ドラゴンボール哲学 気を科学する
ドラゴンボール。
国民的作品として、世代を超えて名を挙げるであろう偉大な作品だ。
世界的にも大人気で、ジャンブ黄金期を築き上げた立役者そのもの。
そんな作品の根幹を支える存在が気だ。
この存在について設定考証してみた。
●仮説:ヒックス場のハック、或いはアインシュタイン方程式的な相転移
アインシュタインの方程式といえば、以下で表される。
E=mc^2
エネルギーとは、質量✕速度の2乗で表され。
本質的にエネルギーと質量の存在は等しい、という奴だ。
このなんか頭の良さそうな式を、仮説に持ち込み。
作中で起こる様々な事象から、逆説的にそれを実現できる存在。
即ち仮称:気粒子の性質を定める。
・電磁相互作用を起こさない、基底状態のボース粒子
・通常時の基本質量は0で、無として振る舞うが、励起すると、有効質量を持つ状態に相転移する
=超対称性のハックによる、フェルミ粒子の破れ
・励起状態では慣性質量による、原子結合の強化に利用できる
・励起状態は大気と干渉し、密度や位相の一致で補わなければ、エネルギーを可視光へ変えながら、基底状態に戻ろうとする
・圧縮&射出すると、流体かつ位相の揃った長波長&高密度なレーザー的に振る舞う
・生来的に体内で生成・貯蔵され、無意識の生体活動にも使用される
・随意筋&運動野的な働きによって相転移する
・負荷によって超回復的に、生成量&貯蔵量&相転移速度が発達&向上する。
・基本的に相転移は、瞬時に切り替えられない。ただし獲得的に補える
・量&励起に応じて恒常的に、重力子に干渉し余剰次元に追放する
=重力質量と慣性質量のハックによる、重力質量の破れ
こんなところだろう。
……何言ってるか分からない?
……大丈夫大丈夫。
これから作中の事例で、
・本来何が起こるべきか
・(本来起こるべき事に)気が何をしたか
を説明するし。
あとヒックス場とかフェルミとか、そういう言葉は。
もう使わないから、安心してほしい。
なんか科学的には、言及しないといけないけど。
文章を読むには、まぁ必要ない知識だ。
●かめはめ波の不思議
ドラゴンボールといえば光線技。
そして見せ場といえば、敵の光線と衝突する場面だろう。
圧倒的な敵の攻撃に、一方的に掻き消されてしまったり。
力が拮抗・衝突して、一気に押し切ったりする奴だ。
これだけなら気同士が干渉する、という性質の説明だが。
子供の悟空が天下一武道会で見せた、かめはめ波を後ろに向けて飛んだ場面。
あれは反動推進の原理そのものだから、確実に質量を持ってる。
※光子は運動量を持つので、これだけなら説明できるが、最終的に使用者が被ばくするので除外
で、この光線類を、普通に解釈すると。
レーザーだと交差しても、押し合いにならないから除外。
荷電粒子やプラズマの、ビームに近い事になる。
でもそれらは大気中ではすぐ拡散するし、何より放射線を撒き散らす筈だ。
●かめはめ波→高圧放水
まず体内にある、非活性な気に働きかけて。
有効質量を持つ、励起状態に相転移させる。
必要な分をその場でレンチンしてる、という事だ。
そして体外に放出すると、燃えるロウソクの様に消費され。
光と熱という形で、認識できる様になる。
量が多い場合は大気をプラズマ化して、発光やスパークを伴う。
気を放った時の、炎みたいなオーラとか、光線技が目に見える理由だ。
そのまま質量化した気を、圧縮&射出して、敵にぶつける。
気は位相が揃った=コヒーレントな=波動的な、レーザーなので、直進性が高く拡散しない。
逆に圧縮が甘いと直ぐに拡散し、不発になる。
※ブウ戦ラストの善ブウは最終的に、気そのものの枯渇か制御の問題か、実際に気弾を撃てなかった
何より流体としての特性が大きい上。
そしてレーザーとしても、長波長なので低エネルギー&低速。
※レーザーの速度とエネルギーは、波長&振幅に比例
