マリオンの仮面
「お呼びでしょうか? ブレット大佐」
額から鼻までを覆う白銀の仮面の男がブレット大佐に敬礼する。
「うむ、今回呼んだのは共和国新造艦を拿捕してほしいのだよ」
「拿捕でございますか?」
「そうだ、あくまで拿捕だ」
「この任務は君にしかできないと思っている、任せたぞアルドー少佐」
そう言ってブレット大佐はアルドー少佐の肩を叩いた。
「はっ 帝国に栄光あれ」
そんな時非常ブザーが鳴り響き敵襲を告げた。
内力バリアが起動した頃、カタパルトから順に早いものから出撃していくが、今回は敵も本気なようだ。
「む、突撃艦か…」
テリーが呟く、その瞬間複数の突撃艦からビームが放たれた。
マティアスに内蔵された内力シールドにより被害はなかったが、どうやら内力シールドがその突撃艦に釘付けになりネイオンを守る内力シールドが麻痺しているようだ。
一隻のアルリオス級がその複数の突撃艦の攻撃に耐えきれず爆沈した。
「ケネス!リズを頼む!!」再度無線でリズのお守りを頼むと、あいよ!との声が帰ってきた。
これで一安心だろう、自分は早く戦闘を終わらすために突撃艦に攻撃を仕掛けることにした。
ライフルを一射二射して、敵ネイオンを落としながら突撃艦に近づいていく、
突撃艦から迎撃のビームが発射され回避せざるをえなかった、テリー。
「ちぃっ、どうしたもんかな」
悩んでいると、敵のエース機と思わしき機体が、
アルリオス級一隻に取り付いてブリッジをビームサーベルで切り裂くのが見えた。
「これはまずい」
アルリオス級二隻をあっという間に沈められ、焦るテリーであったがこのネイオンでは性能が低く、目の前の突撃艦に今は対処するしかなかった。
「ぐおっ! なんてぇ力だ」
突撃艦の対処は部下に任せ、自分はアルリオス級をやった敵に一騎打ちを挑んだが、グウィンは敵のネイオン一機に押されていた。
「私に出会ったのが運の尽きだな」
片腕を吹き飛ばされ、グウィンの機体が今まさにやられるその時、一筋のビームが飛んできた。
「この勝負もらった! む!?」違う方向から攻撃が飛んでくるのを察知した仮面の男アルドーは即座に回避行動をとり、攻撃してきた方向を見た。
「貴様! やるな!」敵のエース機が射撃の精密さと内功を褒めると、それを避けた敵をテリーは褒めた。
「そっちこそ、やるじゃないか」
「勝負は一旦預けるぞ」
そうして敵ネイオン隊は突撃艦と共に下がっていった。
「おい、確かテリーって言ったな、助かったぜ」
ふぅ、と疲れた声で言ってきたエースパイロットのグウィン。
「確かグウィン少尉でしたよね、ご無事でなによりです」
「お前さん随分やるじゃないか、あのマリオンの仮面を追い払ったんだからよ」
「マリオンの仮面、あぁ、先のマリオン会戦で戦果をあげたという、アルドー・サイクスだったか」
「そうだ、奴が今回襲ってきやがった、多分次も来るだろうよ、そん時は助太刀してくれ」
「了解です」
そう言って二人は艦に戻っていった。
艦に戻るとケネスとリズが待っていた。
「よう、お疲れさん」 「テリー、大丈夫だったの」
二人にそれぞれ声をかけられるが、
「あぁ、大丈夫だ」と返した。
グウィンが「テリーのおかげで、マリオンの仮面を撃退できたんだ」という言葉が、
「おいおい!マリオンの仮面が来てたのかよ…」そうケネスがいうと、リズがマリオンの仮面て?と聞いていた。
「先のマリオン会戦でエースパイロットとして活躍していたやつさ」との声にそんな相手が来たの!?とリズがびっくりしていた。
「だけど撃退できたってことはグウィン少尉が凄いってことでしょ!」そうリズがいうと、
「いや、俺は応戦するだけで手一杯だったんだ、奴さんはテリーの一撃で下がったんだよ」との声に驚きの声があがった。
「テリーあなたそんなに強いの?」とリズが聞くと「そんなでもないさ」と部屋に戻ろうとしているテリー。
それを見てケネスにもリズはテリーはどれほどなのか聞いたが、体良くはぐらかされたのであった。