始まり
歴史があった、人類が生きていくと同時に歴史は人類と共にあった。
人々は様々な国を興り、戦い、滅びそしてまた興るその繰り返しであった。
その中で二大大国である共和国と帝国が興った、この二つの国はその他の国とは国力が高く、この世界の覇権を巡って争っていた。
帝国の国力は共和国の二倍はあり、共和国は防戦一方で地の利を生かして帝国の侵攻を防ぐとしたことの繰り返しであった。
その争いは「終わらない戦争」とも言われ、どちらかが倒れるまで永遠に続くと思われた。
ある日が来るまでは…、その一日で起きたことにより両大国の戦争は少しの終わりを告げる。
しかし長い戦争が終わりを迎えたが、一年の停戦を経てまた緊張は高まっており、
両国はまた戦乱に包まれようとしていた。
これはその歴史の中の一人の物語である。
海、平和な海
地球のとある港町、釣り人は釣り糸を垂らし、海猫は鳴いている平和な海、人々は平和を謳歌していた。
その中でフードを被った男が、軍艦を見ていた。
「また戦争が始まるな…」
軍艦を見ながらフードを被った男がボソッと呟いた。
この港町では現在、観艦式が行われていた、新型であるマティアス級戦艦と旧式であるアルリオス級戦艦が4隻周りを囲んでいた。
「随分気合の入った観艦式だな、ただの新型戦艦のパフォーマンスにアルリオス級戦艦4隻とは」
フードを被った男が感心している。
「一年振りにお前に会えたってのに、また戦争とは…、共和国と帝国は戦争をやめられないのかね?」
先ほどの呟きを聴いていたのか、それに答える眼鏡の男。
「どちらも不安なんだろう、終わるはずのない戦争が終わったことに驚き、お互いがこの停戦期間のうちに何をしていたのか怖く思っているんだと思う」
軍艦から目を離し眼鏡の男に目を向けて言い放つ。
「あの観艦式がいい例だな、帝国に対して平和の可能性を求めきれず、また戦争があるんじゃないかとビクビクしている… 世が平和になるのはいつなんだろうな…」
眼鏡の男はフードを被った男に一瞥しながら軍艦に目を戻す。
「いつになるかはその時になって見ないとわからないだろうな、ところで新造艦は見にいかないのか? ここじゃ新造艦も良く見えないだろう」
観艦式の新造艦のことを思い出した眼鏡の男はフードを被った男に聞いた。
「あまり見たくはないが、せっかくやっているのだから少し見にいくか」
「おう! 久々に会えたんだ! 美味いもんでも食おうぜ!」
「それも悪くないな」
「それにしたって一年も何やってたんだよ? 俺はお前を探してもうくたくただぜ?」
「まぁ、色々な」
眼鏡の男の言葉を聞いてフードを被った男は観艦式へ足を向けた。
「そろそろ作戦の時間だな」
潜水艦の中で、一人の士官が呟いた。
「はっ、あと20分で作戦開始です」
傍にいた士官が相槌を返す。
「ふむ、各員の準備はどうかな?」
様々な大きさのモニターから映し出される軍艦を見ながら傍にいる士官に聞く。
「ブレット大佐、たった今でも作戦活動に移れます!」
敬礼をしながら威勢良く返事をする士官。
「よろしい、それでは20分後に作戦を開始する、各員現状のまま少し休んでよろしい、
ローランド君、君も少し休め、これは命令だ、作戦を開始したら休む時間はないからな」
ブレットはローランドに対して少し微笑んだ。
「はっ、それでは20分後に…」
潜水艦5隻は着々と港町に向かって行った。
港町では観艦式のため軍港に人が集まっていた。
群衆の中から一人のひときわ目立つ、金髪の少女が男に聞いた。
「随分と人が集まってるけど、みんな観艦式を見にきたの?」
「そうだぜ嬢ちゃん、どうやら共和国が新型の戦艦、マティアスってやつを作ったらしいぜ」
艦を見ていた男は少女を見て言った。
「戦争は終わったんじゃないの? 何でまた新しい艦を作ってるの?」
納得行かない顔で男に問いかける少女。
「あれはあくまで停戦だからな、また戦争が始まるんじゃないか?ってもっぱらの噂さ」
「軍艦を作ってるってことは、また戦争が始まるってことなの?」