これなら放射線が発生しにくいし、もし発生しても。
プラズマ化した大気にトラップされ、外に出る頃には無害な光と熱に減衰する。
要は高圧放水とか、ウォーターカッターと同じだ。
かめはめ波での押し合いは、高圧放水ホースを向け合って。
相手を転ばせた方が勝ち、という対決に似てる。
●元気玉=粒子の譲渡
ご存知、悟空最大の技。
生命から元気を借りる技だ。
気を粒子として理解すると、技の性質は素直だ。
本来の持ち主の許可を得て、気を分けて貰うだけだ。
粒子の移動は、物理的な何かに遮られない上。
ブウ戦を見るに、地球から界王星にもすぐ到着する。
量子テレポーテーションを起こす、のかもしれない。
ただし、幾つか説明の付かない現象もある。
1つは、渡した側が疲れる事。
相転移するまでは、無として振る舞う筈なのに。
全力で走った程度に、疲れるらしい。
この事からどうやら非戦闘員でも、無意識的に気を使って生活してる様だ。
1つは、発光する事。
相転移するまでは、無の筈なのに、集めてる最中に光ってる。
これだと特に悟空とかベジータとか、戦闘力が高いキャラ達は。
日常的シーンでも、光輝いてないとおかしい。
気は体外にあると不安定で、エネルギーのロスが発生して。
微量な分が、可視光に変換されているらしい。
悟空が瀕死のフリーザにだったり。
ブロリー戦で、ピッコロ達が悟空にだったり。
力の大会で、ベジータが悟空にだったり。
気を直接渡している描写でも、可視光として描かれているので、そういうものなのだろう。
●気=生命力?
実は気は生命力と関わる、というのは元気玉以外にも確認できる。
亀仙人とサイヤ人だ。
亀仙人は300歳を超える。
実は地球人じゃない説も考えたが、地球人に性的興奮を覚えているので。
やっぱり遺伝子的には、標準的な人なのだろう。
そしてサイヤ人は、若い期間が長いという。
両者は気のコントロールに長ける、という共通点を持つ。
気はもっと生物的な根幹に関わる、重要な要素で。
若さや寿命にも、強く影響していて。
光線としての射出等は、性質の一部分でしかないのかもしれない。
因みに亀仙人の姉こと、占いババアは500歳となる。
彼女はとても、気の扱いに、長けている様には見えないが。
水晶玉で空を飛んだり、少なくとも常人には見えない。
ただそれ以上に、あの世と顔パスなので。
彼女に関しては、気とは違う理屈で、長寿な可能性も高い。
●肉弾戦にも働く気
気=質量の変動だと、光線技以外にも強力に作用する。
運動量=質量✕加速
この理屈から重さと速度は、トレードオフな筈だが。
普段は気をオフにしておき、インパクトの瞬間に質量を高めるという。
理想的な運動量保存則のハックによって。
ムチの速さのハンマーという、滅茶苦茶な打撃を実現できる。
この性質は、セル戦でも言及されていて。
トランクスがベジータを超えた、と豪語したパワーは。
スピードが乗らず、攻撃そのものが当たらなかった。
パワー=質量だけを上げても、速さが反比例する。
同時にコントロールを身に着けないと、持ち腐れとなってしまう。
●防御にも働く気
派手な光線技が直撃しても、衝撃波を伴う打撃を受けても。
悟空達は戦闘不能にならないので、明らかに硬い。
身体を構成する、原子1つ1つの結合力を気で強化し。
体外に放出した気は、より密度の低い気に対して。
バリア的に振る舞う、という事だろう。
それどころか実力に格差がある場合、空中で被弾してもビクともしない。
これがただ硬いだけなら、無傷だろうと吹き飛びはする筈だ。
アインシュタイン方程式曰く、エネルギー=質量なので。
防御にエネルギーを費やす程、重たくなる事が分かる。
我々が地球を蹴っても、自分が反動を受けるだけの様に。
気を纏った存在は重くなり、その空間に固定された様に振る舞う。
●気の扱いの難しさ
フリーザ軍の、スカウターに関するやり取りで。
悟空達の抑えられた気から、実力を誤認する定番のやり取りがあった。
