200:遺跡-9
「本当に相変わらずの遺跡だなー」
「「蹴り潰せー!」」
俺はプロトキリングたちの攻撃を回避してから反撃として逆に蹴り上げて他のモンスターの居る場所へと弾き飛ばす。
「撃ち殺せー!」
「矢、美味しいです……っと。」
で、プロトキリングの陰に居たオートシューターの矢を掴んでそのままアイテムポーチに収納。
いやー、オートシューターの矢は武器としてもよし、≪鉄の胃袋≫を付ければBP回復も兼ねた食料になるからな。本当に美味しいです。
「「弾け……」」
「させるかよ。【ブラストスイングⅡ】!」
と、ここでプロトキリングが自爆する態勢に入ったために俺は≪四足機動≫で急いで接近して【ブラストスイングⅡ】を起動、試作型爆裂錫杖の先端から大量の爆炎が生み出され、纏ったメイスをそのままプロトキリングたちに向けて振る。
「おらぁ!」
「「「ガガガピピ!?」」」
試作型爆裂錫杖の振りに合わせてメイスから放たれた爆炎はそのまま2体のプロトキリングと1体のオートシューターを巻き込み、その莫大な熱量でモンスターたちを焼き払う。
「「ガガピー!」」
「撃ち殺せー!」
「おっと。」
俺は炎の中から放たれたオートシューターの攻撃を横に跳んで避ける。
どうやら先程の【ブラストスイングⅡ】でプロトキリングたちは落とせたようだがついでに巻き込んだオートシューターは倒せなかったようだ。
まあ、自爆されて剥ぎ取り不可になるよりはいいだろう。
「それにこれでお終いだ。」
「ガガピー!」
オートシューターに接近した俺は逃げようとするオートシューターの足を掴んで空中に投げると落ちてきたところに試作型爆裂錫杖を当て、先端の爆弾部分が爆発することによって発生する熱量によってトドメを刺す。
「さーて、剥ぎ取り剥ぎ取りっと。」
そして無事に戦闘が終わったところで俺は剥ぎ取りを始める。
さて、剥ぎ取りをしている間に考えるのだが、やはり遺跡の構造はかなり複雑だ。
まず様々なタイプの床が存在しているために分かりづらいが微妙に通路が曲がっていたり傾いていたりしてまるで蟻の巣か何かの様になっている。
そのために著しく自分が今居るのは何階のどこら辺と言った識別がしづらくなっている。
「それに加えてアレだもんなぁ……」
で、その複雑な構造を更に凶悪化させているのが吊り天井を含む各種罠だ。
細い通路に棘付き鉄球の振り子程度ならまだいい。
スロープに棘付き鉄球を組み合わせた押しつぶしトラップ等ならどうしたって急いで逃げる必要があるために位置感覚に著しい異常を来す事になるし、俺も利用した吊り天井エレベーターによっていくつもの階をすっ飛ばして上下移動をすればこれも位置感覚に狂いを来す事になる。
後、ヤバいのがアラームの罠な。どこかの部屋に逃げ込めば切れるとは言え、鳴っている間はそこら中から大量のモンスターが出現して集まってくるから最悪この前みたいな事態になるし、逃げている間に現在位置が分からなくなる。
しかも部屋の中に逃げ込めば止まるけど、それで吊り天井の部屋に逃げ込んだりすれば詰みだし。本当にエゲツナイわ。
「と、剥ぎ取り完了っと。」
俺は剥ぎ取りを完了した所で探索を再開する。
さて、早い所宝箱型の採取ポイントを見つけないとな。どうにも宝箱型は部屋の中にランダムで出現するみたいだから歩き回るしかない。
---------------------
で、しばらく歩いていると水場に出た。
「何処からか水が漏れて来ているのか?」
俺は水場が続いている方……遺跡の南側を見てそう言う。
俺の記憶が確かなら南には湿地帯が存在しているはずなので、やはりその辺りと何かしらの形で繋がっているのかもしれない。
もしかしたら樹林回廊側の入り口と同じで一方通行かもしれないが。
「ふーむ。」
ただ、見た限り水場と言っても水深はほとんどが足首程度で一番深い所でも腰程度のようであり、専用の装備やアイテムは必要無さそうである。この先もそうだとは限らないが。
「まあいいか。」
尤も、今回の目指す方向は西なので探索する必要は無いし、機会が有れば調べる程度の気持ちでいいだろう。
「ん?」
で、そう結論付けて水場に背を向けて移動をしようとし始めた俺は、背後から突然した自分以外の僅かな匂いが気になって振り返る。
「のわぁ!」
そして何かが飛来するのを見て俺は咄嗟に仰け反って何かを回避する。
「掴み蟹~」
「まだ新種がいたのか……。」
何かが水の中に居る何かの元へと高速で戻っていき、俺はその動きで攻撃してきた敵の正体を確かめる。
そこに居たのは四本の蟹っぽい足と一本の巨大な鋏が付いた腕を持つプロトキリングやオートシューターと同種のモンスター。
姿や生息域からして水中戦・引き込み型のモンスターだろう。
「蟹光線~」
「!」
と、機械蟹が鋏の間からビームの様な物を放って来たために俺はしゃがんで避ける。
「金星蟹~」
「ぬっ……せい!」
「カニー」
そして続けて岩の塊を投げて来たため、俺はそれを受け止めて投げ返す。
ダメージを受けた機械蟹はこちらを射線に捉えようと横に移動する。が、体が水面より上に出るような場所までは来ない。
どうやらこの機械蟹は何があっても水中から出てくる気は無いらしい。
「掴み蟹~」
「はあ、しょうがない。」
で、再びの引き寄せ攻撃が来たため、俺は紙一重でそれを避けるとワイヤー部分を掴む。
「なら、無理やり引きずり出す!」
「カニー!?」
で、そのまま一気に引き上げて機械蟹を無理やり地上に引きずり出し、ドリブルの要領で数度蹴りを叩き込んで水場から引き離す。
「カ、カニー!」
「ふはは逃がさんぞおおぉぉ!」
それでここからは割愛。
だって必死に水場に逃げようとする機械蟹の横っ腹を殴るか蹴るかして吹き飛ばし続けるだけだし。完全にいじめだったし。
まあ、水中に居る事を第一とする思考ルーチンなのが悪いって話だな。
なお、剥ぎ取れた素材はアンカークラブの鋏だった。
なるほど。鋏で強制的にプレイヤーをその場に引き留めるって事か。
そしてモンスターの名前に納得した所で俺の遺跡探索は再開された。
蟹の台詞に特に意味はありません
12/21少し改稿




