起床 そして
まったく、何時になったらこの男は起きるのだろうか。もう昼になるというのにこの男は幸せそうに鼻ちょうちんを膨らませている。いっそ今のうちに刈り取ってしまおうか。しかし、私には説明義務がある…
うむむ…と頭を悩ませていると
男と目があった。
しかもこの男昨日とは打って変わって死んだ魚のような目をしている、実に気味が悪い。どうしたものか、先手必勝ともいうし…しかし私から話しかけてもし私が視えていなかったら馬鹿らしいし… と長考しかけていた頭を男の間延びした声が一気に現実に引き戻す。
『うーん。珍しくまだ酒が抜けてねぇみたいだなぁ、俺ぁ一晩寝たらだいたい抜けるのに』
と、表情を曇らせた。
『まあ、もう一眠りしてそれでも抜けなかったら医者にかかりにいこう。そうしよう』
と、1人で勝手に納得するともそもそと布団を被り直し四半刻たらずで眠((させるかよ!!『ふべらっ!』
しまった、存在否定からの入眠体制に私の自尊心が許さず、エネルギーを使って干渉してしまった。貴重だから使いたくなかったのに…とてつもなく程度の低い使い方をしてしまった…
…反省はこのくらいにして今はこの惚け面のまま赤くなった鼻を抑えて固まっている此奴の処理をしなければ…