:ハタハタがあるよ!
カルメン:ハタハタ??
エライザ:この魚、地元産じゃない秋田産。どんな料理にしてもおいしいよ。この辺の人は知らないからあんまり食べないので安いし買っていこう!・・・新鮮なイカも・・買いだね。
エライザは、小躍りして喜んでいるが、カルメンは、鰆も太刀魚も無くてがっかりだ。一人ショッピングカートを押して進んで行ってしまった。
エライザ:カルメン待ってよ!
エライザは、ひじきと煮あなごを持ってカルメンを追いかけた。
カルメン:ラム!
ひとつのコーナーがラム肉専用になっていて、カルメンの眼の色が変わっている。(もともと青だケド・・)
エライザに声もかけず一人でショッピングカートにラム肉をどんどん入れている。
エライザ:カルメン! どんだけ買うの!?
カルメン:エリちゃんに冷凍庫の使い方、教えてもらったの。凍る部屋にもいろいろあるんだね。食べる日にチルド室に移すんだって。
エライザ:日本酒?珍しいね・・
カルメン:この間の・・スパークリング? ないかしら?・・・・
エライザ:濁り酒だったよね?・無いよ・帰りながらジャスコに寄ってあげる。
今度は、パンとヨーグルト、こちらはカルメンが欲しいものは、エライザもわかっている。何も言わなくてもポンポンとかごに入れる。カルメンが何か思い出した。
カルメン:チーズ!・・・お気に入りのチーズ!
エライザ:会計に並んでて、私持ってくるから!いつもので、いいよね!
エライザがチーズを持ってきて、買い物かごをおろしてレジにおいた。カルメンは、空のショッピングカートを押してレジを抜けると反転して待っている。
エライザ:(カルメンは、買い物に行ったらどうしようかっていつも考えて見てたのね。)
と、思った。
店員:合計で、25,250円です。
よくぞ買ったもんだ。
モトズラウンジに着くと、カルメンは真っ先に冷凍庫に入っている物を全部出して、買ってきたラム肉をきれいに並べて、冷凍庫に敷き詰めた。
カルメン:エライザ、この魚はどうする?
エライザ:冷蔵庫で良いよ。今日の料理は、任せていい?
カルメン:わたしが、用意しておく!
エライザ:私、ちょっと事務仕事してくる。お願いします。
早紀もエリもリモートで、大体のことはできるが、ここのパソコンでないとできない仕事をエライザがやっている。
3人ともいいバランスで、妊娠療養と仕事を続けている。エライザは1時間ほどで事務仕事を片付けると、カルロを迎えに行った。
エライザ:カルロ、カルメンね歩いて買い物に行ったの!
カルロ:すごいけど・・一人ではまだ無理でしょ。
エライザ:それが、いつも買い物に行って、どうすればいいかずっとスーパーを見てたみたい。どこにショッピングカートが有って、休める椅子は、ここで、レジのやり方とか・・・車から降りたら一人で松葉杖なしで、ショッピング
カートまで歩いて、ショッピングカートを杖代わりに・・・会計終わったら外のベンチに座って、私が荷物を積むまで待ってて、自分で歩いて車に乗ったの!
カルロ:すごいね!もうそんなに歩けるんだ。ショッピングカートなら杖代わりになるね。
エライザ:リハビリも一般の人と同じで良いって杉本さんも終了した。
カルロ:ママ、寂しいね。ケンジ好きだったから。
エライザ:ギター弾くときは、来るって言ってた。
部屋に入って。
カルロ:ママ、ただいま!
カルメン:おかえりなさい。
カルロ:ママ、すごいね。歩いて買い物に行ったんだ!
カルメン:歩いてって、ショッピングカートに摑まってたから・・
カルロ:頑張ってリハビリしたからね。
カルメンが選んだラム肉がメインで、ジャスコで買ってきたスパークリング濁り酒で乾杯した!
カルメン:やっぱりこのお酒美味しいわ。
エライザ:日本酒も変わって来たね。
カルメン:あんたたちの新居は決まった!