少女は艦を見ながら男にさらに質問していく。
「さぁなぁ… 俺は軍人でも政治家でもないから嬢ちゃんのその質問には答えられねぇよ、まぁ俺自身も周りの奴らが言っているように近いうちにおっぱじまるんじゃねぇかって睨んでるよ」
艦を見ている少女に少し困った顔で男は言った。
「ふ~ん、そうなんだ」
少女は納得したようなしてないような顔で男を見て、もう一度艦を見なおしていた。
「お爺様に黙ってでてきちゃったけど、共和国っていってもそんなに私の国と変わらないのね、でも身分の上下がないなんておかしな国よね」
そんな独り言を呟きながら、町を歩き出した少女。
「おばさん、これ頂戴」
「あいよ」
道端で饅頭を買いつつ散策を続けている少女。
「兄様はどうしてあんなに共和国は良いって言っていたのかしら? 選挙?だか投票?だか?があることに何の意味があるの? 国民の権利って何?」
一人饅頭を食べながら新造艦の周りを軽く見終える。
艦は5隻あり、その中でも一つが際立って白く綺麗な色をしていた。
旧式と思われる艦は緑色で無骨な印象が見受けられる。
そのうち一つの白く綺麗な艦が飛行パフォーマンスをしているようだ。
するとそれを乱す黄色い閃光が!
緑色の艦、アルリオス級にビームが刺さったのであった。
「アルリオス2応答せよ!!」
「アルリオス2沈黙!! 各艦!内功バリア緊急展開!!」
多数のミサイルがそこへ飛んできて間一髪バリアに当たる、ボウンボウンっとミサイルの爆発が吸収されるが、破片などが飛んできてあの綺麗だった港町は見る影もなくなっていた。
「なに!? なにが起きたの!?」
少女は今起きた出来事にパニックになっていた。
どこからともなく打たれたビームにより共和国の戦艦が貫かれたのである。
来ている野次馬達は大混乱に陥り、それぞれが逃げ回っている。
そんな中新造艦マティアスの近くにいた女性兵士が
「近くにいる皆さんひとまずこの艦に退避してください! バリアがあるのでこの中なら安全です!」
と叫んでいたので、その艦に避難しようとしたところ、体が動かない、腰が抜けてしまったようだ。
「あぁ、どうしよう」
そう呟いたときに、フードを被った男が現れた。
「大丈夫か?」
そういって、抱え上げられお姫様抱っこされたと思いきや、彼は駆け出した、およそ人が出せないほどの速度で彼は戦艦に向かって跳躍し、避難しようとした艦についたのだ。
そこで少女を下ろすと、他の者たちを助けるであろうために、また恐ろしい速度で他の人を助けにいったのであった。
「大丈夫かい?お嬢ちゃん」
そう眼鏡の男が声をかけてきた。
「えぇ、ゴホッゴホッ」
どうやら煙を吸い込んだらしい、苦しそうにしていると、先ほどのフードの男がやってきて、少女の背中に手を置くと、暖かい気のようなものが体中に染み渡り、
見る見る間に体調がよくなり、咳も出なくなった。
(この気、暖かい…昔兄様もこんな風に気を送ってくれたことがあったな…)
昔の事をふと思い出した少女。
「あとはここにいれば体調も良くなる」
そう言ったフードの男はまた駆け出していった。
「あいつもよくやるな」
眼鏡の男が呟く。
「あいつって?」
「あぁ、あのフードを被った奴はテリー、テリーキャンベルってんだ、ちなみに俺はケネス、ケネス・パーカー」
ケネスも他の人の背中に手を置き、内功により治療しているようだ。
「あたしはリズっていうの」
「そうか、よろしくなリズ! テリー!こっちを頼む!」
どうやらケネスの手に余る怪我人なのだろう。
呼ばれたテリーはすぐにやってきて、内功を施していった、するとどうだろう、苦しそうだった怪我人の表情が和らぎ、症状が安定したようだった。
また瓦礫に埋まった人を助け出してきたテリーは、その人の背後に回り手を添えて気を送り込んで、怪我を治療していた。
「凄い内力…」
あまりの力に感じ入ったリズが呟く。
「大したことじゃない」
聞こえていたようで返事をするテリー。
