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Hunter and Smith Online  作者: 栗木下
第8章:黒狼騎士と樹巨人

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225/249

225:VS樹巨人-2

平常運行ゆえに2話更新。

と言うわけで本日2話目です。

「ーーーーーー!」

 空から無数の熟し切った果実が俺たちに向かって落下してくる。


「【ブラストス……」

「【アイスブレ……」

「防ぎます!【無機化:ストーンゴーレム】【カバーリング】!」

 それに対して俺とブルースカイさんが撃ち落とそうと反応するが、その前にアステロイドが二つの祝福を発動して防御力を上げた上で俺たちを果実の雨から庇えるようにする。


「ぐっ……!?」

 果実の雨を受け止めるアステロイドの顔が単純なダメージ以外の苦痛によって歪む。

 どうやらこの果実の雨は単純なダメージだけでなく様々な状態異常が発生するらしい。


「ヤタ!」

「分かってる!【ダークヒールⅢ】!」

 俺はそんなアステロイドの様子を見て急いでHPを回復させる。

 ただ、【ダークヒールⅢ】ではHPしか回復できないので、状態異常は後で別に治さなければいけない。


「早いところこの雨を攻撃で止めるニャ!」

「口の中を狙ってください!微かに弱点が見えました!」

「はい!【ライトショットⅢ】!」

「ーーーーーーー!?」

 そして俺が回復を行うのと同時にミカヅキが≪急所看破≫のスキルによって樹巨人の口の中に弱点を見つけ出し、ハレーがそこへ光り輝く弾丸を撃ち込む。

 すると果実の雨が止むと同時に樹巨人は一度上体を大きく逸らし、続けて周囲に大きな揺れを与えながらエリアの端に口の中の弱点、球体の様な物が付いた舌を晒す。


「ウグア……」

「行け!こっちは任せろ!【リフレッシュ】!」

「分かっています!」

 俺は魅了+狂戦士と言う味方を切り殺す気しかない状態になったアステロイドの攻撃をメイスで弾きながらミカヅキたちに樹巨人への攻撃を促し、ミカヅキたちも俺の意図を読み取って駆け出す。

 そしてミカヅキたちが向かったところで俺の【リフレッシュ】が発動してアステロイドのHPを回復させるとともに正気に戻す。


「ーーーーーーーーーーー!!」

「くっ……」

 と、ここで樹巨人が咆哮の様な物を上げながらゆっくりと立ち上がる。

 ミカヅキたちの様子を見る限りそれなりにダメージを与えたようだが、樹巨人の巨体を考えるとまだまだ先は長そうである。

 だが、これで弱点は分かった。後はどっちが先に倒れるかだ。



---------------------



「ーーーーーーーーーー!!」

「まだ終わらないんですか!」

「ニャー!どれだけタフなんだニャ!」

 ミカヅキとフェルミオが愚痴りながらも樹巨人の膝裏に攻撃してダメージを蓄積させていく。

 一度目のダウンを取った後、俺たちは踏みつけ後の脚に攻撃してダメージを蓄積させるか、果実降らしの際に口の中に向かってハレーが攻撃してダウンを取った後に弱点である舌の急所に全員で攻撃すると言う戦術を取っていた。

 だが、既に数度のダウンを取り、その度に変身系祝福も絡めて全員で攻撃をしているのだが、それでも樹巨人のHPはまだ尽きていない。

 なお、脚を掴んでよじ登ったり、【竜人化:スノクワイバーン】で飛んで接近できるかなどを試したが、一定のラインで見えない壁の様な物が張られていてそれ以上の接近が出来なかったと言っておく。


「ボオォーーーーーーー!」

「また、面倒なのが……」

 と、ここで樹巨人が口から数個の種を吐き出し、地上に落ちたそれは樹海の中にも居たセウローパーと言うモンスターに変身する。

 セウローパーは種の部分から先端の尖った触手を何本も生やしていて、それでこちらを突き刺そうとしてくるモンスターであり、樹海の中に出現するモンスターの中でもその見た目に加えてバインドと言う移動が出来なくなる状態異常を使ってくるために嫌われているモンスターである。


「対応する……。」

 ブルースカイさんが一言そう言うとセウローパーの一体に駆け寄り、槍で突き刺して攻撃し、他のメンバーも自分の近くに現れたセウローパーを急いで処理する。

 HPや防御力は樹海のモンスターの中でも低い方なので、さして時間もかからずに倒しきれるだろう。

 と言うか、セウローパーがバインドで動きを止めた所に樹巨人の攻撃とか鬼過ぎるだろうがHASOスタッフよ……。


「ーーーーーーーーーーーー!」

「薙ぎ払い来ます!」

 と、ここで樹巨人が再び動き出し、ハレーの言うとおりに腕を使った薙ぎ払いの動作を見せ、俺たちはその攻撃先を先読みして急いで逃げ始める。


「ぐっ……【ダークキュアⅡ】!」

 だが、セウローパーへの対応でばらけていた為に俺たちは完全には樹巨人の攻撃を避けきれず、巻き上げられた砂礫と突風でダメージを受けてしまう。

 そのため俺は【ダークキュアⅡ】を使って急いで回復する。


「ヤタ!BPの残りは!?」

「結構拙い!【プライトゥゴッド】!」

 俺は自分の残りBPの量とBPを回復する手段を思い起こし、少しでもBPを回復するために【プライトゥゴッド】を発動して祈りのポーズに入ることでBPを急速に回復させる。

