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Hunter and Smith Online  作者: 栗木下
第4章:夢現と雪飛竜

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103/249

103:坑道-2

「た、助けてくれえええぇぇぇ!」

 坑道を出口に向かって進む俺の耳に男の叫び声が聞こえてくる。


「うーん。向かってもいいが、男だしなぁ……」

 ぶっちゃけ助ける気はあまり起きない。ついでに言うとそもそも会えるかどうかも分からない。

 坑道は構造が複雑だからなぁ。まだ道を把握しきれてない。


「ま、会えたら助けるでいいか。」

 そして再び俺は出口に向かって歩き出す。



--------------



「い、行き止まりか!クソッ!」

 海底洞窟の地底湖の様に開けた場所に出た所で下からそんな声が聞こえてきた。

 ちなみに俺がいるのは広間の上に架かった橋のような場所で、だいぶ下と距離があるため男とその男に襲い掛かろうとしている大量のモンスターたちの持つ灯りはこちらまで届いていない。

 なので無視しようと思えば無視できる。


「ただまあ、遭遇した以上は助けるか。」

 俺は橋の上から敵の位置と種類、数を確かめる。

 うん。数は多いがスキル構成を調節してから【獣人化:ウルグルプ】を使えば十分いけるな。


「【獣人化:ウルグルプ】『アオオオオォォォォン!!』」

「こ、こうなれば……ひっ!?」

 俺は橋の上で【獣人化:ウルグルプ】を起動すると遠吠えを上げて自らの存在を男にもモンスターにも主張する。


「『行くぜおらああぁぁぁ』!!」

「ゴブアァ!?」

 俺は橋の上から飛び降りると着地点に居たゴブリンを明かりごと踏み潰す。


「さあ、ショータイムだ!【アイアングラップ】【ウルフファング】!」

 続けて俺は最も近くに居たゴブリンの頭を掴むと首を二度噛みして即死させ、勢いそのままに近くに居るモンスターから当たるを幸いにメイスで叩き潰し、≪噛みつき≫で満腹度を回復しつつ灯りを持つモンスターから優先して倒していく。

 もちろん≪大声≫で敵を惹き付けておくのも忘れない。

 なお、ゴブリンの肉は人型だからなのか不味く設定されている。が、贅沢を言っている暇は無いので我慢する。


「ゴブゥ!」「ゴバァ!?」「ゴブッ!!?」

 そしてだいたいのコクスラグとレッドスライム。それに松明持ちのゴブリンを始末して残りが普通のゴブリンだけになったところで、俺は明かりを失いこちらを見失ったゴブリンたちを相手に更なる蹂躙を開始する。


「な、何だこれ……音も無くゴブリンたちが……」

 今までと違って静かにかつ素早く≪四足機動≫で接近し、ゴブリンの口と肩を≪掴み≫で抑え込んだところで喉笛を≪噛みつき≫で食い千切って殺す。

 そうしてゴブリンが悲鳴を上げることも出来ずに倒れた所で次のゴブリンの位置を≪嗅覚識別≫で見つけ出して飛びかかり同じことを繰り返す。

 ゴブリンたちはそれでも俺を見つけ出すことは出来ていない。より正確に言えば俺を見つけ出したゴブリンから俺は噛み殺すためどのゴブリンも俺を見つけることは出来ない。


「だ、誰なんだ一体……」

 男は怯えた様子で松明片手に俺が巻き起こす惨状を眺めている。


「……っつ!?」

「グオッ……」

 と、ここで俺の鼻が硫黄臭を感じ取ったため俺はその硫黄臭がした場所を勢いよく蹴り上げる。

 そこに居たのは予想通りと言うべきかサルファーサイスだ。橋の上から確認した限り最初は居なかったので戦っている間に広間に入ってきたのだろう。

 というかもしかしてサルファーサイスは明かりが無いと寄ってくるのか?今も最初も暗闇での戦闘だったしな。


「まあ、何だっていいか……とっととぶちのめすだけだ。」

 サルファーサイスは俺の感知範囲外に逃げようとする。俺はそれを止めずに周りのゴブリンを食い殺していく。


「甘えよ。」

「ゴブアァ!?」

 そしてゴブリンたちを倒している間に再びの硫黄臭。

 俺は右手で掴んでいたゴブリンを盾代わりにサルファーサイスの攻撃を受けさせて始末すると左手でサルファーサイスを掴み、右手をメイスに持ち替える。


「グオッ、グガッ、グギャ!」

 そしてまずサルファーサイスの頭があると思しき場所に向かってメイスを突き出して命中。続けて横振りを頭に当ててダメージを蓄積させ、最後にメイスを振り下ろして始末する。