エライザ:明日見てきます。工房の道路挟んで横!カルロ、不動産屋さんと部屋見に行くから明日、工房に居てね。すぐ近くだから。
カルロ:分かった。
翌日の昼
不動産屋さんと待ち合わせして、
不動産屋:こちらのアパートになります。
エライザ:ちょっとまっててください。旦那呼んできます。
エライザ:カルロ! いる!
カルロ:はい。もう、来ると思って切りのいいところで待ってました。
どこ行きますか?
エライザ:よし!行こう。って、言うか、そこだから!
エライザ:お待たせしました。
不動産屋:鍵開けておきました。どうぞ!
カルロ:?
エライザ:失礼します。
カルロは、知らない家にエライザが入っていくと思い玄関で見ていた。
エライザ:いいでしょ。住んでるのとおんなじだよね。道挟んで隣だから・・・窓からご飯できたよーーって呼べる。
不動産屋:お風呂場、どうぞ中に、、、
エライザ:綺麗だね。
不動産屋:壁紙は張り替えてます。フローリングは、ワックスがけして、洗濯機、クーラー、冷蔵庫、テレビ、シャワー
トイレは、専門業者で清掃、消毒済みです。
エライザ:文句なしじゃん。
不動産屋:旦那さんの仕事場は?
エライザ:そこ!
不動産屋:?
エライザ:そこの建物!
不動産屋:はあ!通勤は10歩ですね。(笑い)
エライザ:決めます。
不動産屋:契約条件とか・・・
エライザ:メールで送っといて。お金払います。口座教えて!
不動産屋:そういうわけにも
エライザ:めんどくさいこと言われると辞めちゃう!信用してるから。とりあえず最初にいくら払えばいい?
不動産屋:今キャンペーンで家賃は、3か月無料です。敷金礼金なしですから4、5か月目の1か月分12万円ですから24万円
税込みです。契約書の様式に口座番号が書いてあります。
エライザ:貸して、
エライザは、契約書の振込先に携帯で24万円振り込んだ、
エライザ:振り込みました。振込手数料は、そっちの負担にしといた。
金払いは良いが、しっかりしているところはしっかりしている。
不動産屋:契約書は、こちらで記入してサインだけ頂きに行きます。鍵は申し訳ありませんが、その時にお渡しします。
エライザ:分かりました。カルロ!、だってさ!工房戻っていいよ。
かるろ:んなに・・
エライザは、車で帰っていった。不動産屋とカルロが残されカルロが笑って動かないので不動産屋も笑いながら動けない。
しばらく、見つめ合って笑っていたが、不動産屋が、
不動産屋:奥さん帰りましたよ
カルロ:どうして、忘れ物?
不動産屋:…奥様の予定は、ちょっと分からないです。
カルロ:私は、エライザと出かける予定です。
不動産屋:あっ、そうなんですね。それでは、失礼します。(旦那さんも変わってるな)
カルロは、エライザと出かけるのは、理解していたが、呼ばれて、知らない家の玄関で立っていたらエライザが、車でどっかへ行ったから、なんだろうなと思っていた。・・まさか、引っ越し先を決めたとは、思っていない。
あれだけ早口でしゃべられたら日本人でも契約を決めたとわ思わないかもしれない。カルロがいつまで道端で待っていたのかは・・・わからない。
食卓で
エライザ:ねえ!近くていいところだったよね。
10歩とか言って驚いてたね。20歩はあるな。
カルロ:なんですか?
エライザ:聞いてないの?綺麗だったし、日当たりも良いし、工房のすぐ横だから冬は風が強いね。
カルメン:食事もうちで食べれるじゃない。
カルロ:何の話ですか?
カルメン:あなたた達の家の話!。見に行ったでしょ!
カルロ:知らないよ。
カルメンがイタリア語で話し出した。”・・・・そこが、引っ越し先よ・・・鍵をもらうばかりになってるって”
カルロ:アパート決まったんですか?
エライザ:何見てたの?一緒に行ったじゃん。
カルロ:エライザが、入って出てきただけ・・・
エライザ:ちゃんと、契約して、お金払ってたじゃん!
カルロ:・・・・・・でも、近くていいね。20歩で帰れる!