「いやいや、大したもんだぜほんと、それだけの内力を持った人間はこの世に何十人いるのかね? 一年前よりもさらに強力になってやがるな」
他の怪我人を治しながらケネスが驚く。
「冗談はよせ、俺なんてまだまだだ」
仏頂面をして怪我人を治すことに集中しているテリー。
「それより、どうしてあんなところにいたんだ?」
テリーは治療しながらリズに尋ねた。
「それは…あの…」
勝手に家を出てきたリズは罰が悪そうにしている、すると「むっ…」
気を送り続けた末に、見る見るうちに回復した怪我人は容体が安定したようである。
「いずれにせよ、ここならしばらく安全だろう、状況が落ち着いたらすぐに艦を降りたほうがいい」
テリーはリズに言った。
「ふぅ、こんなところか」
テリーは一息ついてケネスの隣に座った。
「随分内力を消費したんじゃないか?」
ケネスがテリーを心配するが、
「問題ない」
平然とした顔で言い放ったが、少し顔が赤くなっているのを見ると少なからず内力を消費したようだ。
「少しは俺に頼ってくれていいんだぜ?」
ケネスは努めてお茶目に言ったつもりだが、
「そういうわけにもいかないだろう」
少し険しい顔で返されて、それからは何もいえないケネスであった。
戦艦の中、攻撃されて怪我人が多数いるはずなのに、テリーやケネスの治療のお陰で、うめき声などはそう聞こえなかった。
「ありがとぅごぜぇますだ」
感謝の言葉をテリーたちがかけられていると、軍人たちが急にやってきた。
「心苦しいが今から徴兵を始める! 現在この艦では人手が足りず、このままでは座して死を待つことになる! 我こそはと思うものの力を借りたい! どうか宜しく頼む!」
そう頭下げた軍人達であった。
「あまり軍とは関わりたくないが…」
浮かない表情で、呟いたテリーであったが、時すでに遅し、避難民達の視線はテリーとケネスに集中していた。
「仕方がない、ケネス」
「そうだな、テリー」
「俺たちが志願します」
そう二人が言うと、比較的健康な者も立候補しだした。
その中でも、一段と気を引いたのが、少女の立候補であった。
「あたしも立候補します」
この中では女性兵士もいるが、やはり目立った存在であるのは明白であった。
(落ち着いて見てみると、あの目似ている…)
テリーは少女にかつての戦友の面影を見たのであった。
「こちらアルファ1 今から左翼のアルリオス級に攻撃を開始する!」
「こちらベータ2 了解だ、支援する!」
敵ネイオンが3機編成の小隊が5小隊計15機により、左翼のアルリオス級が攻撃を受けた、
バァオゥン!!! 散開したように見せかけた、ネイオン小隊が急接近し、攻撃する、ネイオンの集中奇襲攻撃により、
左翼のアルリオス級の防護が間に合わず、爆発した。
味方のネイオンはそれに反応できず、対応が追いつかなかった。
また一隻のアルリオス級が沈黙したようだ、空にはネイオンと呼ばれる機体が宙を舞っている。
「艦長!こいつら普通の敵じゃありません!!」一人のネイオンパイロットが自分の艦の艦長に通信した。
「戦争が始まったのか!? どうすれば…いやマティアスを守らねば…」
マティアスの隣のアルリオス級艦長が狼狽えている。
このネイオンというものは、全長は約18mほどあるだろうか、スーツというよりロボットに近い代物である。
ネイゴンクリスタルというものを動力源として動いており、人の気、内功を増幅することができる。
人間に近い構造のためロボットより人間により近いが動きができる。
しかしこのネイゴンクリスタルというものもピンキリで、純度が高ければそれだけ、内功増幅できるが、
純度が低ければそれなり、といった仕様である。
この世界でネイオンが主力なのは、大抵の戦車や航空機の攻撃は内功により有効ではないである。
ネイオンを攻撃できるのは内功を乗せた物などでなければならない。
ネイオンはスラスターにより自力航空もできるし、内功の力を使って浮くこともできる。
そのネイオンがマティアスにミサイルを打ってきた!