 いつの間にやら回復役である俺のBPが尽きるのはこの上なく拙いので、せめて果実の雨対策で【リフレッシュ】を含めた回復系祝福を何回か連打出来る程度のBPは常に確保しておきたい。


「ーーーーーーーーーーーー!!」

「また来ますぅ!」

 アステロイドの叫びと共に今度は樹巨人の脚が振り上げられるのを≪嗅覚識別≫で感じる。

 狙いは……俺か!


「ヤタ!」

「くそっ!」

 俺は急いで祈りのポーズを解除して≪四足機動≫でその場を離れる。

 そして俺が離れたところで叩きつけられる樹巨人の脚。

 最初に比べて明らかに攻撃の間隔が短くなっているのは恐らく樹巨人のHPがそれだけ減ってきているためだろう。


「反撃します!」

 だが、踏みつけ攻撃は同時に攻撃のチャンスでもあるため、俺を含めた全員が一斉に樹巨人の膝裏を攻撃し、その攻撃の衝撃で樹巨人の脚が砕けて頭がエリアの端に落ちて来て弱点が晒される。


「【ダークスイングⅢ】!」「【アクアスラッシュⅢ】だニャ!」「【ライトショットⅢ】!」「【アイススラストⅢ】」「【フルスイング】!」

 そしてミカヅキたちが一斉に祝福を発動して樹巨人の舌に攻撃する。

 だが樹巨人のHPを削りきれずに樹巨人は再び立ち上がろうとする。

 全員の消耗具合を考えるとそろそろ厳しい頃合いだろう。

 となれば最早回復の事よりも攻めの事を考えるべきで、そうなれば出来れば秘密にしておきたかったがアレを使うべきだろう。


「【鬼人化:センケンジンキ】!」

「ヤタ!?」

 俺が祝福の名前を宣言すると同時に魔鎚・黒潰丸が霧状に変化して消失し、全身に黒い甲冑を纏う。

 ただ、その甲冑は頭の部分から2本の角が生え、センケンジンキの物と違って全体的に鋭角的なフォルムになっている。


「ーーーーーーー……」

「……。」

 ゆっくりと樹巨人が立ちあがっていく中で俺は左手を前に出し、その左手に添える様に右手を出す。


「【バリアブルアームズ・弓】」

 そして祝福の名を宣言すると同時に左手の部分に霧が集まって弓の形になり、同時に右手の部分にも霧が集まって一本の黒い矢が形成される。


「……。【ダークショットⅢ】【ロングエッジ】【ブレスハント】」

 そこから俺は弓に矢をつがえ、矢に祝福を施したところで限界まで弦を引き絞って樹巨人の口の中に狙いを絞る。


「疾っ!」

「!?」

 そして放たれた矢と言うよりは黒い矢状の何かは樹巨人の口の中に入り、樹巨人の舌の上にある弱点を貫くとそのまま貫通して樹巨人の後頭部から天に向かって突き抜けていく。


「……。」

 インスタントエリア全体が静寂に包まれ、やがて樹巨人の身体がゆっくりと仰向きに倒れていき、轟音と地響きを立てた後に消え去った。


△△△△△

取得アイテム(ヤタ)

ガーディノキアの木片×6

ガーディノキアの枝×5

ガーディノキアの果実×3

ガーディノキアの葉×2

ガーディノキアの根×1

▽▽▽▽▽


△△△△△

Name:ヤタ


Skill:≪メイスマスタリー≫Lv.42 ≪メイス職人≫Lv.41 ≪四足機動≫Lv.41 ≪噛みつき≫Lv.40 ≪嗅覚識別≫Lv.42 ≪闇属性適性≫Lv.40 ≪鉄の胃袋≫Lv.39 ≪BP自然回復≫Lv.35 ≪大声≫Lv.37 ≪両手持ち≫Lv.27 ≪装備変更≫Lv.25 ≪投擲≫Lv.40


控え:≪酒職人≫Lv.29 ≪器用強化≫Lv.35 ≪握力強化≫Lv.36 ≪筋力強化≫Lv.36 ≪嗅覚強化≫Lv.35 ≪方向感覚≫Lv.35 ≪蹴り≫Lv.39 ≪掴み≫Lv.41

▽▽▽▽▽

次回からは新章ですよー


01/04少し改稿

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