表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/27

カルディナの悩み

帝国の首都の宮殿、その自室にて、カルディナは悩んでいた。

「どうしたらアルーンを手に入れることができるのかしら…」

そこにコンコンとノックが

「カルディナや、ワシじゃ」

「お祖父様!」

カルディナの表情は幾分明るくなり、祖父を迎えた。

「何やら塞ぎ込んでおると聞いての、心配で見にきたんじゃよ」

「ご心配ありがとうございます、お祖父様」

そう答えるとまた少し表情が暗くなるカルディナ。

「なぁに、この爺様になんでも言ってみなさい、欲しいものはなんでも持って来させよう」

そう帝国の皇帝、グリゴリーは可愛い孫娘のために言った。

「ありがとうございます、お祖父様、でもダメなのです」

「むぅ? 何がダメなのじゃ?」

「これだけは自分自身の力で手に入れなくてはいけないと、私自身がそう感じているのです」

なんと…いつのまにか大人になった、自分の孫娘を見て感無量な気持ちである、グリゴリー、それ故に、なおのこと欲しいものは与えてやりたいと思ってしまうのは、祖父バカともいうべきなのだろうか?

「どれ、ならばこの爺様が手伝おうじゃないか、何が欲しいのか言ってみなさい」


「アルーンという共和国人が欲しいのです」

「ほむ、そのアルーンという共和国人をなぜ欲しいのじゃ?」

「単刀直入に申しますと、好きだからです!」

「ほう、そんなに好きなのか?」

皇帝グリゴリーの目が、鋭くなった。

「はい、そんなに好きなのです!」

負けじと睨み返したカルディナ。

「ハッハッハ、ならばどんな手を使ってでもものにするべきじゃな!」

「そうしたいのですが…」

「どうしたのじゃ? 失敗でもしたのか?」

しゅんとなっているカルディナ。

「ブレット大佐を遣わしたのですが、作戦に失敗して…」

「そうか…ブレットの奴でもダメじゃったか、ならばワシの軍を使えばよかろう」

そういうと、グリゴリーは兵府を差し出した。

「ダメです、お祖父様、自分の力でやるときめたのですから、お祖父様の力を借りては…」

「そうはいってもの、爺様はお前の力になりたいんじゃよ」

「それでしたら、私に戦略戦術を授けてくれる先生をお願いしますわ」

パッと思いついたカルディナ。

「そうか、それならとびきりの講師をつけてやろう」

ハハハと笑いながら、グリゴリーは約束した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