エライザ:そうでしょ私も20歩だと思うんだよね。
そこだけで、分かり合える。国際結婚も案外問題ない。
引っ越しの日、
午前中不動産屋が来て鍵をもらった。引っ越しと言っても荷物はそんなにない。引っ越し先は家具家電作り付けで、持っていくものは布団やマットレスぐらいしかない。衣服は冬物だけを少しづつエライザの車で運ぶ。今日は、途中のコンビニで、総菜や酒を買って久しぶりにカルロと二人きりで寝る。1ルームの小さな部屋で床にマットレスを座布団代わりに向き合ってあぐらをかいた。缶ビールをプシュと開けてエライザが、カルロに渡した。
エライザ:最初だけちょっと飲めば。
自分の分を開けて
エライザ:かんぱい!
カルロ: ・んぱい!
いつ以来か、二人で食事、ベニスの港の屋台ぐらいしか思い出せない。お互い全力で走ってきた。豪華な食事も華やかな
世界も経験してきたエライザだが、幼いころは、母親から離れフィリピンの親戚の家で貧しい生活をしてきた。親戚はみんな仲が良く寂しい思いはしなかったが、満腹になったことはない。孤高の狼が人々から憧れられる女神になった今でもあぐらをかいて缶ビールを飲んでいるエライザが本当の姿なのかもしれない。
エライザ:どっちがいい 一平ちゃんとペヤング
カルロ:ペヤング
エライザ:えーっつ、いつも一平ちゃんって
カルロ:夜は、一平ちゃんは、ちょっと味が濃いですね。
エライザ:えーっつ 良いよ、ペヤングあげるわ
じゃー、シーチキン巻きとネギトロ巻き
カルロ:ねぎとろですね。
エライザ:なんで!いつもシーチキンじゃん。
カルロ:夜はシーチキンは好きだけど、マヨネーズが夜っぽくないよ。
エライザ:マヨネーズって、夜っぽくないの。
カルロ:マヨネーズは、朝っぽいでしょ昼までの感じだよ。
エライザ:いいよ・・・ネギトロ巻きあげるよ。
マヨネーズが、夜っぽくないかどうかどうでもよいが、
二人はまだまだ理解し合う時間が必要なようだ。
工房横のアパートとモトズラウンジの二刀流生活?が始まって1か月たち、3月になり北風の日も少なくなってきた。金、土の夜はカルメンとモトズラウンジで止まる。月、火、水曜日は、エライザとカルロだけで工房横のアパート(カル宅)に泊まる。木曜日は、カルメンを読んでカル宅で、泊まる。週によっては変わる時もあるがなんとなくそんな風に決めた。子供が、生まれたら行き来するのはめんどくさいのでモトズラウンジに戻るだろうと思っているが、こんな具合で、エライザとカルロの二人っきりの時間も増えるし、カルメンが一人で生活するのもリハビリになる。
周りの子供たちの、通学でランドセルを重そうに背負っている小学生を見ると今後の自分たちの生活にも思いが及ぶ。まずは、国籍問題だ。どうするのか決めかねているが期限は迫っている。カルロもカルメンも難病指定の特別在留ビザをもらい病気の治療の間は、日本にいられる。病気が治って、エライザの研究が終われば、イタリアに帰ることになる。子供が生まれるまでに、3人の国籍を選択しなければならない。こんな話し合いも二人ずつだと本音が出やすい。エライザとカルロがカル宅で、話し合っている。
エライザ:簡単なところから整理するよ。カルメンは、いずれはイタリアに帰りたい。ここは、いいよね。
カルロ:そこは、間違いないと思います。
エライザ:カルメンが元気になって何でも自分でできるようになっても誰かが面倒見ないといけない時が来るよね。
それは、カルロしかいないよね。
カルロ:それもそれしかないね。
エライザ:でもカルロがイタリアに帰ったら今の収入は難しいね。
カルロ:それもそうだね。
エライザ:さっきからそうだね。しか言ってない!
カルロ:だって、そうだから。
エライザ:じゃあいつもと一緒じゃん。別れて暮らして、
この子は日本人?
