僕は 『愛ネコ』とタイムスリップする。
僕の名前は 「ケイタ」今19歳だ。
僕は子供の頃から、『霊能力』を持っていた。そして、僕と子供の頃から
一緒に育った。『愛ネコ』のボルボの力を借りて、僕はタイムスリップが、
出来るようになった。
やり方はこうだ! 足を濡らして、両方の足の裏をくっつける。
そして、愛ネコのボルボの眼を3秒間じっと見つめて、もしくはお互いの
意識を集中させて、どの時代の何月何日に行きたい場所を頭で思い浮かべ
る。
そして強く願う! 『タイムスリップせよ~!!!』
そうすると? 「ガタガタ」大きく揺れるような感覚から? グルグル
回りだす感じに...ふわっと浮いたかと思えば? 「ドーン」と場面が変わ
る感じで、タイムスリップした場所に着く。
『愛ネコ』のボルボは、家の中にいる。元に戻る時は、3日後の同じ時間
に、ボルボと意識を合わせるところから始まる。やり方はほとんど一緒。
最後は...【家に戻れ~】と強く思う事。ボルボも、僕とは幼い時から一緒
だから、無意識に合わせる事が出来るようになっている。
僕と 『愛ネコ』ボルボとのコンビネーションは最高だ! 息ぴったり。
今回行った先は1990年にタイムスリップした。この時代では...?
“スーパーファミコン、キリン一番搾り、ダウンジャケット、チノパンツ”
ショートパンツが流行だったらしい。
それに、アッシーくんやおやじギャルもたくさんいた。
僕も、この時代に合った髪型やファッションをした。決して! 他の人
にバレないように......。
最低、3日間は、元の世界には帰れない。この時代に来たのも、【調査】
のためだ! 取りあえずは、泊まる場所を探そう。
この3日間は、この時代の様子を見るために来ている。何か起きていない
か確認したり調査をしている。何か? この時代で起きていたら? 未来
にも影響するからだ! その調査の為に、この時代を選んだのだから。
所謂、僕は 【時代を超えたパトロール隊】といったところだな!
まぁ、何をする訳でもない。見回りやこの時代のニュースやテレビの情報
を見たりするだけだから。
3日間のうちの2日間は、この時代の情報収集で終わった。残りの1日...
どうしようか? 考えていると......?
この時代の両親に会いたいとふと? 思ってしまった。
1990年だと? 父親と母親が結婚して、僕がお腹にいる頃だろう?
両親はこの時代では、どんな感じだったのかな?
探して見に行ってみよう。情報は、未来の2人から、聞いていたから、
直ぐにわかった。
~~~
...そして、会いに行くと...?
僕とほとんど、年齢が変わらない両親だ。やっぱり若いな? 母親のお
腹の中には僕が? やっぱり僕は 『母親似』なんだな? でも若い時の
父親にも似てる。
会ったら? バレるんじゃないかって思うほど...? めちゃめちゃ似て
るから、僕は遠くから見ているだけのつもりだった。
だけど? 実際の運命にない事が起きてしまった。母親が倒れてしまっ
た。僕の目の前で...僕は焦って、母親に近寄り、 「大丈夫ですか?」
って声をかけてしまった。そして、救急車を呼んでそのまま母親は運ばれ
ていった。
僕はこれ以上は、関わってはいけないと思い、その場から離れた。
何故なら? 『運命』が変わってしまうから。
僕が産まれてこなくなる。それは困るし。僕は大人しく泊っている
ホテルに戻った。残り数時間だし、ゆっくりしていようと......?
...なのに、僕の泊っているホテルに連絡が入る。
「すみません。ホテルの者ですが、今日、女性を助けられましたか?」
と言われて、僕はびっくりした。
何故? バレたんだと...? 直ぐに病院に来てほしいと言われた。
僕は取りあえず、病院に向かった。その時に気づいた! そう言えば?
ズボンのポケットに 【学生証】が入っていたはずなのに無い。だから?
バレたのか? 仕方がない! 今は病院に行くしかない。
それに、母親の体も心配だし。病院に着くと? 父親やお爺ちゃん、
お婆ちゃん、親戚が何人かいた。僕は流石にこの中に入っていく勇気も
なく。
少し離れたところで見ていると? 僕に気づいた人がいて、それが叔父
さんだ。僕の背中をポンポンと叩いて、
「こっちに来て!」
「はい」
どんどん、ややこしい事になってきている。今1番に考えなくてはいけ
ないのは、母親の体の心配だ!
待合室の前で、若い父親が僕にこう言った。
「君が? 妻を助けてくれた人なのか? 本当にありがとう。」
「あぁ そんな? 別にたいした事してないし...。」
「もう少し、遅かったら? 母体も赤ちゃんも危なかったって!」
「そうなんですか?」
「今は、大丈夫! 安静にしてればよくなるらしい。」
「良かった」
「本当にありがとう」
「は、はい」
「僕は、用事があるのでここで!」
「うん。 しかし...? 君は何処かで僕と会った事がないかい?」
「えぇ!? ないですよ」
「そうか! 何か、他人じゃないみたいな? 不思議な感覚でね?」
「そうなんですか」
「ごめんね。 用事があるのに、呼び止めて!」
「いえ」
最後のこの時代での会話だった。しかも...? 父親と。
この話を、今でもする事がある。勿論、僕も母親も無事だし。今では、
思い出話になっている。
父親の口癖は...... 『母さんが入院した時に、お前とそっくりの
奴がいたんだ。本当にそっくりなんだよ~』
僕もボルボも、普通に知らないフリをしているがあの時は? 本当に
焦った。『運命』が変わっていたら? 僕は今頃、産まれてきていない
かもしれない!?
最後までお読みいただきありがとうございました。