セキライ白性
鍵を鍵穴に差し込む。ディンプルキー独特の金属擦過音が鳴る。
いつもの様にひねるといつもの様な感触と音がして、
いつもの様に開いた。ドア付近のセンサーが反応して、
昼白色の蛍光灯が空間を照らす。
玄関フロアを抜けてすぐの部屋、その鉄扉の前に立った。
さっきの滑稽な強姦(あれは未遂っていうのかな?)男はこの中だ。
この部屋は大体八畳くらい。打ちっぱなしのコンクリートだから、
床も壁も一面黒灰色、調度品の類もほとんどない。
理由は単純、汚れるから。血とかいろんな油類とか、勿論男の体液でも。
そうだ、ちょっとこの場を借りて言わせてもらおうか。
いわゆるその体液について。
よく白い液や白濁なんて言葉を耳にするけど、少し大雑把過ぎる。
もっと多彩なカラーバリエーションに富んでいるさ。
溜まってた時はやや黄みがかったゼリー状、
二日前くらいの時は半透明乳白色のピューレ状、
直後だったらほぼ透明の粘液状だろうね。
私が一番好きなのは赤色なんだけど。
あの丸い塊が段々と形を変えていくのを見るのが一番の…―、Oops!
閑話休題。
実際近くで見てれば分かりそうなものだよ。違うかい?男性諸君。
それとも胸や下腹部にかけたりするのに必死でそんな余裕はないかい?
あと言いたいのは、髪にかけんなッ、ってことかな
結構どころじゃないくらい厄介なんだよ、アレ。
液はタンパク質だからお湯で固まっちゃうし、キューティクル痛むから。
おっと、話が長くなってしまった。
でも人間好きな事を語る時は、
少しばかり饒舌になってしまうものだよ。ご容赦いただきたいね。
ご意見・ご感想あればよろしくお願い致します。