カルメンみたいにイタリアでパパとおばあちゃんで育てるんだ。
親の代と同じことするんだ?うeーn うぅぅ・・
いつもこの繰り返しで結論は出ない。カルロがエライザを抱きしめて二人で泣きながら寝るしかなかった。時には、こんなパターンの日もある。エライザが、あさかの家に泊めてもらい愚痴を聞いてもらう。カルメンとカルロが、モトズラウンジで話し合っている。
カルメン:私はイタリアに帰るつもりよ。牧場も、もう一度始めたい。あんなに広くなくても良いから半分ぐらい売れば羊も買える。半分でも私一人ぐらいは食べて行けるわ。あなたの世話になる気は無いのよ。
カルロ:年を取ったら誰かいないと困るよ。
カルメン:何言ってるの。今では、高齢者の介護施設はたくさんあるし、最後は、牧場を売って死ぬまで面倒見てくれる介護施設に入るだけよ。私は、私、貴方は貴方の人生をエライザと話し合って決めればいいの。
エライザとイタリアに来ても、日本であなたが暮らしても。どちらでもあなた達の人生。子供は、二人が選んだ国の国籍になる。
間違っても別れて暮らしてはダメ。
アントニオやミサのようなつらい人生は子どもも不幸にする。
わたしを絡めて考えるからややこしくなるの。
自分の気持ちを第一に考えなさい。
人生経験のあるカルメンの話は重みがある。と、言ってもイタリアに帰ったら貧乏な生活が待っている。エライザも子供も苦労するだろう。自分自身も日本に残れば、少しは豊かな生活ができる。離れて暮らして、こういう話ができて分かったことは、悩んでいるのはカルメンでもエライザでもなくカルロだけだと気が付いた。エライザは、貧乏でもカルロが帰りたいなら付いていくと言っている。フィリピンの生活より苦しいことはない。イタリアで良いと言ってくれている。カルロは、自分が、どっちつかずの返事ばかりしているから結論が出ないのだと気づいたとか気づいてないとか・・・
カルメンが、先に動き出した。モトズラウンジで食事している。
カルメン:エライザ、ありがとう、私、イタリアに帰るわ。カルロの家はもうないから田舎の牧場に帰る。昔の友達に聞いてみたら、田舎のままだけど週に1回は、町まで行政が車で送ってくれる。病院も行けるって言ってる。住むところは、少し直さないといけないのでしばらくカルロに手伝ってほしい。
エライザ:もう決めたの?
カルメン:私は、決めていたのよ。わたしは、いずれあの丘に帰らないといけないの。そのために足を治したかった。エライザのおかげで歩けるようになった。感謝してる。できれば、貴方の出産と子育てを手伝ってあげたいから時期は、貴方に任せる。雪も深くなるイタリアの冬は、家の修理も難しくなるので、この夏は一度、カルロと帰りたい。
エライザ:分かった。出産は日本でする。わたしも悩んだけどここまでは決めた。私がお嫁に行く、カルロ・ビアンカ・小久保にお嫁に行って、エライザ・ビアンカ・小久保になる。
結構めんどくさそうだけどカルロにちゃんと話します。
カルロを迎えに行って帰ってきた。カルメンが久しぶりに夕食にはトルコ料理を準備した。
食卓を囲んで
エライザ:カルメンがイタリアに帰る準備する。夏から牧場の家を修理するから手伝って!アクセサリー製作の納期遅れちゃうけど・・ゴメン!
カルロ:決めたのママ?
カルメン:前から話してるでしょ!
カルロ:・・・分かってるけど・・
エライザ:私は、イタリア人になる。あなたの戸籍に入る。ん?イタリアは、戸籍無いのか・・とにかく結婚する?結婚式するだけか?このまま子供産むと子供は自動的に日本人の私の戸籍に入るので先に私の日本の国籍を婚姻を理由に除籍する。それで、カルロと結婚して・・・あーっ、カルロもカルメンも何言ってるかわかってないけど・・・・
・・うぅっ・・・アントニオとミサの気持ちがよくわかるわ。
それで、私がイタリア人になってから子供を産む。日本で生んで、2,3年は日本で育てる。その間は、カルメンに子育てを手伝ってもらう。だから私と、子供はイタリア人。
カルロ:雪のない間は牧場の家を修理して、冬は工房で仕事する。5月までは一生懸命アクセサリー作ります。
当面の計画は、決まった。吹っ切れたようにそれぞれが自分のやるべきことに進んでいる。
エライザの体調も順調だが、人生いろいろ計画通りにならないのが面白い。




