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Hunter and Smith Online  作者: 栗木下
第8章:黒狼騎士と樹巨人
202/249

202:遺跡-11

「「「ガンバンチョ!!」」」

 戦闘開始と同時に部屋の四隅に居るビックリバイトたちがそれぞれ複数の剣を俺に向かって射出する。

 当然と言うべきだが部屋の中心に居る俺には逃げ場が存在しない。


「ふん……。」

 なるほど。狭い室内でこの攻撃密度。確かに有効だ。だが甘い!甘すぎるわ!


「行くぞ!」

「ガババババー!?」

 俺はビックリバイトの一体に接近して一番最初に飛んで来た剣を掴むとそれを即座に反転、ビックリバイトの口の中に投げると共に後に続く剣たちも同じ個体に向けてある剣は投げ返し、ある剣は防具の金属部分を利用して受け流し、ある剣は柄の部分を蹴って加速する形で剣を放つ。

 そうして軌道を変えられた剣たちは残らず一体のビックリバイトの口内に突き刺さり、大きくたたらを踏みつつ壁際まで押し込まれる。


「まずは数を減らす……三部位【ダークエンチャントⅡ】【ハウリング】【獣人化:ウルグルプ】」

 俺は大量の剣によって大ダメージを負い、残りHPが僅かとなったビックリバイトの目の前に跳んで5つの祝福を同時に起動。両手両足と頭に闇を纏った状態で変身してさらに≪大声≫を強化する。


「『グルアアアァァァ!!』」

「「「ガババババー!?」」」

 そして俺が放った≪大声≫は闇を纏った衝撃波となり、狭い室内で幾度も反響してビックリバイトの体を襲う。


「これで一体!」

「ガババ……」

 そこから俺は最も弱っているビックリバイトの体を掴み、≪大声≫によって立ちくらみの様な物を起こしているその体に全力で試作型爆裂錫杖を叩きつけて箱の部分を粉砕、撃破する。


「「「ガババババ!」」」

「ちっ、来たか!」

 と、ビックリバイトを一体葬った所で残りの三体が手足を伸ばしながら回転して周囲を薙ぎ払う攻撃を繰り出してくる。

 やはりと言うべきか一体でも室内のほぼ全域をカバーする攻撃を三体同時に繰り出されたために逃げ場はほぼ皆無になっている。


「くっ……」

 俺はその攻撃を読む事で可能な限り回避し、避け切れないと判断したものはガードして耐える事で少しでも消耗を抑えると共に伸ばされたビックリバイトの手足をすれ違いざまに≪噛みつき≫で攻撃することによって少しずつ手傷を負わせていく。


「「「ガバット!ガバー!」」」

「っと。っつ!?」

 全てのビックリバイトが足元を押し潰してから俺に向かって腕を振るってくる。

 俺はそれを腕の一本にガードしつつ当たり、わざと吹き飛ばされることによって残りの攻撃を回避する。

 さて、ここまでの攻撃を見る限りここのビックリバイトは全てシンクロして攻撃を放ってくるらしい。


「となればだ。」

「「「ガンバンチョ!」」」

 三体のビックリバイトが同時に剣を射出してくる。

 俺はそれを最初と同じように弾き返すと接近。


「ガ……」

「一体ずつ確実にぶっ殺すのが正解だよなぁ!」

 大量の剣が突き刺さって動きが止まったビックリバイトの一体に闇を纏った≪蹴り≫を叩き込んで撃破するとその反動を利用して別のビックリバイトにメイス、≪噛みつき≫、≪蹴り≫のコンボを叩き込んで一気にそのHPを削り取ってやる。


「「ガバチョ!」」

「ヒャハハハハ!その程度か!」

「ガバー……」

 ビックリバイトが二方から同時に噛み付こうとしてくるが、噛み付かれる前に俺はコンボを決めた方に接近して蹴り上げてその個体のHPを削りきる。

 そして残った最後の一体のビックリバイトの噛みつきは横に跳んで回避する。


「さあ、覚悟しな!」

「ガバ……」

 俺が≪四足機動≫で接近すると同時に最後のビックリバイトが手足を折り曲げる。

 どうやらまたあの範囲攻撃をするつもりらしい。


「バババ……バアァ!?」

 そして手足が伸ばされ始めると同時に俺は跳躍、ビックリバイトの箱部分に掴まって踏みつける様に≪蹴り≫を叩き込んで強制的に回転を止めさせる。


「ガバ……」

 で、着地と同時に回転を強制的に止められて前後不覚に陥ったビックリバイトにラッシュを仕掛けてトドメを刺す。


「ふう。何とかなったな。」

 四体のビックリバイトが倒されると同時に静かになった空間へ扉にかかっていた鍵が開く音がする。

 どうやらこれで終わりらしい。

 俺は変身を解除してビックリバイトの死体に近づく。


「さーて、フィーバータイムだ。」

 でまあ、折角どちらかと言えばレアモンスターなビックリバイトを四体も倒したわけだしな。今回の剥ぎ取りは非常に美味しい。


「ふんふんふーん♪」

 そして剥ぎ取りの結果として技能石1個に各種ビックリバイトの素材が合計10個。いやー、その前の採取も含めてホクホクですわ。

 と言うか、技能石が1個出たのは良いけど何取ろう?

 ぶっちゃけ戦闘面に関してはこれ以上スキルが有っても使わないんだよなぁ……となると職人系スキルかそれに関連したスキル。もしくはセンケンジンキに変身するのに必要そうなスキルだよな。


「うーん。センケンジンキだろ……」

 俺はセンケンジンキの動きや攻撃を思い出す。

 センケンジンキの特徴と言えば武器を生み出す。生み出した武器を投げる。武器を自在に変形させて切りかかる。テレポート……うん。まるで分らん。

 黒い霧の様な物を使っていたから≪闇属性適性≫は当たりそうだし、武器を投げてたから≪投擲≫も多分当たる。

 けど後は本当に何だろうな……≪装備変更≫や≪片手持ち≫、≪矢玉職人≫とかか?

 テレポートに関してはプレイヤーに使わせると碌な事にならない気がするから関係ない気もするけど。


「あー分からん。」

 まあ、現時点ではストックしておくしかなさそうだし。探索を再開しますか。

 そうして俺は遺跡の中をさらに西へと向かって進んだ。

技能石出ましたが、鑑定スキルよりも新しい変身優先です。


12/22誤字訂正

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