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Hunter and Smith Online  作者: 栗木下
第Ⅹ章『電子の女帝』と『D』

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241:???-1

『第Ⅹ章『電子の女帝』と『D』』の開幕です。

 ハンゴンハクザクの肉体が完全に消え去ったところで徐々に真っ黒な噴煙も火山の熱も薄れていく。

 そして周囲が白い光に包まれると共に何処からともなく声が聞こえてくる。


『闇の灯を司るハンゴンハクザクは貴方たちの手によって討たれ、世界を覆う闇の力はその勢いを大きく削がれる事となりました。』

『だが世界には未だに魔の者達が蔓延っている。』

『だから、君たちが望むのならばこの世界はいつでも君たちを招き入れよう。』

 設定的にはプレイヤーたちをこの世界に召喚した神々の声と言ったところなのだろう。


『ただ、今は素直にこう言わせてもらおう。』

『『『世界を救ってくれてありがとう!』』』

 そしてスタッフロールが俺たちの前で流れ始める。

 が、ぶっちゃけスタッフロールとかハンゴンハクザクを倒した感動とかよりもだ。


「ゲームクリアだああぁぁ!」

「25種討伐キタアアァァ!」

「これで帰れるぞおおおぉぉ!!」

 25種類のボス討伐による帰還用ゲート起動の方がプレイヤーたちには嬉しいようである。

 ただなぁ……


「どうしたんですか?ヤタ。」

「ミカヅキか。」

 ミカヅキが悩ましい顔をしている俺に声をかけてくる。

 まあ、折角のゲームクリアなのにこんな顔をしていれば心配の一つもされるか。


「いやな、25種討伐で帰還用のゲートが開かれて嬉しいのは分かるんだが……」

「だが?」

「最終イベントの内容が正直言って不安過ぎる。」

「あー……」

 俺の言葉にミカヅキが確かにと言った様子の顔をする。

 実際問題、あの『電子の女帝』だからな。普通のプレイヤーにしてみればどんな無理難題が飛んでくるかも分からないだろうし、そもそも何故俺たちをゲームの中に閉じ込めたのかも分からないだろうしな。


「実際の所、どういう最終イベントが来るんでしょうね?」

「さあな?」

 俺はミカヅキの言葉に全く予想が付かないと言う顔をする。

 が、これは嘘だ。

 実際にはあのハンゴンハクザクを操っていた少女が何かしらの形で関わってくるのではないかと思っているし、あの少女の気性を考えれば何かしらの形で戦いが起きるのも想像に難くない。

 ただ、あの少女の事は『電子の女帝』に口止めされているし、正直な所話しても信じてもらえないだろう。

 と言うわけでミカヅキには悪いが黙らせてもらう。


「と、もうすぐスタッフロールが終わりそうですね。」

「だな。」

 俺たちの前でスタッフロールの方でも最後に流れるような部分が流れ始める。

 どうでもいいがこのスタッフロールは初討伐時限定の奴なんだろうな。

 ハンゴンハクザクを倒すたびに毎回流れるとかウザすぎる。


「終わったな。」

「ですね。」

 そしてスタッフロールが最後の『To Be Continued』で終わり、周囲の白い光が無くなる代わりにインスタントエリアの中心に光の輪が現れる。

 行き先が王都ミナカタか、廃棄港ワタイドかは分からないが恐らくは近場の街にまで転移させる転移ゲートだろう。


「よっしゃあ一番乗りだあぁ!」

「いやっふうううぅぅぅ!!」

 プレイヤーたちが喜びの表情と共に次々にゲートの中へと入って行く。


「では行きましょうか。」

「だな。」

 そして俺たちもそんなプレイヤーたちの表情に多少苦笑しつつも転移ゲートの中へと入って行き、白い光に包まれた。


『ボス25種の討伐を確認。只今より最終イベントへと移行いたします。』

 『電子の女帝』の言葉と共に。



------------------



「ここは……?」

 目を開けるとそこは王都ミナカタの神殿でも廃棄港ワタイドの神殿でも無かった。


「……。」

 そこは中を液体の様な物で満たされたシリンダー状の物体が何列も並んでいて、どうやら俺もそのシリンダーの一本の中に居るらしい。

 何となくだが以前見た事があるような気もする場所である。


「っつ、ゲホゲホっ……」

 と、ここでゆっくりと俺が入っているシリンダーの中の液体が抜け、完全に抜けきったところでシリンダーが開かれて外に出れるようになる。

 液体が気管に入ったために多少咽たが、まあそれはどうでもいい事だろう。


「にしてもここは何処なんだ?」

 俺は身体の調子や身に着けているものを確かめつつ周囲の状況を探っていく。


「うーん……」

 で、調べた結果として身体の調子や身に着けているものからいけばここはまだHASO……と言うかゲームの中っぽい。

 が、周囲のシリンダーの重厚感や液体の感触、それに嗅覚や聴覚などの五感から伝わってくる情報としてはここが現実であると俺に教えてくる。

 と言うかだ。

 俺の記憶が確かなら『電子の女帝』はこれから最終イベントを開始するとか言っていたはずなのだが、なぜ俺一人だけこんな場所に飛ばされたのかが本気で分からない。

 あれか?またバグか?早い所修正してくれ。


「とりあえず歩き回って見るか。」

 でまあ、一通り頭の中で『電子の女帝』に対して色々とぶっちゃけた所でとりあえずこの場所を歩き回って情報を集めることにした。

 ここで黙って待っていても状況がよくなるとは思えないしな。

 そして俺が移動し始めようとしたところで、


「ん?アバター起動してんじゃん。もー、管理はしっかりしてよね。」

 何処からともなく女性が現れた。

なお、この先はSF(=すんごいファンタジー)の領域となりますゆえ、ヤバいと感じられたら回れ右をお願いします。


01/14誤字訂正

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