ボゥン!!どうやらマティアスの内功バリアが起動したらしい、ミサイルの爆発は吸収された。
そんな中お前はあっち、お前はそっち、部署が分けられていく中でリズはなんと!ネイオンのパイロットに配分されていた、
ネイオン経験者として乗せられていた、どうやら自分はネイオンに乗ったことがある!と豪語したらしい。
テリーとケネスは対空砲の部署であった。
軍人たちにそれぞれがレクチャーを受けながら緊急発艦の準備が進められていく。
テリーとケネスは似たようなのをやったことがあると申告し、レクチャーをパスした。
「さてさて、こんなところで死ぬ気はないけど、どうなるかな?」
テリーはそう呟き、対空砲の準備をした。
他の対空砲も起動したのだろう、その順から弾幕を張っているようだ、
「ケネス、そっちはどうだい?」
「あぁ、いいよ、流石は最新鋭艦だ」
最新鋭艦という名に偽りはないのであろう、隣のアルリオス級よりも濃い弾幕がはられていた。
「こっちも、準備ができた、何機落とせるか勝負だな」と気楽な二人であった。
ネイオンも随時発進しだしている、最後の一機などはカタパルトからすらうまく出れない有様であった。
「あの最後の一機が、徴兵された女の子のリズかね?」
ケネスが笑いながらいうとテリーはだろうな、と相槌を打った。
「うわぁぁぁ!!」
戦艦からやっとの思いで出陣した少女、リズはパニックに陥っていた。
カタパルトにもうまく乗れず途中で投げ出されてしまった。
そうしてパニック状態の中通信がきていた、通信を開いてみると、
「お嬢ちゃん大丈夫かい?」
とのケネスの声が、
「ケネス?」と聞くと、「おうよ、それよりもこの艦から離れるなよ、離れなきゃそうそう死にはしないからよ」
そうアドバイスを受けたので、死にたくないから従うことにしたリズ。
アクセルは右で左がブレーキだ、自分が乗ったことのあるネイオンと操作は、そう変わりないことがわかったリズはネイオンを動かし始めた。
「この艦には人間の内功によるバリアが張られるはずだから、その中にいれば多分大丈夫だと思うぜ」
そう言われてみると他のネイオン達もそんなに遠くには行ってないので、おそらく本当のことなのだろうと信じ、艦の近くにいることにしたリズ。
そんな中ミサイルやビームが飛んでくるが、すべてボゥンボゥンという音とともにバリアに吸収されていたのであった。
そしてしばらくすると目の前にアルリオス級の対空砲火をかいくぐった、3体のネイオンが現れた、
先程のアルリオス級を落とした小隊のうちの一つだ、うち2体は別の方向に行き1体がリズの方に向かっていった。
「あれがおそらく敵だ、お嬢ちゃん何でもいいから、盾を構えな!」
そのアドバイス通りに盾を構えると、ビームが飛んできた!
「きゃああああ」自分が死ぬかもしれない怖さで叫んだリズ
「落ち着け!!そこなら当たっても死にゃしないよ」
今度は違う人が通信を開いてきた、テリーだ、
「とにかく敵をこっちに引きつけてくれ、あとはこっちでなんとかする」
そんなこといわれてもどう引き付ければ?と考えているとまたビームが飛んできた!
