10「背後からの癒し」
ブクマが三百越えとる…!?
読んでくださっている読者様方に感謝を!
やぁやぁ、灰原時雨だよ。
皆~今日は何の日か知ってるかな?
ヒントは、皆の三年間最後の思い出となる最高の行事、けれどそれは悲しい別れでもある。
そう!卒業式です。
校門前に到着、女子全員の視線が僕に刺さる。
僕を見ながら皆がヒソヒソと何か話している。
耳を傾けてみるとーー
「時雨君だわ!今日もお美しい!!」
「時雨様、卒業式でも堂々たる立ちずまい…美しすぎて私目眩が…」
「時雨きゅんハスハス」
「しぐたん可愛すぎワロタwww」
などなど、おい、美少女の癖して皆何て顔してるんだ、卒業式にしていい顔じゃないよ。
さて、ここで皆さん疑問に思った事だろう。
何故僕がこの場から動かないのか。
ごめんね?捨てるとか言ったけど、ちょっと戻ってこい三十路童貞男。
緊張するううううううううう!!中学校とか言う青春と勉学に励む場所にこれから足を踏み入れなければいけないと思うと、とてもじゃないが精神的にキツい。
灰原時雨としての記憶がある訳だが、そのお陰で人間関係や、それらでは心配する必要性がない…。
それでもだ!いくらなんでも三十路の童貞に女の子しかいない中学の卒業式に行くともなるとハードルが高い訳なのですよ。
僕の横を通る女の子達の目線が痛い…こ、怖い…これ中身三十路童貞ってバレてるんじゃ…?な、なんか震えてきたぞ…。
「はぁ…はぁ」
呼吸も上手く出来ない…喉の奥から何かが出そうだ…気持ち悪くなってきた。
早く、早く行かなきゃ…卒業式が始まっちゃう。
動け、動け、うごーー
「しぃちゃーん!!」
「へ!?」
後ろからガバっと誰かに抱き付かれた。
僕は驚いて変な声を出してしまった。
僕が恐る恐る後ろを見るとーー
「母さん!?」
「えへへ~来ちゃった!」
そう言うと母さんは緩んだ笑みを見せる。
か、可愛い!!
すると、周りがざわつき始める。
「時雨君のお母さん!?」
「時雨様に似て美人ね…」
「時雨きゅんのお母たま…?こ、媚びた方がいいのかな…」
「しぐたん母上マジジャスティス、てかしぐたんに抱き付くとか裏山www」
君らまだ居たんだね…卒業式始まっちゃうよ?
てか、今はそんなことよりーー
「来ちゃったって、仕事は!?」
「大丈夫!言質は取ったから!」
「言質って…僕の卒業式何かより仕事の方をーー」
僕が仕事に戻るようにここは一つ大人として、社会人の重要性を諭してやろうとした瞬間だった。
「しぃちゃん!!」
「っ!?」
いきなり正面に来て、肩を掴まれ、僕の名前を母さんが大声で呼んだ。
僕はついその声にびくっと驚いてしまう。
すると、母さんは僕の目を見詰めて言う。
「しぃちゃん、いい?親にとって子供は宝、いいえ、しぃちゃんは私にとっては世界遺産なの、そんなしぃちゃんの卒業式に母親として行かないなんてきっと神様に怒られるわ!!」
「そ、そこまでーー」
僕が否定しようとした瞬間、周りの女性徒が、うんうん、と強く頷く。
君ら今すごいシッティングオベーションだったね!?僕ってそんなに価値がおありで!?
いや…今は考えるのをやめよう…打ち合わせ済みだと思って今は納得しとこう。
はぁ…ここまで熱い視線を向けられてら流石に会社に戻れなんて言えないよ。
「わかったよ、母さん」
「やったー!」
母さんがニッコリと微笑むと、先程までの気持ち悪さや、恐怖、緊張などは全てが嘘のかの様になくなっていた。
母さんのお陰かな…はは、母さんには敵わないや。
よし、きっと今言わないと後悔する気がする!
僕は母さんに笑顔を向けて言った。
「ありがとう、母さん」
その時、その場に居た女性皆、こう呟いたのだった…。
「天使…」
なるほど、これから僕の笑顔はエンジェルスマイルとでも名付けておこう。
さて、それじゃあ卒業式に行くかな。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
 ̄
side???
朝から良いもの見たなぁ…まさか卒業式の日に灰原君のあんな笑顔を見れるなんて!
一生の宝物だなぁ…でも、なんか灰原君いつもと雰囲気が違った…?前まではあんなほんわかしたオーラじゃなく、凍てつく様なオーラを出してた気がしたんだけど…。
ま、いっか!
さて、卒業式卒業式、まさか卒業式の日がこんなにるんるん気分だとは…もっと悲しいとか寂しいとかあると思ったんだけど、今思ったら私、この中学生活灰原君を目で追っ掛けるばかりで、友人が数人しか居ないんだよねぇ~…恋は盲目…よく言った物ですなぁ~。
そう言えば、卒業式終わったらクラスの皆でパーティーやるとか言ってたっけ?
もしかして…灰原君も来るのかな…?
「って!流石にそれはないよね~」
おい!今更だがタイトルに、出会いに飢えている、とか書いてる癖にあんまり飢えてねぇじゃねぇかおお!?このままタイトル詐欺になったらどうしてくれんだ時雨さんよぉ?←キャラのせいにする奴。
次回もまた読んでくださると嬉しいです、それでは!