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Hunter and Smith Online  作者: 栗木下
第5章:狩人と狐
144/249

144:霧の湖-12

「アイテムよーし。装備よーし。ステータスよーし。うし。行くか。」

 俺は自分の状態を確認した状態で、今自分が今居るハスの葉から湖の中へと飛び込む。


「……。」

 湖の中に飛び込むと同時に湖底から複数の強大な力を持った匂いが俺に向かってくる。


「ぷはっ!よし。まずは第一段階。」

 俺は湖上に飛び出すのと同時に≪四足機動≫を使って手近な別な足場へと移動する。


「「「あせdcvfrtっゆ!」」」

 と、同時に大量の海月が湖上へと触手で攻撃を仕掛けながら飛び出してくる。

 とりあえず相変わらず何を言っているか分からないし、巨大でしかも数が多いな。


「じゃ、第2段階行きますか。」

「「「んhtgfdjか!」」」

 俺は海月たちに背を向けて次の足場へと飛び移る。

 当然俺の背中では俺に向かってくる海月の気配がするが、これは予想通りである。


 そして俺は霧の中を走り続ける。



---------------



「んbgtyhんじゅんtrds!」

「そろそろいいか。」

 さて、しばらく走り続けてまともな足場に辿り着いた頃には俺を追いかけてくる海月は一体だけになっていた。

 が、その残り一体も湖の中に帰ろうとしている。

 そこで俺はアイテムポーチから投げ矢を一本取りだすと、霧の中で蠢いている影に向かって狙いを付ける。


「ふっ!」

「いjhgtygb!」

 俺が投げた矢は狙い違わず海月の傘の部分に命中し、海月は俺の方を振り向いて突撃してくる。


「うー……やばっ!」

「kjhgfdsdfg!!」

 俺は海月の突撃を≪四足機動≫を使って大きく回避する。

 なぜ大きく回避したのか。言うまでもない。


「今まで接近したことが無いから気づかなかったが予想以上にでけぇ……しかもさりげなく触手の先端に針みたいなの付いてるし。」

 海月のサイズが予想以上だった上に紙一重で回避した場合、何が仕込まれているか分からない触手に掠る可能性が高かったからである。


「dfghjkjhgfd……」

「ん?」

 海月が俺の居た場所から1m程過ぎた所で止まり、触手の一本を持ち上げて俺の方に先端を向けてくる。


「が……!?」

 次の瞬間に感じたのは腹を何かが貫通した感触と、灼けるような痛みに何かの状態異常を受けたと言う感覚。


「麻痺……!?」

「bふytyhんhy……」

 受けた状態異常の名称は麻痺。

 マンティドレイクも使っていた一定時間動けなくなる状態異常だ。


「つーか見えなかったぞ……」

 だが、麻痺の追加効果もヤバいがもっとヤバいのはその攻撃が一切見えなかったという事である。


「tgfdrtgfdrめd」

「くそっ……早く動け……」

 海月がゆっくりと近づいてくる。

 俺は麻痺が早く治るように体を動かすが、まだ治る気配は無い。


「ぐっ……」

「gひゅjmんhjmんhj」

 海月の触手が首に絡み付き、俺は首を締められつつゆっくりと持ち上げられていく。


「ぬぐぐぐぐ……!」

 俺のHPが徐々に減っていく。


「!!」

 だが、HPが削られ切られる前に麻痺が解け、四肢が自由に動かせるようになる。


「【獣人化:ウルグルプ】二重起動!」

「gyjひゅjこ!?」

 俺はすぐさま全てのBPを消費して、武器と首飾り両方の【獣人化:ウルグルプ】を起動して海月の触手を噛み千切って拘束から逃れ、地面に立つ。


「スゥ……『グラアアアァァァ!!』」

「!!?」

 俺の全身は通常の【獣人化:ウルグルプ】使用時よりもさらに膨れ上がり、恐らくだが身長2m近くになっていた。

 そして変身完了の合図と共に放たれた≪大声≫は【ハウリング】を用いていないにも関わらず周囲一帯を震わせる。


「グガァ……」

 と、咆哮が終わると同時に今までとは比較にならないレベルの飢餓が襲い掛かってくる。

 恐らくだが、満腹度が減るペースも大幅に早くなっているのだろう。


「グルァ!」

「tyhじゅkjんht!?」

 そのため俺は手近にあった食べ物。

 つまりは海月の触手に噛み付き、大幅に強化されている≪噛みつき≫によってそれを食い千切ってすぐさま胃袋に納める。


「フシュー……」

 だが、まるで足りない。普段なら一時は感じられる満腹感が一切しない。

 俺の胃が、腸が、血が、肉が、脳が、本能が、魂がもっと食い物を寄越せと俺に訴えかけてくる。


「んhgfでryt……!?」

「逃ガスカ……」

 海月は俺から距離を取って逃げようとする。

 が、その前に俺は海月の傘に飛び移ると、両手で海月の体を掴み、限界まで口を広げて海月の体に牙を突き立てる。


「!!?」

「……」 海月はせめてもの抵抗なのか触手をこちらに向けてくる。

 恐らくは先ほどの麻痺攻撃を使うつもりなのだろう。

 だが、俺は触手の先端が向けられる前に早く向けようとした触手から順に胃袋の中に納め、即座に自らの体を動かすためのエネルギーへと変換する。


「んbvcxざsfghんbvcxざ……」

 そうやって何十度も牙を突き立て続けているとやがて海月が地面に落ち動かなくなる。


「ぐっ……飯……」

 と、同時に満腹度が0になったため【獣人化:ウルグルプ】が解除され、俺は適当なアイテムを一先ず口にすることによって満腹度を回復させる。


「剥ぎ取り……」

 俺は地面に倒れて動かない海月に向かって『剥ぎ取りの手』を付けた手で触る。

 海月はこの上なくヤバい相手だった。下手をすると青のウルグルプやグランシザーよりも遥かに強いかもしれない。

 現に俺は【獣人化:ウルグルプ】の二重起動と言う切り札を切らされているぐらいだ。

 もし仮に一匹だけ吊らずにあの集団をそのまま相手にしていたら……考えたくも無い。


「剥ぎ取れたか。」

 だがしかし、狩ったのは最早動かない事実であるし、これだけ強いのなら素材にも十二分に期待が持てるだろう。


「……。」

 が、アイテムとして手に入ったのは……


 技能石×1


「……。泣いていいかな……?」

 技能石一個だった。

 しかも仕様なのか剥ぎ取った時点で海月の死体は消えた。


「アオオォォーン……」

 とりあえず今は泣いても許されると思う。

 霧のおかげで誰にも見られていないのだから。


△△△△△

Name:ヤタ


Skill:≪メイスマスタリー≫Lv.23 ≪メイス職人≫Lv.19 ≪掴み≫Lv.21 ≪四足機動≫Lv.21 ≪噛みつき≫Lv.23 ≪鉄の胃袋≫Lv.21 ≪嗅覚識別≫Lv.21 ≪大声≫Lv.20 ≪闇属性適性≫Lv.13 ≪蹴り≫Lv.19 ≪投擲≫Lv.20 ≪方向感覚≫Lv.20


控え:≪酒職人≫Lv.19 ≪器用強化≫Lv.16 ≪握力強化≫Lv.19 ≪筋力強化≫Lv.21 ≪嗅覚強化≫Lv.21

ストック技能石×1

▽▽▽▽▽

二重起動は強力ですがその分満腹度消費が異常です。具体的には補正無しなら満腹度100%→0%まで、

通常時:24時間

通常起動:300秒

二重起動:30秒以下

となっております。

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