 で、そのまま残りのモンスターたちも全て始末する。


「死神を……黒い狼が……これは……」

 と、全てのモンスターを始末した所で男が茫然自失と言った様子で広間全体を眺めている。

 というかもしかしなくても俺ってばまたプレイヤーとして認識されていないのか。まあいいか。


「こいつらの素材は貰っていく。良いな?」

 俺は男にそう問いかける。


「えっ、あっ……ああ……。」

 男は慌てた様子で頷き、俺が素材を剥ぎ取る事を了承する。

 そして俺はできるだけの素材を手早く回収するとその場から立ち去り、満腹度の減りがヤバい事に気づくと【獣人化:ウルグルプ】を解除する。

 いやはや、戦闘中は積極的に≪噛みつき≫を使うから問題ないが、非戦闘時になるとあっという間に満腹度が減るな。


 と、明るくなってきたな。そろそろ出口か。

 そして俺は職人神の神殿へと戻った。



■■■■■



職人神の神殿攻略に関するスレ@2


1:文屋

 こちらは職人神の神殿(北の山を抜けた先)攻略に関するスレッドです。

 ボスに関してはボス攻略に関するスレへお願いします。


178:ホリラー

 今日坑道の中で鉱石を掘っていたら大量のモンスターをトレインし、行き止まりに追い詰められた時点で俺は死ぬと思っていた。

 そしたら突然狼の遠吠えのような物が辺り一帯に響き渡って次の瞬間上から黒い狼が飛び降りてきた。

 そいつはモンスターなのに同じモンスターを食い殺し、あまつさえ不意打ちするように現れたはずの死神すら打ち倒した。

 最後に人間の言葉でこちらに問いかけて来たんだが、生きた心地がしなかった。モンスターだけでなく俺まで食われると思った。

 一体なんだったんだあれは……


179:ガントレット

 これはツッコミ待ちであるか……?


180:ヤルガバッハ

 一人だけ思い当たる相手が……


181:橋姫

 こんなに目立つなんて妬ましい。


182:ホリラー

 知ってるなら教えてくれ!あの化け物は何だったんだ!こ、このままじゃ恐怖で夜も寝られない!


183:白麦

 とりあえずこれ見ときなさい。

 つ[突発技巧神の神殿決闘中継スレ@1]


184:キンローカンシヤ

 ああ……また魔獣が出たのか……。

 ところで死神って何ぞ?坑道にそんなモンスターがいた覚えは無いんだけど。



----------------



252:ヤタ

 坑道にてコクスラグ、ゴブリン、レッドスライム以外の新モンスターを確認。

 名前はサルファーサイス。外見は黒い襤褸を纏った黄色い頭蓋骨と両腕だけの骸骨が硫黄臭のする鎌を持ったモンスター。

 恐らくだが明かりが無いと現れ、こいつの攻撃は敵味方の区別が無いと思われる(普通に盾に使ったゴブリンを切り殺してた)。

 加えて攻撃の瞬間以外は臭い、音を感じ取れず、とにかく隠密能力が高いので明かりを持たずに坑道に入る時は注意されたし。


253:アーマ

 また面倒なモンスターねぇ。>>178の言っていた死神はこれかしら。


254:ブルースカイ

 それ以前に>>178に出て来た狼も>>252なんじゃ。


255:カグヤ

 それは突っ込んだら負けよw


256:ガントレット

 まあ、『蛮勇の魔獣』であるしなw


257:ヴィヴィタ

 『蛮勇の魔獣』だしなwww


258:ミルドラ

 『蛮勇の魔獣』ならしょうがないwwwww


259:時の引鉄

 あの毛皮をモフモフしたいなぁ……

どう見てもモンスター

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