ケンゲキ鋭感
まずは全員牌を開けて理牌開始、
これには随分と個人のクセが出る。
Kは揃えずに頭の中で把握するタイプだ。
その方が手の内を察されにくいし。
カナとミサキは手元で牌を並べ替えている。
一番オーソドックスなタイプだろう。
私はというと、おそらくKと同じ感じだろう。
ただKが言うにはめんどくさい事この上ない、らしい。
そんなつもりはないのだけれどね。
何はともあれ東一局が始まった。
意外なことに二巡目、Kの二筒に対してカナがロン。
「タンヤオ一盃口ドラ3、満貫です」カナがそう言った。
配牌時、よほど運が良かったらしい。
Kは苦笑いしながら点棒を渡す。
これだけならたまに有ることだが、何とカナはこの東場、
自分の親場を除き、全て五巡目以内に和了った。少し驚いた。
Kと私は厳しく見ているからイカサマなんて事は一切ない。
となると単純に天運があるのかな。
そんなことを考えているうち、南場が始まる。
今度はミサキがやたらツイていた。
安手ながら三連荘、いずれも早かった。
結局奇妙な感じのまま半荘は終了し、
トップはカナ、続いて私、僅差でミサキそしてKだった。
Kはやれやれと肩をすくめた。
「こうも神様にそっぽ向かれちゃ話になんねぇな、まったく」
「負け惜しみかい?まぁ、確かに若干不運だったかもしれないがね」
その後しばらく四人で卓を囲みながら話した。
席代はK持ちだし、私としては何ら気にする所ではなかった。
ご意見・ご感想お待ちしております。
わからない用語があったら、
コメント欄にてお尋ね下さい。