帝国の罠
王国軍人の元帥となったアルーンは、
友軍を助けるために出撃しようとしていた。
「元帥! これは罠です!」
参軍が具申するが、
「確かに罠だが、友軍を助けるためには私が出るしかない、相手はやり手のバーテン大将だ、私以外に今王国で相手になるものはいないだろう」
「出撃するぞ、全軍我に続け!」
そう言ってアルーンは一個艦隊を率いて、友軍が待つ戦闘区域へ向かった。
戦闘区域についたころには友軍はぼろぼろの状態だったが生きながらえていた、最後の艦が帝国の艦にやられそうになったとき、エンペラーの大型シールドが割って入った。
「やらせんよ!」
一足早くエンペラーで出撃していたアルーンが戦場にたどり着いた。
続々と王国軍が戦場にたどり着くが、帝国のバーテン大将はほくそ笑んでいた。
「やはり罠にかかったか、アルーン元帥、あなたのその友軍を見捨てない性格、悪いが利用させてもらった、軍人としてのあなたの矜恃は尊敬に値するが、これで最後だ」
帝国軍はその救援にきた王国軍ごと包囲する形で現れた。
「さてとどうしたものか、これこそまさに絶体絶命か…」
友軍を助けるために包囲の中に突っ込む形になりさらに包囲されてしまったアルーンだが、その一部を突破しようとエンペラーで戦っていた。
しかし包囲が分厚く戦っても戦っても、敵が途切れることがない、
「どうやら本当にバーテン大将にやられたようだな、私の命もここまでかもしれない、せめて友軍と救援に使った軍だけは王国に返さなくては」
そう言ってエンペラーを駆り、包囲の突破を再度試みた。
そうして戦っていると、アルーンは遠くから艦影が近づいてくるのが見えた。
おそらく帝国の援軍だろうと考えた。
だがどうも帝国の艦影ではないことが近づいてきてわかった。
「アルーン元帥! 援護にきました!」
そう聞こえるや、包囲の外の艦艇からビームが飛んできた。
「その声は、延瑛…、君か!?」
なんと楊家軍が援護に駆けつけてきたのである。
「元帥! ここは我々に任せて包囲を脱出してください」
楊家の次男の延定と三男の延輝を引き連れてきてくれたらしい。
「だがこのまま殿を任せていいのか!?」
そう問うと、
「早く脱出を!」
急かされ、軍を纏めたアルーンは包囲網からの脱出を図ったのであった。
しばらく戦っていると、楊家軍の数が次第に減っていくのがわかった。
王国軍は友軍を含めて救出には成功したが、楊家軍の被害は甚大であった。
その後帝国軍は態勢を立て直した王国軍に逆襲されるのを恐れ、撤退していった。
戦後処理をしていると、どうやら延瑛の援護に来ていた、延定と延輝が戦死したらしいとの報告が入った。
それに当主の楊業には知らせず、延瑛の独断で楊家軍は援護に来ていたということで、延瑛は軍を私戦に巻き込んだとして、大きな罰を受け、家を勘当されたとアルーンは話を聞いた。
その話を聞いたアルーンは楊業に情状酌量を求めたが、軍を無断で動かしたことと息子たちを死なせた延瑛を許さなかった。
アルーンは自分を救ってくれた延瑛のために再度楊業に会いに行くことにした。




