ケンカイ前哨
雀荘に着くと、Kが予定通りそこにいた。
後輩らしき女の子は二人ともなかなかの美人。
一人目は、痩せ型なのに主張すべきところはちゃんと出ているし、
二人目は、やや低めの身長ながら、整った目鼻立ちに艶のある黒髪。
間違いなく男の目を引く容姿だろう。
そこでKが私に気付いた。
「よぉ、意外と早かったじゃん」
「そうかい?普通に歩いてきたつもりだけど」
「まぁ、そんだけ長い脚してりゃァ当然か」
「お褒めに頂き光栄だよ」
「その割に全然光栄そうじゃねぇな、まったく」
やれやれとKが息を吐く。
「ほら、いい加減中へ入ろうじゃないか。
あまり女を待たすもんじゃない」
「普通自分で言うかァ?」
「別に私のことではないよ。後ろの可愛いお二人さんのためさ」
私が一瞥すると、彼は笑って首をすくめた。
「はは、可愛いってのは間違いねぇわな」
「だろうね。ところで一体どうしたんだい?
まさかただの後輩って訳じゃあないだろう、仕事かい?」
「まったくお前にゃ敵わねぇな。その通りだよ。
まぁ、続きは入ってからにしようぜ」
そう言って彼は階段を上っていった。
私と「後輩」は思わず目を合わせ笑い声を上げた。
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