9/12
ソウテイ掻痒
「その奥で今すぐ服を脱げッ、今すぐにだ。」
目的が分かって少しガッカリした。
なんだ、ただの強姦目的か。面白くもない。
「残念だけれど、君の期待に沿うことはできないよ。」
そう言い終わる前に、私は男の鳩尾に膝を叩き込んだ後、
延髄に打撃を与え男を昏倒させた。
胸ポケットには薬の在庫が在ったけども
使わなかった。単純に勿体ないからだよ。結構値が張るからね。
携帯端末を手に取って輸送係の人に電話をかける。
「はい、どうも先週は。いえいえ、今日はですね十代後半の男を一人、
いつもの事務所にお願いします。
場所は今そちらに送りました。それでは。」
私はその小路を後にした。
あの男はこの事を、一生悔いることになるだろう。
もっとも、その一生もあと何日有るかは、私の気分次第だけれど。