チュウカ回打
とりあえず一話目。
木曜日の昼下がり、私は通りを歩いていた。
ふと路地裏の猫に目を向けた時、
鞄の中の携帯端末がけたたましい音を立てて私を呼んだ。
電話、男友達のKからの着信だ。
3秒ほど画面を見つめた後、通話のスイッチを入れた。
「要件は?」
「いま後輩たちと3人でいるんだけど、このあと空いてる?」
「空いてはいるが、何か用事でも?」
「メンツが足りねぇんだ。暇だったら来てくれねぇか?」
「なんだ、4Pでもするのか?だが、男3に女1は少々キツくないかな?」
「ちげぇよ!何の心配してんだよ。それに後輩は2人とも女だぜ」
「そうか。女3男1なら余裕でやれるな。だがお前体力持つか?」
「任せろ、こう見えて体力には自信がある。って、そうじゃねぇんだよ!
どんだけ4P引っ張るんだよ!」
「でも、メンツが合わないって複数プレイ以外に何かあるか?ないだろ」
「欲求不満すぎだろお前!アレだよ、麻雀だよ麻雀」
「なんだ麻雀か。それならそうと最初から言えばいいものを」
「お前が言うなよ!」
「だから最初に聞いたろ、要件は?って。
その時に言わなかったお前が悪い。全部悪い」
「どんなんだよ…。まぁいい、今どこにいる?」
「駅前の大通りだ。西口の側の」
「それなら丁度良いじゃねぇか。あの、裏通りの雀荘まで来れるか?」
「勿論さ。5分とかからないよ」
「じゃあ決まりだ。そこで待ってるから」そう言って電話は切れた。
まぁ、別にこれといった用事もないし、暇潰しには丁度良いか。
そう思って、私は大通りを後にした。
さて、今晩は何を食べようか。
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