表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
朽ちて行く果  作者: ぐり
1/3

エピソード1

他のブログで発表した作品です。

家のドビラ開くと、色んな物の匂いが入り混じっている。


 悪臭と言っても良いような匂い。これは、長年の私の恨みが発しているのかも知れないと思った。


 長男と嫁としてこの家に嫁いで着た。舅は無口な人だった。毒にも薬にもならないタイプ。


 だから、嫌いではなかった。


 姑は素直な人。ただ、その素直さが気に入らなかった。なんでも思った事を口に出さずには居られないタイプの人間。


 「私は、悪気のない人間なんだよ。友達もみんな私の事を正直で裏がない人だって言うんだよ」

 多少、自分の口が過ぎるのを分っていたのか、元気な頃は良くそう行っていた。


 結婚当初、共働きで子供の世話は姑に頼らざるを得なかった。その頃の姑の口癖は。


 「まったく、孫飼うなら犬飼えってのは、良く言ったもんだよね。昔の人は賢かったよ。孫の面倒なんてみるもんじゃない」


 「うちの、嫁は会社では、よく貰い手が見つかって、嫁に行けたって驚かれたらしいよ。家の息子は貧乏くじを引いたんだよ」


 「嫁の親は、障害者なんだよ。それで嫁も目立たないけど、少し腕の動きが悪いんだよ。」


 「碌な親に育てられてないから、常識を知らなくて、とてもじゃないけど、他所様の前になんてだせない」


 等々の言葉を、私や子供をふくめ、まわりじゅうに言っていた。


 「悪気は無い」と言われても、言われている方は、それで済む筈は無い。

 私が何もする必要も無く、子供達は、姑から離れて行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