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Hunter and Smith Online  作者: 栗木下
第4章:夢現と雪飛竜

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106:坑道-3

 さて、外の雪山がいつも通り寒いのならもちろん中である坑道はいつも通り暗い。

 まあ、俺にとってはサルファーサイス以外のモンスターをやり過ごしたり奇襲を仕掛けたりするのに楽だから別に構わないんだけどさ。


 というわけで、いつもの様に明かりを持っているせいで位置がバレバレな敵に不意打ちを仕掛けて一方的に蹂躙しつつ俺は坑道の中を進んでいく。


「ん?ここだけ妙に明るいな。しかも地底湖か。」

 と、坑道の中を歩いていると突然坑道が開け、他の場所に比べて明らかに明かりが多く、底が見えない程深い湖が設置された場所に出る。

 感じとしては海底洞窟の地底湖に近いが、これだけ深いとフェルミオ並の遊泳能力か、帯気石漬け込みが完了した帯気水が必要になる気がする。

 エリア全体の場所としては……南東か?

 これはもしかすると狩猟神の神殿(樹林階層下層部北東の湖)-職人神の神殿(雪山の麓とここ)-技巧神の神殿(地底湖)で繋がってるのかもな。距離的にそれぞれの間に別のエリアを挟んでいる可能性も否定できないけど。


「まあ、その辺はさっきのボスゲートのボスを倒せば分かる事か。」

 俺はそう結論付けると上方向に伸びている道を選んで再び移動を始める。



----------------



「ん?」

 坑道の中を進んでいくと一瞬空気の流れと言うか匂いが変わった気がした。


「ちょっと調べてみるか。」

 俺は外の樹があった場所から繋がる坑道でやったように周囲の壁を軽く手で叩いてみる。


ゴンゴンコンゴン


「ここか?」

 すると一か所だけ叩いた際の音が違ったため、俺はそこを注意深く探ってみる。

 で、調べた結果として極極小さな穴が開いていて、そこから外気が坑道の中に入ってきていることが分かった。


「一応やって見るか。」

 俺は一応ポーチの中に入れておいたピッケルを取り出して壁を掘ってみる。

 が、全く掘れないしアイテムも出てこない。

 このピッケルは王都で店売りにされていた物なので、もしかしたらピッケルのランクのような物が足りていないのかもしれない。

 となるとストーンゴーレム戦の余りとして俺の手持ちにある火薬でもダメな可能性は高いだろう。アレも店売りだし。


「まあ、どの道アイテムポーチの空きもだいぶ少なくなってきているし、無理なら素直に退くべきか。」

 と言うわけで、俺は潔く退いておく。

 それにまあ、別に外の斜面を下ると言う方法でも採れることは分かっているしな。わざわざ正規ルートを使う必要もあるまい。


 そして再び俺は職人神の神殿に戻るために歩いていく。



------------------



「『だあああぁぁぁ!!だから複雑すぎんだよ!』」

 俺は思わず≪大声≫を使いながら叫ぶ。

 坑道の中を移動し始めて既に結構な時間が経過している。

 が、未だに見覚えのある場所までは来ていない。


「「「ゴブゴブ!」」」

「邪魔だ!【ファイアスイング】!!」

 と、俺の≪大声≫に反応してゴブリンの一団が襲い掛かってくるが、≪嗅覚識別≫によって位置を掴んでいたので、いつも通り≪四足機動≫からの≪噛みつき≫で突っ込み、そこから【ファイアスイング】でゴブリンたちを薙ぎ払う。


「「「ゴブア!?」」」

 今更な話だが、敵を攻撃した際に発生するエフェクトの派手さと大きさは威力に比例する。

 なので、火40などと言う文字通りふざけた火力を持つレッドコークメイスを【ファイアスイング】でさらに火属性を高めてこういう狭い場所で振ったりするとだ、


「ヤベッ!」

 俺の視界一面を埋め尽くすような大量の炎エフェクトが発生することになる。


「ゴブッ!」

「ちっ!」

 【ファイアスイング】を生き残ったゴブリンがエフェクトの向こうから手斧で攻撃を仕掛けてくる。

 俺はそれを掠らせつつ避けると反撃でゴブリンの顎を蹴りあげ、追撃でメイスを振り下ろして倒す。


「ふう。ちょっと冷静にならないとな。」

 俺はゴブリンたちから素材を剥ぎ取りつつそう呟く。


 確かに道に迷い、いつまで暗闇が続くのかと言うのは中々にストレスがかかるものである。

 だが、考えてみれば俺はバーバリアンであり、武器に頼らない攻撃手段も敵に反撃を許さずに倒す方法も、そして食料アイテム以外で満腹度を回復する方法も持ち合わせている。

 なので、道に迷ったところで困るのは寝床とアイテムポーチの空きぐらいなのだ。故に慌てる必要はどこにもない。


 と言うわけで理論武装を整えた所で再び歩き出そうとするのだが……


「またお前か!」

 背後に硫黄臭を感じたので全力で蹴り上げからの≪噛みつき≫に加えて≪掴み≫からの連打というフルコンボで叩きのめしておく。

 ちなみに最近はレベル15を境にレベルが上がりづらくなってきたため、敵に合わせてちょくちょくスキル構成を変更しているので、フルコンボの内容はその時々で変わっていたりする。


 その後体感時間で1時間ほど彷徨ってからここまで上がれば外から行った方が近いと気づき、ちょっと悲しくなりつつも日が落ちて夜になる頃に俺は職人神の神殿へと帰還した。


△△△△△

Name:ヤタ


Skill:≪メイスマスタリー≫Lv.18 ≪メイス職人≫Lv.15 ≪握力強化≫Lv.15 ≪掴み≫Lv.15 ≪筋力強化≫Lv.15 ≪方向感覚≫Lv.15 ≪四足機動≫Lv.14 ≪投擲≫Lv.15 ≪噛みつき≫Lv.16 ≪鉄の胃袋≫Lv.14 ≪嗅覚識別≫Lv.15 ≪大声≫Lv.15


控え:≪酒職人≫Lv.15 ≪嗅覚強化≫Lv.13 ≪器用強化≫Lv.10 ≪蹴り≫Lv.8

▽▽▽▽▽

他のエリアとの繋がりが見えて来ております。

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