今度は当たる!!っそう思った瞬間、ビームがバシンと機体に当たったが、さほどの被害はでなかったようだ。
「この艦の内功バリアがそのビームの威力を半減させてくれたんだ、だから艦の近くにいればそうそう死にはしないはずだ」
そうなのか、それならばとリズは敵機を引きつける方法を考えることにしたのだった。
「よーし、いい感じだよっと」ケネスは呟き、スイッチをオンにした。
ババババっと対空砲が火を吹き一体のネイオンを火だるまにしたのである。
「こっちの人は多少わかってくれてるから助かるぜ」そうテリーにいうと、「あれ?テリーお前まだ0なのか?」対空砲のスイッチから手を離している、テリーを見て煽る。
「仕方ないだろう、俺の管轄のネイオンはあの子だ、このままじゃ、何もできずに終わりだろうな」そうぼやくテリーだったが、
「む」急に前のめりになり、スイッチをオンにして対空砲を放った、バン!バン!という音とともに対空砲の弾は敵ネイオンに吸い込まれていったのである。
やっと一機か…、呟くが否や二機目のネイオンが現れた。
その二機目のネイオンはリズが載っているネイオンに近かったため対空砲を放てないでいる。
「嬢ちゃん離れろ!」との叫びと同時に対空砲を放った。
バン! バン! 敵ネイオンに命中し、そのまま敵ネイオンは海に落ちていった。
「その調子だ、嬢ちゃん」
そういうと嬉しそうにしているリズであった。
「敵の位置はわかったのか?」
「はっ、アクティブソナーによりますと、どうやら60度の方位に複数いるようです」
マティアスの艦長が頷く。
「一発でかいのをお見舞いしてやる、内力波動砲準備!」
「了解!」
わかっているオペレーターは操作をしていたが、その場で徴兵されたものはただ見ているしかなかった。
「各ネイオン、アルリオス級は射線上から離れてください!」
「何!?」
マティアスからのアナウンスにリズが驚く、
「何かはわからんが、離れるんだ嬢ちゃん!」
テリーが叫ぶ。
「嬢ちゃんじゃないわ、私にはリズって名前があるの!」
反論しながらマティアスの射線上から離れるリズ、次の瞬間海を青い閃光が走った。
マティアスの主砲である、内力波動砲であった。
その閃光は海の何もないところに着弾したかと思いきや大きな爆発を起こした。
ネイオンが持っているライフルが火を吹き、一体のネイオンを貫いた。
「やっと二機か、敵もまだ来る!」
マティアスに配属されていたパイロット、グウィンは一人気を吐いた。
相手のビームサーベルを避けてこちらのビームサーベルを突き刺した。
「三機目!」
敵ネイオンは沈黙し、海に落ちていった。
マティアスを襲っていた15機のネイオンは10機に満たない数になったところで、急に敵が引いていくのをグウィンは感じた。
「随分と強力な主砲を持つ…、ここまでだな、各ネイオンに撤退信号をだせ」
ブレットは相手の戦艦マティアスのデータが取れたことにより、今回の戦いを終えることにした。
副官ローランドが手際良く撤退信号を射出した。
「流石にそう易々とは捕らえられてはくれんか」
そう呟きながらブレットは自分の部屋に入っていった。
テリーは対空砲を撃ちながら、
「あの信号…、撤退信号か? 敵が下がっていくな…」
そう呟くと、敵ネイオンは全て撤退し、全艦戦闘態勢から厳戒態勢になったのであった。
この世界では人間の気、内功が様々な面で使われる、内功を使えば自分より重いものも持てるし、軽功を使えば風よりも早く走れる。
内功を正しく使えば自分の体を鉄の体並みに硬くすることだってできるのだ。
自分が使う武器に内功をこめれば、その武器を硬くしたり、威力を上げることもできる。
人を治療することもできる、人類の新たな力である。