三話、魔法の使い方
恐ろしく短いね。まあ一日5回更新したから許してください
「(久しぶりに……布団で寝るな)」
布団に入って寝ようとする――――が。
「(アリエス嬢どうしよう……)」
布団に包まった状態でスヤスヤ寝てる天使(出会って一日目)。
「(……この子を布団に置いて床で寝るか)」
床で寝る経験は生憎と悲しいぐらいに足りている。
布団は後日買えばいいだろう。と判断して逃げようとするがしかし。
「……ん…っ…」
「(やべ、目覚ます……)」
離そうとした瞬間、目が覚めかけて出来なくなった。
まーた抱き寄せる形になる。
「(……どうしよう)」
未だベットに座った状態だ。この子から離れれば目を覚ます。
この子の目を覚まさせず、ベットにて睡眠する方法……俺はそれを探さねばならない気がする。
「……!!」
待て、俺は素養が高くなったんだよな?
魔術の素養が高くなり、今までの努力が全て還元されている。ならばこの状況を打破できる魔術もあるんじゃないか……?
「!!」
――――閃いた。
「ZZZ」
床で眠る俺。とても気持ちよさそう眠っている。
「…………」
――――尚、俺の作った分身である。
「……ん…ぅ…」
「…………」
死んだ魚の目を、手元へ向ける。
布団にくるまれているアリエス嬢は俺の胸に頬を摺り寄せて、気持ちよさそうに眠っていた。可愛いな、という感想が浮かんだ。
「…………」
死んだ魚の目を、床へと向けた。
俺の作った俺の分身がすげー気持ちよさそうに寝てる。なんか殺意が湧いた。
「…………」
午後11時。寝てる二人(一人は分身)のいる室内。
「(なんだろう……何かを致命的に間違えた気がする)」
そしてその日は一睡もできなかった。