色んな台詞からも、気を変動させるのは、かなり特異な高等技術といえる。
防御で述べた通り、エネルギー=重さなので。
もし垂れ流しなら、日常生活も送れない。
普通は戦闘中はずっとオンにして、状況が終了したらオフにする、ぐらいの操作が限界なのだろう。
劇場版の強敵とか、ゴールデンフリーザが。
あんなに優勢だったのに、突如逆転されるのはこれが大きい。
敵のボス達は戦闘開始と同時に、エネルギー総量を減らしながら戦い。
器用に気のオンオフを切り替えて、節約した悟空達に。
時間経過によりエネルギー総量で、逆転負けしてしまうのだ。
気のオンオフの切替が、スムーズになる程。
消費効率が大幅改善され、理想的な攻防ができる様になる。
実際に劇場版のスーパーヒーローでは、ベジータが同じ分析を行い、それを聞いたウィスも認めている。
またフリーザ軍の回復カプセルが、急激に失った気の補填を行うものなら。
フリーザが全力戦闘して、このカプセルを利用する=回復中は無防備となり。
敵に狙われたり、部下の離反を招く等、フリーザが軍を率いる理由にもなる。
●気の随意性と修行と不意打ち
そして明確にオフの状態がある事が、劇中の色んな出来事の説明になる。
気に働きかけるのが、思考によるものなら、座学で十分な筈だが。
学者の卵である頭の良い悟飯は、修行から遠ざかると弱くなっていた。
気は恐らく、随意筋的で運動野によって制御される。
過酷な修行で運動シナプスを作り、負荷をかけて発達するプロセスを持つ。
要は丸っきり、スポーツの練習や筋トレと同じ理屈で強化される訳だ。
そして常時質量を持つと、日常生活が送れないので。
普段必要のない時は、オフに切り替えており。
オフであれば、悟空達の肉体も、鍛えた人間と同レベルとなる。
惑星破壊レベルの攻防を行う悟空が。
セル編でクリリンの投げた、石を痛がったり。
超でレーザー銃で撃たれたのが、深手となったりした理由となる。
●身勝手の極意
キャベ達が超サイヤ人になるには、背中がムズムズするという。
これを悟空を認めたので、共通の身体構造と確認できたのが大きい。
悟空はいかにも、感覚派の天才というイメージがあるが。
実はフュージョンの伝授で、手順を1から説明し、具体的な注意点を指摘していたので。
指導は意外と理論派な事が、確認されている。
そんな悟空が認めた以上、サイヤ人器官は背中側にある。
そしてこれが背中にあるなら、通常の気の相転移器官も背中にある。
何故ならサイヤ人と地球人が、交配可能な以上。
サイヤ人器官という、特別な器官は存在せず。
ただ高容量・高出力なだけで、実態は地球人も持つ同じ器官だからだ。
更に悟飯が超で気を、アクティブソナーとして放つ場面がある。
そもそも察知ができる通り、気は作用と反作用という、純粋に物質的な性質を持ち。
相転移器官は相互的に、フィードバックを受け取る事ができる。
この性質を極限まで研ぎ澄ませ、相手の気を正確に読み取る事で。
随意的思考を排除した、自動的な反射として完璧に対処する。
それが身勝手の極意、と呼ばれる状態だろう。
特に超のラスボスは、圧倒的防御力だったが。
17号の不意討ちにより、無防備な状態だと攻撃が通じると判明した。
その上で身勝手の極意は、正面からの攻撃が通じた。
つまり戦闘を意識した敵であっても、その気の流れの強弱&分布といった。
波の様な一瞬の変化すら看破し、的確な弱点攻撃ができた事になる。
これは気の相転移器官を、極限まで発達させ。
シナプスとの連動を、反射レベルまで高めた上。
様々な攻撃と防御のパターンを、脳髄レベルに染み込ませないと無理だ。
極意に相応しい、と言える内容だが。
気の使い方と攻防の型を、反復練習で身体に馴染ませた。
純粋な随意的運動の延長上、に存在するともいえる。
●気と重力
超サイヤ人3や完全体セルが、気を解放すると。
