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墜ちるために飛んだ ――父と太陽と、イカロスの告白――  作者: 白崎灰音


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9/9

墜ちきれなかった人間へ

 もし、あなたがまだ空にいるなら。

 もし、飛んでいるのか、落ちているのか分からない場所で、凍えているなら。


 私は、あなたに言葉を残したい。


 高く飛べなくてもいい。

 誰かの期待に応えられなくてもいい。

 正しく生きられなくてもいい。


 世界は、成功した者の声で満ちている。

 正しかった理由、努力した過程、報われた結果。


 だが、その裏側には、語られなかった無数の墜落がある。


 私は、その一つだ。


 飛ばなければならなかった。

 期待されたから。

 翼を与えられたから。


 だが本当は、飛ぶ前から、私は疲れていた。


 もし、あなたが今、

 「このまま飛び続けるべきか」

 「いっそ落ちたほうが楽なのではないか」

 そんな場所にいるなら。


 落ちなくていい。

 無理に飛び続けなくてもいい。


 翼を脱いで、地面に戻るという選択も、確かに存在する。


 私は、それを知らなかった。

 誰も教えてくれなかった。


 だから、あなたには知っていてほしい。


 墜落は、最後の選択だ。

 その前に、降りる場所は、きっとどこかにある。


 海は、確かに冷たくない。

 だが、地面のほうが、長く生きられる。


 それでもなお、あなたが飛ぶなら。

 それでもなお、あなたが選ぶなら。


 どうか、その選択が、

 あなた自身のものでありますように。


 私は、飛ぶために生まれたのではない。

 墜ちるために飛んだ。


 ――あなたは、どうか、生きていてほしい。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。


この物語は、英雄の話ではありません。

高く飛べなかった人間でもなく、

飛べてしまったがゆえに、降り方を探していた人間の話です。


もし読後に、

少し胸が苦しくなったり、

自分のことを思い出してしまったなら、

それはこの物語が、あなたの中のどこかに触れたということだと思います。


感想は、どんな一言でも大歓迎です。

「苦しかった」でも、「分からなかった」でも構いません。


ここまで読んでくださったこと自体が、

この物語にとって、何よりの救いです。


本当に、ありがとうございました。

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