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Hunter and Smith Online  作者: 栗木下
第8章:黒狼騎士と樹巨人

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209/249

209:VS1号-1

 今回のボス戦のインスタントエリアは高さ10m程、横100m程の広い直方体状の空間に等間隔で階段付きの石の柱が何本も立っている場所だった。


「生命反応感知。」

 と、広間の先の方からボーカロイドの様な音声を放つそれが独特の風切音と共に飛んでくる。


「IDを確認……該当者なし。侵入者と判断。警告を発します。」

 それは殺人機械2号と同じ球体を中心に持ち、そこからモノアイが付けられたⅠと書かれた頭、2組のプロペラが付けられた軸、2本の太い腕、穴の開いた筒を何本も束ねた物を先端に取り付けた尻尾を持っていた。


「警告。10秒以内に立ち去らなければ攻撃を開始します。」

 仮称……と言うか今までの流れからしてコイツが殺人機械1号なのは明らかなのでそう呼ぶが、殺人機械1号は2本の腕の掌から両刃の斧をそれぞれ1本ずつ取り出して構える。


「10……9……8……7……ガガガピピ」

 と、ここで殺人機械1号がカウントダウンを開始するが、途中で音声に乱れが生じる。

 うん。何と言うかすごーく嫌な予感がするな。


「エラー発生。エラー発生。ジェノサイドモードに移行します。職員は至急避難してください。繰り返します……」

 おいいいぃぃぃ!?やっぱりか!!

 この手の警備ロボではお決まりと言えばお決まりだけどさ!


「……さい。ヒャア!がまんできねぇ!0だ!!」

 そして殺人機械1号がモノアイを激しく点滅させながら襲い掛かってきた。



-----------------



「ビイイ……」

「「!?」」

「ニャ!?」

「【カバーリング】!」

「ちっ!」

 戦闘開始と同時に殺人機械1号がモノアイを一瞬輝かせたのを見て俺はフェルミオを手近な柱の陰に向かって投げつつ別の柱の陰に向かって跳ぶ。

 そして俺が飛ぶのと同時にアステロイドが【カバーリング】を使ってハレーを保護し、ミカヅキがその姿をくらませる。


「ィィム!!」

 そうして俺たちがそれぞれに行動しきった直後に殺人機械1号がモノアイから放たれた光線を俺たちが最初に居た場所を薙ぎ払うように横へ一閃。

 直後に光線が当たった場所で大爆発が起きてハレーとアステロイドの姿が見えなくなる。


「フェルミオ!」

「分かっているのニャ!」

「!?」

 その爆発の煙が治まる前に殺人機械1号近くの柱の階段を駆け上がってミカヅキとフェルミオが攻撃を当てる。

 が、多少よろめいた程度でそこまでの効果は無いようだ。


「と、大丈夫かアステロイド!?」

「ぐっ……良い威力の攻撃です……」

「くうっ……」

 俺はアステロイドとハレー二人の様子を見て二人ともダメージを受けていると判断し、【ダークキュアⅡ】を発動して回復させる。

 どうやら先程のビームには【カバーリング】を外す何かも含まれているらしい。


「お返しだー!」

「くっ!」

「ニャ!?」

 と、ここで殺人機械1号が反撃として両手に持った斧を二人にそれぞれ一本ずつ回転させた状態で投げつける。


「ミカヅキ!?フェルミオ!?」

「大丈夫です!」

「問題ないニャ!」

 俺の声に二人の返事が返ってくる。どうやら二人とも柱の陰に隠れる事で回避したらしい。


「お返しです!【ライトショットⅡ】!」

「ガガ!?」

 と、ハレーが地上から殺人機械1号に向かって弾を発射し、着弾したそれは大量の光を撒き散らしながら殺人機械1号の高度が大きく落ちるほどのダメージを与える。


「チャンスだ!【サンダースイングⅡ】!」

「【ダークスイングⅡ】!」

「【アクアスタンス】【スクリュースラッシュ】!」

「ガガガピピ!?」

 そして、攻撃を終えたハレーがアステロイドと一緒に手近な柱の陰に隠れると同時に俺、ミカヅキ、フェルミオの三人が飛び出してそれぞれに祝福も絡めた連続攻撃を地面付近まで落ちてきた殺人機械1号に叩き込む。


「ブチ切れた―!」

「「「!?」」」

 だが、ここで殺人機械1号が不穏なワードを発したために俺たちは全員近くの柱の陰へと駆けこむ。


「死ねえええぇぇぇ!!」

 殺人機械1号が2つ有るプロペラの片方だけを回転させ、その反作用を利用して本体を回転させた状態で飛び上がる。

 そしてそのまま両腕から無数の斧を無造作に投射すると共にモノアイからはビームを、それらの攻撃が届かない自らの下には尻尾の先……と言うかガトリング銃から無数の弾丸を放って攻撃しつつ天井付近まで飛び上がっていく。


「って、うおう!?」

 と、ここでビームによって無数の爆発が周囲で起き、斧が嵐の様に飛び交う中で一本の斧が大きく弧を描いて柱の陰に居た俺に向かって飛んできたために俺は刃の部分をしゃがんで避けると持ち手の部分を掴んでその動きを止め、アイテムポーチに収納する。

 ああうん。パクれるんですか。これ。


「落ち着いたー」

 と、ここで殺人機械1号の攻撃が気の抜けた音声と共に止み、再び索敵を開始し始めたのがローター音と匂いの位置から分かった。

 時折銃声や破砕音が聞こえるのはガトリング銃や斧による威嚇攻撃のためだろう。


「……。」

 さて、ここからどうするか。

 開幕はビーム攻撃。反撃は斧投げ。推測だが通常攻撃はガトリング銃や斧による攻撃。

 そして攻撃を受けると高度が下がり、地面に着いてからしばらくすると猛反撃と共に天井付近まで舞い戻る。

 ある程度高度を落とすまではハレーの攻撃に頼ってもいいが、あの猛反撃を考えると出来る限り少ない手数で倒すべきではあるな。

 となればだ。


「『ミカヅキ!フェルミオ!アステロイド!ハレー!全員無事か!』」

 俺は≪大声≫を使って他の4人に呼びかける。


「『次に地上まで来たところで一気に攻め落とすぞ!』」

 作戦を練れるほどの時間は無い。

 となればこういう簡単な指示だけ出しておいて、それぞれがそれぞれに出せる最大火力をタイミングを合わせて一気に出せばいいだろう。


「見つけたー!」

「ちっ!来いっ!!」

 そして、≪大声≫を使ったことで俺は自分の位置を殺人機械1号に知られ、尻尾の先のガトリング銃を向けられたところで戦況は動き始める。

ヒャア!後半に続くぜ!


2/27誤字訂正

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― 新着の感想 ―
パクれるんですかこれ←そんなサラッとできるのお前くらいだよ
[一言] 機械すら狂う……やはりゲッ○ー線は危険だw
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