大地が砕けて、そのまま浮き上がる。
吹っ飛んでいくとか、逆に悟空達がブラックホールに近い質量を獲得し。
潮汐力で引き寄せるならともかく、浮かび上がるのは不自然だ。
ここで重力子の話が出てくる。
実は重力は超ひも理論では、余剰次元に作用しているとされている。
そこで重力子がその次元に作用する動きを、気が補助すると考えれば。
気が高まる程、重力の影響は少なくなるとみなせる。
舞空術の空中での安定が、推力飛行に見えない事や。
作品後半クラスのキャラだと、戦闘中は本気でブラックホール化しかねない事からも。
気と重力質量の軽減は、直結&比例している。
何より精神と時の部屋に隔離された、ブウとゴテンクスが。
大声(を伴う気で)次元を崩壊させた描写は、高密度の気を放つ事で。
余剰次元の許容量を超えて、量子トンネルを形成したと説明できる。
まぁ小難しい単語が並んだが、次元を移動できるっていうのを。
説明する仮説がある、と理解してくれたら、それで十分。
●気と人造人間
人造人間に気はない。
しかし空を飛べるし、気弾を放てる。
超でも、人造人間は大活躍した。
この事から気は、全く代替可能で。
作中の気の攻撃は全て、純粋に物理的な作用で起こっていると分かる。
というか、こんな不思議な事が起こせるのは。気以外には到底考えられない。
使い方が特殊なだけで、本質的には気の亜種と思われる。
考察できる余地がないので、ここの言及はこれが限度だろう。
機械的な変換&再現を経て、純粋な気ではなくなったが。
性質の取り出しには、成功しているらしい。
ドクターゲロ、驚異のメカニズム。
●クウラの悲劇
フリーザのお兄ちゃんで、シリーズ全体でも中々見ない。
地球から吹き飛ばされて、太陽に押し付けられて圧殺という。
珍しいやられ方をしたキャラだ。
しかし筆者の仮説では、かめはめ波等の気弾は。
レーザー的性質を持つとは言っても、本格的なビームに比べれば非常に低速となる。
地球と太陽は光速でも、約8分半掛かる。
もし、かめはめ波が光速の0.1%という、「破格」の速度を持っていたとしても。
その到達には1000倍の時間、8300分掛かる。
時間換算で約138時間、日付換算で約6日弱。
なら、悟空は6日間不眠不休で、かめはめ波を撃ち続けないといけないのか。
……よく考えたら、そんな事なかったわ。
悟空の仕事はクウラを、地球の重力圏の外に追い出すだけで終わる。
かめはめ波を構成する気は、宇宙=完全な真空、ではないので。
干渉した物質に反応して、変わらず可視光は放つが、減衰量は大幅改善する。
すると質量を保ったまま、レーザー的直進性を発揮するので。
ひたすらクウラを運んでいくが、その結果どうなるか。
いずれ地球の重力の約28倍強い、太陽の重力圏に到達。
あとはどんどん、太陽に引き込まれていく、という寸法だ。
現実でいうスイングバイに近い、圧倒的加速を実現する。
特大かめはめ波に、磔にされての宇宙漂流刑だ。
普通、かめはめ波との撃ち合いに負けた敵は、その場でやられる。
気の性質上、力負けすると完全に、生身でエネルギーを受ける事になるからだ。
それでもクウラが生き残ったのは、純粋にボディが頑丈だったんだろう。
そして金属を思い浮かべればわかるが、硬いものは普通重い。
クウラレベルで硬いと、気の重力軽減がない状態だと。
もう全く身動きできない、桁外れの重さだと思われる。
きっと地球から押し出された直後は、何とか気を溜め直して。
かめはめ波から脱出しよう、と思っていただろうに。
どんどん加速して、太陽直行コースだと気付いてしまった時の。
クウラの心情足るや、いかばかりだった事か。
個人的にはブウに卵にされて、踏みつぶされたチチが。
シチュエーションはエグイが、即死だった事を差し引けば。
シリーズ中トップクラスに、残酷な処刑法だと思っている。
全ての不幸の元凶は、クウラの強靭なボディだろう。




